ボルダリングを始めてすぐの頃から初心者までの間は、垂直に立ったボルダリング壁を登ることが多いです。
垂壁であれば、手足を上手く運ぶことができるというレベルに上がっても、壁の傾斜がつくと全然登れないという方もいるのではないでしょうか。
傾斜のあるボルダリング壁は、傾斜のないボルダリング壁に比べて、体にかかる負担が大きく、技術も要求されます。
今回は、ボルダリング壁の傾斜を攻略するコツやトレーニングを紹介していきます。
ボルダリング壁の傾斜の種類を知ろう
ボルダリング壁の傾斜に主に3つの種類があります。スラブ、かぶり壁、ルーフの3つが主な傾斜壁です。
それぞれの傾斜壁の特徴を見ていきましょう。
スラブ
スラブはクライマーから見て、奥側に寝ている傾斜の壁を指します。バランスをとって壁に体を預ければ手を離すことも可能です。
一見難易度が低い傾斜のように感じますが、課題の難易度が上がると傾斜の印象とは打って変わって、ベテランでも苦戦する傾斜となります。
初心者や女性でも登れると思えば、難易度によってはベテランが苦しむ奥の深い傾斜と言えます。
かぶり壁
クライマーにかぶるようにそびえ立つ壁が傾斜の強いかぶり壁です。
体幹や保持力、ムーブの技術などを求められますが、そびえ立つ壁を登ることができるため、人気も高いです。
軽いかぶりであれば、初心者でもクリアできる可能性があり、強いかぶりは上級者向けです。
かぶり壁の中でも傾斜の程度を見極めて一度挑戦してみましょう。
ルーフ
ルーフは傾斜が最も強く、180度の壁です。天井という意味のあるルーフは、逆さまになって登っていくため、初心者の方から見ると、「絶対に登れない」と思う方も多いでしょう。
傾斜が強い分、ホールドは持ちやすく、ボルダリングの基本や体幹が備わっていれば、中級者や女性でも登ることができます。
ボルダリング壁の傾斜攻略のコツ①足をしっかりホールドに乗せる
初心者が傾斜のある壁に挑戦すると、つい腕の力を使ってホールドを保持しようとしてしまいます。
腕の力に頼ってしまうと、体力を消耗しやすく、バランスも崩してしまい、課題のクリアが難しくなります。
傾斜のある壁では、腕の力よりもホールドをしっかりと足に乗せることを意識しましょう。
ホールドから足が離れやすい傾斜壁で、かかとやつま先を引っ掛けるようにホールドに乗せることで、腕の負担を減らし、バランスをとることができます。
傾斜のある壁では、ムーブを駆使する場面も多いため、ムーブの土台として足の意識は重要です。
ボルダリング壁の傾斜攻略のコツ②体力を消耗しないようにスムーズに登る
ホールドに足をしっかりと乗せ、全身でバランスをとることが傾斜壁では重要です。ただ傾斜があることで、傾斜のない壁よりも腕や足への負担は大きくなります。
傾斜のある壁で身体を支えている時間が長いほど、負担がかかり続けます。課題の終盤で息切れしてしまったり、途中で落下してしまったりすることもあるため、省エネで素早く登っていくことが大切です。
スムーズに時間をかけずに登っていくためにはオブザベーションを駆使しましょう。傾斜のある壁を登る前に、しっかりと難所や道筋を確認し、途中で止まらずに登って行きましょう。
ボルダリング壁の傾斜攻略のコツ③ダイアゴナルを駆使しよう
基本ムーブであるダイアゴナルは、傾斜のある壁で活躍します。
カウンターバランスで上方向への推進力を得るダイアゴナルは、傾斜によってホールドとホールドの距離が遠くなるかぶり壁などで有効です。
傾斜壁だけでなく、様々な壁で活躍するダイアゴナルをマスターすると、ボルダリングの幅が広がるため、初心者の方にとってまず習得したいムーブと言えます。
ボルダリング壁の傾斜攻略には体幹トレーニングが最適!
傾斜のあるボルダリング壁は、ホールドから足が切れやすいのが特徴の一つですが、下方向に身体に負荷がかかるため、壁から身体が離れやすいという特徴もあります。
身体が壁から離れてしまうと、腕や足の負担が大きくなり、次のホールドへも余計な力を使ってしまいます。身体が壁から離れないようにするためには、体幹が重要です。
重力に負けずに身体の位置を保持するためには体幹トレーニングで体幹を鍛えましょう。体幹を鍛えることだけでなく、体幹を意識することも体勢の維持には欠かせません。
ボルダリング壁の傾斜を攻略してスキルアップしよう
傾斜のあるボルダリング壁は、一見すると難しく感じ、挑戦できずにいる初心者クライマーの方も多いでしょう。
足や体幹の意識、ダイアゴナルなど傾斜に適したコツをおさえることで十分に登ることができます。
今までは避けていたボルダリングの傾斜壁に挑戦して、クリアできる課題の幅を広げていきましょう。