最近では「クライミング」という言葉を聞いたことがない!という人は少なくなってきましたが、「パラクライミング」という障がいを抱えている人が行なうクライミングのことを知っている人は少ないでしょう。
パラクライミングというスポーツをはじめ、クライミングとどんな違いがあるのか、どのような障がいを抱えている人がパラクライミングをするのかなど、詳しくご紹介します。
もともと身体を動かすことができだけれど、障がいを抱えているから……とスポーツを諦めている人は、パラクライミングを検討してみてはいかがでしょうか。
パラクライミングとは?
パラクライミングとは、障がいを抱えている人が行なうクライミング競技のことをいいます。
一般的に「クライミング」というと、人工壁や自然の岩場を自身の身体を使って登ることをいいますが、片足がない人、片腕がない人、目が見えない人、身体の動きに制限がある人など、障がいを抱えている人も登ることができるのです。
その障がいを抱えている人が、壁を登るという競技を『パラクライミング』というのです。
パラクライミングとクライミングの違い
パラクライミングとクライミング、どのような違いがあると思いますか?
よくクライミングのコンペなどで、性別や年齢などによってカテゴリー分けがありますよね。パラクライミングでは、性別と障がいの種類によって、カテゴリーが分かれていることが特徴です。
クライミングとパラクライミングの違いの内容として、クライミングはご自身の視覚で登り方、持ち方、足の置き方などオブザべを行ない、そのあとに手足を使って登っていきます。
パラクライミングは、カテゴリーにもよって異なりますが、目が見えない人はオブザべができませんし、オブザべができても片足や片手で登っていかなければなりませんので、とても難しいのです。
カテゴリーは3つに分かれている
パラクライミングのカテゴリーは大きく分けると、
・視覚障がいカテゴリー
・切断
・神経障がい
3つに分かれています。
まず、「視覚障がいカテゴリー」についてですが、先天的または後天的に視覚に障がいがある人で、日常生活や働くことに不自由を強いられている方が対象です。
「切断」については、病気や事故などで手足を切断された方を対象としています。
最後に「神経障がい」は、神経に何らかの障がいを抱えており、麻痺などによって手足が動かしにくい方が対象です。
カテゴリーの中でさらに細かく分かれている
パラクライミングで大きく3つに分かれているカテゴリーですが、そのカテゴリーの中でも障がいの程度によって、2~3つのクラスに分かれています。
パラクライミングはどこでできる?
日本国内でパラクライミングを行なっているジムがあるのか気になるところですよね。
実は国内にパラクライミング専用のジムというのは、ありません。しかし『特定非営利活動法人モンキーマジック』というNPO法人があります。このモンキーマジックという団体はフリークライミングを通して、視覚障がいの人をはじめとする人々の可能性を広げることを目標に活動しています。
このモンキーマジックが主催となって、パラクライミングのインドアスクールやアウトドアスクールなど、パラクライミングを初めて体験する人などを対象に、各地のクライミングジムや自然の岩場を利用したスクールを開催しているんですよ。
障がいを抱えている人でも、“パラクライミングが体験しやすい”ということは、新しい可能性が広がるチャンスでもあるんですね。
日本パラクライミング協会について
パラクライミングについて、「もっと知りたい!」「日本の選手はいるの?」など気になる人も多いでしょう。日本には『日本パラクライミング協会』という協会があります。
もともと日本山岳スポーツクライミング協会に所属していましたが脱退し、2018年1月より0からスタートした協会なんです。
日本でのパラクライミングの普及や発展などに関する事業に力を入れていたり、パラクライミングの日本代表選手の結果を掲載していたり、パラクライミング大会の運営を行なっている大きな協会が『日本パラクライミング協会』です。
パラクライミングは世界で実力が試せる!
パラクライミングは、障がいを抱えている人が行なうクライミングのことをいいます。
大きく分けると視覚障がいカテゴリー、切断、神経障がいの3つに分かれており、その中でもさらに障がいの程度によってクラスが分かれています。
日本国内でパラクライミングのスクールや交流会を行なっている『特定非営利活動法人モンキーマジック』、パラクライミングの普及や発展などに力を入れている『日本パラクライミング協会』がありますよ。
またパラクライミング日本選手はとても強く、2018年のパラクライミング世界選手権では優勝をしている選手や、入賞している選手がいます。このことから日本のパラクライミングは世界でも活躍できるスポーツのひとつといえるでしょう。