2020年東京オリンピックの追加種目に決定した、注目の「スポーツクライミング」。趣味としても人気急上昇中で、競技人口も増加中!
そんな「クライミング」ですが、「ボルダリング」や「ロッククライミング」など、いろいろな種類があることをご存知でしょうか?
今回は、クライミングの意味や種類から、初心者にオススメの種類や始め方までご紹介したいと思います。
クライミングとは?
そもそもクライミングってなんのことをいうかご存知ですか?
「クライミングって、ロープを使って壁を登るスポーツでしょう?」という人もいると思いますが、半分正解で半分不正解なんです。
実はクライミングは日本語で「登攀(とうはん)」ともいい、垂直に近い地形や人口壁などを、自らの身体や、用具を使って登ること。簡単にいうと、自分自身の力で壁をよじ登るスポーツすべてのことをいいます。
なので「ロープを使ったクライミング」や「ロープを使わないボルダリング」、「スピードを競うスピードクライミング」もクライミングの一種なんですよ。
なので「ロープを使って登るスポーツをクライミング」といっても正解なのですが、クライミングには他にも種類があるので、半分不正解になります。
「じゃあ“クライミング”ってどんな種類があるの?」と思いますよね。クライミングというジャンルには、細かく分けるとたくさんの種類があります。次では、クライミングの種類を細かくご紹介していきます。
クライミングの種類
クライミングというのは“登る”ことをいいますが、その中でもご自身の手と足だけで登る「フリークライミング」と、登る手段として道具を使う「エイドクライミング」に分かれます。
※フリークライミングでも、シューズとチョークを使うことが一般的です。
この「エイドクライミング」というのは、とても険しい山を登るときに必要な技術で、19世紀ごろにアルプスなどの登山が始まった時期から行われていたんですよ。また、「フリークライミング」はさまざまな諸説があるといわれていますが、1920年ごろから1940年代以降にアメリカのヨセミテやコロラドで発祥したといわれています。
さらに、「フリークライミング」から安全確保としてロープを使う「ルートクライミング」と、ロープを使わない「ボルダリング」に分かれます。また、ロープで安全確保が必要な高さの岩などを、あえてロープを使わないで登る「フリーソロ」という別のジャンルもあります。
「ルートクライミング」には、ロープがあらかじめ終了点にかかっている状態で登る「トップロープクライミング」と、クライマーが登りながらロープを支点につけていく「リードクライミング」に分かれます。
「トップロープクライミング」に比べて、「リードクライミング」は安全確保のロープを支点にかける手間がある分、難しいといえます。
世界で「エイドクライミング」や「フリークライミング」が発祥したのは分かりましたが、日本で始まったのはいつごろなのでしょうか。諸説はいろいろありますが、1970年代に埼玉の日和田山で「フリークライミング」が始まったといわれているんですよ。
さらに、インドアクライミングが1989年に大阪に登場。最近のブームもあり、30年ほどの間にクライミングジムは500店舗以上にもなったんです。
また、クライミングの中で人口壁を使った競技として、「
ボルダリング」「リードクライミング」「スピードクライミング」があります。これら3つを「スポーツクライミング」と呼んでいます。次では「スポーツク
ライミング」について少し掘り下げていきます。
ボルダリング
2020年の東京オリンピック競技に「スポーツクライミング」が追加されたので、その種目の「ボルダリング」という言葉を耳にすることが多いと思います。ちなみに、この「ボルダリング」についてですが、語源は“Boulder”で、“大きな岩”という意味があります。
最近いろいろな街でボルダリングジムがオープンしていますが、ボルダリングジムで登ることを「ボルダリング」というのではなく、室内でも屋外でもロープをつけないクライミングを「ボルダリング」というのです。
「ロープを使わないで登るなんて危険でしょ!」と思う人もいるかもしれませんが、ボルダリングジムの人口壁は高くても約4m、それに加えて地面にはボルダリング専用のマットが敷いてあり、落下した際には衝撃を吸収してくれるので、安全に登れますよ。
「ただ登るだけって、どんなルール?」そう疑問に思う人もいるでしょう。ボルダリングは、人口壁に突起物(ホールド)がついていて、そのホールドを使い難易度(グレード)別に設定されたルート(課題)を完登することがルールです。
ほとんどのジムではグレード別にテープの色が決まっていて、同じグレードでも課題によってテープの形が変わります。色と形が同じテープが張っているホールドのみ使えるのです。逆にテープが張っていないホールドを触ってしまうと、また最初からやり直しになります。
リードクライミング
「リードクライミング」については、あまり聞いたことがない人が多いかもしれません。先ほどもご紹介しましたが、「リードクライミング」とは、安全確保のロープを支点にかけながら(クリップしながら)、登っていくスポーツです。
ボルダリングに比べて、高い人口壁や岩場を登っていくので、心理的な恐怖感からダイナミックなムーブができなくなることもあるのが、リードクライミングといえるでしょう。
人口壁はもちろん岩場にも、開拓者が支点としてクイックドローをつけています。このクイックドローにロープをかけることをクイックといい、難しいムーブになればなるほど、クイックすることが難しくなっていきます。
また、外岩でリードクライミングをしているときの危険性として、きちんと正確なクイックができていないと、高い場所から地面に落下してしまうことや、落石などが考えられます。リードクライミングをするときは、きちんと正確にクイックできるよう、練習してからトライした方が良いでしょう。
スピードクライミング
「ボルダリング」に比べて「スピードクライミング」という言葉は、あまり馴染みがないかもしれませんが、年間のシリーズ戦としてヨーロッパやアジアなど、世界各国で大会が開催されているクライミングの一種なんですよ。
そもそも「スピードクライミング」というのは、いかに設定された課題を早く駆け上がることができるのか、コンマ数秒を競うスポーツなのです。
競技方法としては、高さ約10~15mの壁にあらかじめホールドの配置が周知されている課題を、どれだけ早く登れるかを競う競技。オブザべーションする時間がありますので、事前にどんなホールドがついていて、どういうふうに登っていこうかと考える時間があります。
また、選手には安全確保のロープが終了点からかかっている、トップロープスタイルで行なうため、リードクライミングとはことなり選手が自身でクイック(クイックドローにロープをかけること)をすることがありません。
こんなに強い! 日本人選手
スポーツクライミングはワールドカップなども行われており、その大会には日本人選手も多く出場しています。
日本人選手の成績はというと、ワールドカップで何度も優勝している経験がある選手や、2位や3位など表彰台に立つほどの好成績をとっています。世界の中でも日本は強豪国で、東京オリンピックでメダルの獲得も期待されているほどなんですよ。
手軽にできるのは「ボルダリング」
「ちょっとクライミングをやってみたいけど、リードクライミングやスピードクライミング、ボルダリング、どれが体験しやすいんだろう……」と、やってみたいけどどれが良いのか分からない! という人が多いと思います。
そんな人には、気軽に体験できるボルダリングがオススメです!
ボルダリングは動きやすい格好でOK! そのままボルダリングジムへ行き、体験できるので、気軽にできるスポーツなんですよ。
最近ではボルダリング女子も急増しています。日頃の運動不足やストレス解消として、手軽にできるからです。「運動不足の解消のために通い続けていたら、シェイプアップした!」という女性も多いんですよ。
ボルダリングはスポーツクライミングの一種ですが、趣味としてボルダイングを楽しんでいる人も多いんです!
まずはボルダリングをやってみよう!
「ボルダリングを始めよう」と思っても、どんなふうに始めたらいいのか分からないですよね。
まずは、近所にあるボルダリングジムを探してみましょう。何店舗か探したら、そのジムでボルダリング体験プランがあるかどうか、確認してください。
ほとんどのジムでボルダリングを気軽に体験できるプランがありますが、稀に体験プランを用意していないジムもあります。最初は体験プランがあるジムの方が、より詳しくボルダリングのルールについてや施設の使い方、登り方などレクチャーしてくれますので、そういうジムを選ぶと良いですよ!
また、ボルダリングジムでは、初心者が楽しめる課題がありますので、初めてボルダリングをする人でも“完登”できて達成感を味わうことができます。
「ボルダリングは難しい」ではなく、「ボルダリングは誰でも簡単に楽しく体験できる」ので、初めての人にもオススメできるスポーツです!
ボルダリングには何が必要?
ボルダリングに必要なのは、
・ボルダリング専用シューズ
・チョーク
・動きやすい格好
こちらの3つが必要になるのですが、ほとんどのジムでシューズとチョークはレンタルしています。なので、ボルダリング体験に行くときは、動きやすい格好のみでOK!
「シューズやチョークを毎回レンタルするのは……。」と気が引ける人も中にはいると思いますが、分からないうちにシューズを独断で購入してしまうと、足にフィットしないシューズを選んでしまう可能性があります。
ボルダリングジムへ通い続けて登っていくうちに、“こんなシューズが欲しい!”などご自身の好みが出てくると思います。そうなったときに、シューズやチョークを購入することをオススメします。
どこで体験できるの?
「ボルダリングを体験しよう」と思っても、どのボルダリングジムが体験しやすいのかなど、分からないですよね。ここでは、関東エリアにある初心者にオススメのジムを2店舗ご紹介します。
■ロッキーボルダリングクラブ品川
初心者でも楽しくボルダリングを満喫できるジムが、天王洲アイル駅から徒歩12分ほどの場所にあるロッキーボルダリングクラブ品川です。
ボルダリングスペースが広々としているので、初めていく人でも圧倒されることがありません。よく、小さなボルダリングジムへ行くと「常連さんばかり登っていて、登れなかった……」ということが考えられますが、ロッキーボルダリングクラブ品川では、他のお客様に気兼ねすることなく、ゆっくりとマイペースにボルダリングが楽しめますよ!
また、初心者講習が充実しているので、初めて訪れる人に対しても親切丁寧なレクチャーをしてくれます。
シューズとチョークのレンタルもありますので、準備するものは動きやすい格好でOK! ぜひ足を運んでみてください。
■スポドリ!
水道橋駅から徒歩4分の場所にあるのが、スポドリ! というボルダリングジムです。ここは日本最大級のジムで、約4mの高さのウォールで、幅が40m。子どもから大人まで幅広い世代が登る楽しさを感じられます。1回入場すると、営業終了まで利用できるのがポイント。
ゆっくり休憩しながら、ご自身のグレードの課題を打ち込んでみてはいかがですか? また、ルールやマナーなど、初めての人でも安心して利用できるよう、スタッフが優しくレクチャーしてくれますよ!
傾斜角85度から135度まで8段階のウォールがありますので、いろいろなウォールを楽しむことができます。リラックスしながらゆっくりと時間をかけてボルダリングを楽しみたい人にオススメですよ!
まとめ
クライミングはご自身の力で壁をよじ登るスポーツすべてのことをいいます。またクライミングにはたくさんの種類があり、その中でも「ボルダリング」は初心者の人でも気軽に体験できるスポーツです。
日頃の運動不足やストレス発散にボルダリングはとても人気なんですよ。初心者の人が安心して利用できるよう、親切にレクチャーしてくれるジムがたくさんあります。ぜひ一度、ボルダリングを体験して、登る楽しさや達成感など味わってみてくださいね。