理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱、胸椎」編

ボルダリングが上手くなりたい! 上達してもっと難易度の高い課題を落としたい! 効率的なトレーニング方法が知りたい!という方のために、理学療法士/トレーナーの佐々木が自宅でできるトレーニングやストレッチ、体の情報をご紹介します!

第3回目は体の中心にある背骨、「脊柱(せきちゅう)」について。

  • どんな役割があるのか?
  • どんな動き方をするのか?
  • どんなトレーニングやストレッチを行えばいいのか?

そんな、皆さんの疑問にお答えしたいと思います!

実は、首から背中、腰までながーい分、腰痛や前屈の方さなど様々な問題が起こりやすい部位でもあります。

脊柱の問題が進行(悪化)すると、手や足まで影響が出てしてしまうことも……。

脊柱の知識を取り入れたトレーニングを行うことでさらにレベルアップして周りのクライマーより一歩リードしましょう!

自宅でも行える簡単なメニューを選びましたので是非お試しください!

脊柱について

まずは脊柱について勉強していきましょう!

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

脊柱は大きく分けて3つの部位に分けることができます。

  • 首の部分を構成する頚椎(けいつい)……大体、耳の高さ~首の付け根くらいまで
  • 胸の部分を構成する胸椎(きょうつい)……首の付け根くらい~胃くらいまで
  • 腰の部分を構成する腰椎(ようつい)……胃~骨盤まで

の3つです。

それぞれ個人差はありますが、

  • 頚椎=7個
  • 胸椎=12個
  • 腰椎=5個

と、骨の個数が決まっています。

合計で24個の骨から脊柱が成り立っており、それぞれの骨の動きが組み合わさることにより、屈曲(くっきょく)、伸展(しんてん)、回旋(かいせん)と、「脊柱」の運動が生まれます。

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

上記のような運動を脊柱は行いますが、24個の骨が全て均等に動いているわけではありません。

頚椎、胸椎、腰椎でそれぞれ得意な動きや苦手な動きがあります。それぞれがどんな動きが得意で、どんな動きが苦手なのか頭に入れておくと怪我の予防にもつながります!

この動きは胸椎を意識しよう! というようにムーブの中で考えながら動かせるようになりましょう。

それぞれ詳しく解説しますので、動きをイメージしながら読んでみて下さい!

頚椎について

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

頚椎の屈曲・伸展は1〜7番目までが全体的に動きます。

その中でも、1〜2番目と4〜6番目の動く割合が大きいのが特徴です。(※首だけを上下に動かすイメージ)

頚椎の側屈(そっくつ)に関しては3〜6番目が大きく動き、1〜2番目はあまり動きません。(※首を横に傾けるイメージ)

頚椎の回旋は一番特徴があります。ほとんど1〜2番目が動いており、他の部位はほとんど動きません。(※ゆっくり頭だけを回すイメージ)

頚椎は比較的上の1〜2番目の動きが固くなりやすいです。

頚椎は前弯(ぜんわん)をしている部分で、1〜2番目の動きが固くなると反りが強くなって前弯が大きくなってしまいます。

前弯が大きくなりすぎると首自体に負担がかかることが多いです。特に運動不足の方や、デスクワーカー、ビレイヤーは要注意ですね!

胸椎について

胸椎の屈曲・伸展は1〜12番目と下にいくにつれて動く範囲が大きくなります。

1〜2番目と11〜12番目では約2倍も可動域に差があります! ですが、逆に伸展は屈曲に比べ可動域が小さくなる方が多いです。

胸椎の回旋にも特徴があり、回旋では1〜6番目の可動域が大きくなっています。回旋の可動域も非常に大切です。

胸椎の回旋が小さくなってしまうと何が起きるのかは、腰椎のパートでご説明します!

胸椎の側屈は1〜12番目まで比較的大きな差はなく動きます。

しかし、頚椎、腰椎に比べると動く範囲は小さく、呼吸が浅くなってしまっている方は側屈の可動域が小さくなっていることが多いです。

腰椎について

腰椎の屈曲・伸展は1〜5番目まで可動域は大きく、屈曲・伸展が一番得意な部分になります!

逆に腰椎の回旋は可動域がとても小さく、その可動域はなんと5°とも言われています。

先ほど胸椎の回旋でのお話はここに繋がり、胸椎の回旋が固くなってしまうと、他の部位でカバーしなくてはならなくなります。

もし可動域が5°しかない腰椎でカバーし続けたらどうなるでしょうか?

5°しか動けない腰椎に常にストレスがかかり……腰痛やリーチの減少など何かしらの問題に繋がってしまいます。

身体で何かしらの問題が起きるときは、動くべき部分が動かずに、あまり動かしたくない部分がたくさん動いてしまうことによることが多いのです。

これはとても大切な考えなので頭に入れておきましょう!

<参考文献>
かパンディ関節の生理学Ⅲ脊椎・体幹・頭部 原著第6版 医歯薬出版株式会社
筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版 医歯薬出版株式会社

ボルダリングにおける脊柱のポイント

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

前回の「骨盤、股関節編」でお伝えした脊柱(腰椎)と骨盤、股関節の連動性について説明します!

脊柱(腰椎)・骨盤・股関節の屈曲について

足を曲げる時(ハイステップ、ヒールフックなど)は、股関節・骨盤・脊柱(腰痛)が連動して動きます。

  • 股関節→屈曲
  • 骨盤→後傾(こうけい)
  • 腰椎→屈曲

それぞれがバランスよく動くことで「足を曲げる」という運動を行なっています!

クライマーの方々でも足上げが苦手な方は多いと思いますが、足が上がらない原因は実は脊柱(腰椎)の固さに原因があった……なんてこともあります。

脊柱のトレーニング

今回のトレーニングでは上記の足上げの際に必要になる脊柱(腰椎)・骨盤・股関節の連動性を高めるトレーニングをご紹介します。

今回の2つのトレーニングでは、どこかの部位だけを動かすのではなく、なるべく脊柱をバランスよく使うことを意識してみてください!

ウォーミングアップにも使えるのでぜひ挑戦してみてください!

トレーニング① Cat&Dog

 

ポイント

  1. 四つ這いになる。股関節の真下に膝、肩の真下に手をつく。
  2. 写真①のように脊柱全体を反らせるように動かしていく。
  3. 写真②のように脊柱全体を丸めていく。
  4. 脊柱1つ1つが動くのを意識する。

理学療法士が教えるボルダリングのための自宅トレーニング「脊柱」編

脊柱は背中全体を滑らかに使えることが大切です!

手と足を床に固定することで脊柱の動きに意識を集中できます。特にみぞおちと同じ高さの骨を意識して動かしましょう!

トレーニング② ゆりかごトレーニング (動画参照)

 

ポイント
① 体育座りの姿勢をとる
② 後ろに転がり、体育座りの姿勢に戻る
③ 慣れてきたら手で足を持ったり、右手で左足、左手で右足を持って手をクロスさせるようにすると難しくなります!

このゆりかごトレーニングは脊柱・骨盤・股関節の連動性が求められます。

これが力まずにできると、上りの中でも力みが取れてくるきっかけになります!

はじめは、クロスさせてのゆりかごはなかなか難しいと思いますが、ぜひチャレンジしてみてください!

回数はどちらも10〜20回くらいから始めて、可能であれば回数やセット数はどんどん増やして大丈夫です!

まとめ

今回は脊柱について記事をまとめました!

  • 脊柱の動きと頚椎、胸椎、腰椎の可動域を把握する
  • 脊柱(腰椎)と骨盤、股関節の連動性について
  • 脊柱のトレーニングについて

人間の体において中心にある脊柱がしっかり動くことはいいパフォーマンスをするにおいて非常に大切です。

体の中心が動かないと、手や足ばかりが動いてしまい、必ずどこかしらに負担がかかります。その結果として「パキリ」に繋がってしまうことも……。

だからこそ、体の中心である脊柱からしっかり使えるように毎日トレーニングを続けてみて下さい!

まずは一週間からチャレンジです!

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