日本で一番有名な山、日本で一番高い山である富士山ですが、一生に一度は登ってみたいと思っている人も多いのではないでしょうか。
登山はいつできるのか、どんな持ち物が必要かなど、富士登山に必要な知識をまとめました。
あわせて周辺の観光スポットもご紹介します。
1. 富士山ってどんな山?
富士山は日本で一番高い山であり、その美しさは、日本国内からばかりでなく海外からの登山客も惹きつけるほど有名です。
富士山は、山梨県と静岡県にまたがる活火山です。江戸時代、1707年の大噴火を最後に沈黙していますが、今でも火山活動は続いています。
昔から霊峰とされており、信仰の対象となってきました。現在でも山頂には神社があり、人々の信仰を集めています。
日本のシンボルとしても名高い富士山ですが、登ってみたいと思ったことはありませんか?
今回は富士登山に必要な知識をご紹介します。
標高
富士山の標高は3,776メートルと言われています。ちなみに標高とは、海面を0メートルとして、そこからの高さを表します。
では、5合目の標高は何メートルでしょうか。3776メートルの半分の、1,888メートルだと思いませんでしたか?
正解は2,305メートルです。ちょうど半分の高さが5合目というわけではありません。
気候
富士山頂の年間平均気温はマイナス6.2℃です。
観測史上一番暑かった日は1942年8月13日の17.8℃ということで、真夏でも山頂の気温は20℃を下回っています。
富士山に登れる7月から9月は、ふもとでは28℃前後まで気温が上がることがありますが、山頂では夜に気温が0℃近くまで下がります。
雨も多いため、登山をするには十分な準備が必要です。
山開きの期間
富士山に登れるのは7月上旬から9月上旬までのほぼ二ヶ月です。
山開きの日程の正式な発表は毎年6月ごろですが、近年は7月1日に山梨県側、7月10日に静岡県側の登山道が開通することが多いようです。
2. 富士山を登る魅力3つ
日本で一番高い山である富士山は、どこからみても美しい山です。
遠いところから、例えば電車の中から富士山の姿がちらりと見えると嬉しい気持ちになりますし、ふもとからその威容を仰ぐと、迫力に圧倒されますね。
富士山の魅力は外見だけではありません。2019年夏季の登山者数は23万6千人ほどと言われており、登山客にも人気があることがわかります。
富士山に登る魅力を、三つの点から見ていきましょう。
富士山を登る魅力1:景色がきれい
富士登山の魅力は、まず景色です。日常では見られない景色が、登山の過酷さを忘れさせてくれます。
一番有名なのは「ご来光」でしょう。山頂で夜明けを迎えると、上ってくる太陽を見ることができます。
地平線を明るく染めて昇ってくる太陽を見るのは、とても感動的です。富士山を登っていくと、いつしか雲の上に出ます。
眼下に広がる雲海はいつまで見ていても飽きません。日が落ちてからの景色も素晴らしいです。
頭上には見たこともないような星空が広がり、見下ろすと街の夜景が輝いています。
富士登山の魅力のひとつが、景色であることは間違いありません。
富士山を登る魅力2:人と楽しみを共有できる
単独で登る人も多いでしょうが、大多数の人は友人や知人と一緒に登山をするのではないでしょうか。
富士山に一緒に登った人とは思い出が共有できます。帰ってきてからも写真を見たり話をしたりすることで、感動を再現することができます。
ほかの登山客とのやり取りも心温まるものがあります。大変な経験を共有する者同士の励まし合いは、大切な思い出になるでしょう。
富士山を登る魅力3:山小屋グルメを食べられる
登山は体力を消耗します。富士山は初心者でも登れる山と言われていますが、道のりは決して楽ではありません。
そんなときに元気づけてくれるのが山小屋グルメです。山小屋で提供される食事は贅沢なものではありません。
しかし疲れた体にしみわたり、体力を回復させてくれます。
お腹がすいているときにはどんなものでもおいしく感じられるものですが、富士登山ではそのおいしさを再確認できること間違いなしです。
3. 【日数別】富士山を登るためのスケジュールの立て方
富士登山を安全に行うためには事前の準備が大切です。
特に、その人に合った無理のないスケジュールを考えることは、登山を成功させるうえで一番重要です。
富士登山の最適なスケジュールはどのようなものなのでしょうか。「一泊二日」と「日帰り」の二つのスケジュールを考えてみます。
一泊二日の登頂スケジュールの例
登山初心者の場合、日帰りで登頂するのは大変です。
富士山は比較的登りやすい山だと言われていますが、3,776メートルの日本最高峰ですから、安易に考えるのは禁物です。
安全面に配慮して、一泊二日のスケジュールを立てましょう。
お昼ごろに5合目を出発すること
ふもとから山頂まで登るのは初心者にはおすすめできません。5合目までは車で行くといいでしょう。
5合目から山頂までの平均時間は、初心者で7時間程度と言われています。お昼頃に5合目を出発すると、暗くなる時間に山小屋に着くことができます。
山小屋でゆっくり休んで、翌日明るくなってから出発しましょう。
明るい時間帯に移動する
「ご来光」が有名なために、夜中に登る人が多いですが、初心者には、慣れない夜の登山は危険です。明るい時間帯に移動するのがおすすめです。
実は6合目でも、山頂と同じようなご来光が見られるそうです。
体力に自信のない人や、子ども、お年寄りと一緒に登る場合は、まず無理のないスケジュールを考えましょう。
日帰り登頂スケジュールの例
日帰りの登頂スケジュールは、体力に自信のある人におすすめです。
一般的には、5合目まで自家用車やバスで行って、そこから歩き始めます。
夕方の早い時間に登り始めると夜明け前に山頂に着くので、人気の「ご来光」が拝めますが、これはかなり厳しい行程です。
日帰りスケジュールについて考えてみましょう。
早朝に出発すること
早朝に5合目を出発すると、明るいうちに山頂に着きます。眼下に広がる素晴らしい景色を見ながら登山を楽しむことができるでしょう。
5合目から山頂まで、登りはだいたい7時間、下りは4時間ほどだと言われています。朝6時に登り始めれば夕方には帰ってくることができます。
前日5合目の山小屋に宿泊する
早朝に5合目を出発するスケジュールではない場合、余裕を持って前日に5合目の山小屋に宿泊するのがいいでしょう。
富士山の近隣から訪れる方は予定が組みやすいですが、一方で遠方から訪れる方は、日帰り登山のスケジュールでも前泊する必要があります。
吉田ルートがオススメ
富士登山には、富士宮ルート、須走ルート、吉田ルート、御殿場ルートの4つがあります。
それぞれの特徴がありますから、自分に合ったルートで登るのがいいでしょう。
前日に山小屋で宿泊する場合は、吉田ルートがおすすめです。山小屋や売店、温泉施設が充実しているため、登山の前にリラックスすることができます。
4. 富士山に登る際に準備するもの3つ
山の天気は変わりやすいとよく言われますが、富士山も例外ではありません。特に夏は雷に注意が必要です。
9月は台風もよく来るので、雨具の準備は欠かせません。また、温度差も大きいです。
5合目の気温が20℃くらいでも、夜中の山頂の気温は一桁まで下がります。
標高差を考えて防寒具の準備をしましょう。富士登山の際に準備するものを「ファッション」「持ち物」「食べ物」の三点からみていきます。
準備するもの1:ファッション
富士登山の際には、身に着けるものに注意が必要です。外見も大切ですが、機能性を無視することはできません。
アンダーシャツは速乾性に優れたものを用意しましょう。半袖ではなく長袖を選びます。トップスも、吸汗機能がある物がいいですね。
持ち運びに便利な軽量の防寒具は必須です。特に大切なのは靴です。
富士登山だけのために登山靴を買うのはちょっと、と思われるかもしれませんが、富士山の登山道は荒れています。必ず足に合った登山靴を用意しましょう。
靴下も同様で、厚手のものがおすすめです。そのほかに、手袋と帽子も準備しましょう。
体を守るものですから、きちんをしたものを選んでください。
準備するもの2:持ち物
背負うのは25~30リットルが入るザックがいいでしょう。腕時計やサングラス、夜移動するならヘッドランプも必要です。
忘れてはならないのが雨具です。上下に分かれるセパレートタイプがおすすめです。最近は高機能でもデザインのいいものがたくさん販売されています。
登山中の水は貴重品です。飲み水はもちろんですが、手を洗いたくなったときに水があるとは限りません。
ウェットティッシュがあると便利です。トイレは有料なので小銭を用意しましょう。
かなり標高が高いので高山病にかかる可能性もあります。携帯酸素の缶を持って行くと心強いです。
準備するもの3:食べ物
一番大切なのは水分です。体を動かすので水分補給は重要です。
水やお茶、またはスポーツドリンクを1.5リットル以上持って行きましょう。
夜はとにかく寒いので、温かい飲み物を魔法瓶に入れて持って行くのもいいかもしれません。
食料は食べやすいおにぎりやパン、ドリンクタイプのゼリーがおすすめです。
飴やチョコ、キャラメルなどの甘いものも、手軽にエネルギーを補給できます。
5. 富士山が見られるおすすめ周辺スポット4選
富士山は登るのも楽しいですが、眺めてもまた素晴らしい山です。
富士登山のついでに、絶景ポイントから富士山を見てみるのはいかがでしょうか。
富士山の周辺にあるおすすめのスポットをご紹介します。
おすすめ周辺スポット1:河口湖
河口湖は山梨県にある富士五湖のひとつで、河口湖のある富士河口湖町は、吉田ルートの玄関口となっています。
河口湖の東岸からカチカチ山ロープウェイに乗って、天上山の展望台に上がると、富士山の全景を望むことができます。
おすすめ周辺スポット2:三島スカイウォーク
三島スカイウォークは、静岡県三島市にある、日本で最長の吊り橋です。
2015年にオープンして以来、多くの観光客が訪れています。
天気のいい日には富士山の雄大な姿が見られますが、高いところが苦手な方はちょっと大変かもしれません。
おすすめ周辺スポット3:箱根ロープウェイ
箱根ロープウェイは、早雲山駅、大涌谷駅、姥子駅、桃源台駅の四つの駅を結ぶ、全長約4キロメートルのロープウェイです。
四季折々の富士山の景色が楽しめるスポットとして有名ですね。
火山活動が盛んになると運行を中止する場合もあるので、お出かけの前には運行状況をチェックしたほうがいいでしょう。
おすすめ周辺スポット4:朝霧高原
朝霧高原は富士山西麓に広がる高原です。標高700~1,000メートルに位置していて、富士箱根伊豆国立公園に指定されています。
朝霧高原では、その広大な土地全域から富士山が望めます。
車でのドライブがおすすめで、きれいな空気と美しい富士山の眺めは、忘れられない思い出になるでしょう。
6. 富士山の山開きと観光スポットを楽しもう
一年のうちのほぼ二ヶ月しか登れないと言われている富士山ですが、その魅力は語りつくせません。
登山はもちろん大変ですが、苦労した分だけ喜びも感じられるでしょう。富士山の周囲の観光スポットも充実しています。
景色の美しさはもちろん、温泉やグルメなど、他の楽しみもあります。リフレッシュにおすすめの富士山に是非、出かけてみてください!