「ボルダリングを始めた頃は勢いで登れる課題も多かったのに、このところ伸び悩んでいる」という人もいるのではないでしょうか。
初球から中級へと、さらなるレベルアップを目指すにはクライミングのテクニックだけでなく、それをこなすための体づくりが必要です。
今よりも筋力をつけることで、できるようになるムーブもあります。ボルダリングジムには、様々なトレーニング器具がありますよね。
今回はキャンパスボードを使ったトレーニング方法について紹介していきます。
キャンパスボードとは
キャンパスボードは1枚の板に木の棒やフィンガーボードが打ち付けられたもので、上半身や指の力を鍛えるのに使用します。
ボルダリングジムで見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。伝説的なクライマー、ヴォルフガング・ギュリッヒが考案したといわれています。
キャンパスボードの使い方
まずはキャンパスボードにぶら下がってみましょう。棒の部分やフィンガーボードは、掴むように持つのではなく指先を引っ掛けるようにします。
はじめのうちはぶら下がるだけでも腕が疲れてくるので、指先を痛めないように注意が必要です。
キャンパスボードにぶら下がる動作は指先に強い負荷がかかるため、疲れているときは思わぬ怪我につながるおそれがあります。
これから紹介するトレーニングも疲労がたまっているときは控えるようにしましょう。
瞬発力を鍛えるトレーニング
キャンパスボードを使って瞬発力を鍛えるトレーニングに挑戦してみましょう。棒の部分に両手の指先でぶら下がったら、一段ずつ上の棒へ飛び上がって登っていきます。
両腕の力を使って棒を引きつけて、体を浮かせた瞬間に両手を離して上の棒に引っ掛けて登ります。上まで行ったら、同じようにして降りてきます。
両腕の力で上り下りすることができれば成功です。指に力を入れるタイミングが掴めたら、移動のスピードを上げることで瞬発力アップが期待できます。
体を引き上げるトレーニング
キャンパスボードを使って体を引き上げるトレーニングは、マントリングなど上半身を引き上げる動作に有効です。まずは腕を伸ばした状態でフィンガーボードに10秒間ぶら下がります。
次に肘が90度に曲がる位置まで体を引き上げ、ここでも10秒間維持します。最後は、さらに体を引き上げて、できるだけ高い位置で10秒間維持します。
ここまで出来たら再度、90度、ぶら下がりの状態と戻っていきます。一連の動作は、ゆっくりと息を吐きながら行いましょう。保持力を上げるのにも効果的なトレーニングです。
ラダートレーニング
キャンパスボードの木の棒に両手でぶら下がったところから、はしご登りの要領で左右の手を交互に使って1段ずつ登っていきます。登りきったら今度は逆の動きで降りてきます。
できるだけ足が左右に振られないように行うのがポイントです。体が振られるのを抑えることで腕や指先の負担を減らし、全身を使ったホールドの支持力も向上します。
指先で体を支えて登るのは、常に大きな負荷がかかった状態になります。休憩しながら、まずは1往復を目指しましょう。続けることで持久力アップにつながります。
自宅にキャンパスボードを設置するには
「自宅でもボルダリングジムのようなトレーニングがしたい!」と思った人は、キャンパスボードを設置してはいかがでしょうか。
まずはフィンガーボードなどを板に固定し、キャンパスボードを作成します。設置する場所はドアの上の壁や部屋同士の間の壁の上など、ぶら下がったときに足がボードよりも前に来るところを探しましょう。
設置方法は、キャンパスボードを壁に直接ボルトで固定するだけでなく、キャンパスボードと壁を前後から挟むように固定したり、正面に壁がある場合は突っ張り棒を利用して抑えることもできます。
建物の強度や体重にもよりますが、ぶら下がりなど動きの少ないトレーニングに使用しましょう。キャンパスボードを使う前には必ず、体重をかけたときに外れないことを確認してくださいね。
フィンガーボードは大きさや素材も、さまざまな種類が販売されています。自分のレベルに合わせて選び、効率よくトレーニングをすすめていきましょう。