アラサーを迎えると、女性は自然と結婚願望を高めるようです。周りの同世代女子が続々と結婚を決めるのもありますし、子供を産みたいと思えば、安全に妊娠・出産できる年齢のうちに父親となる夫を確保したいと考えるのでしょう。
また、そうして結婚を視野に入れるようになったとき、夫候補として年上よりも年下の男性を選んだ方が良いという説があります。
女性はどちらかというと、自分より2、3歳年上の男性を選ぶ傾向があり、すすんで年下と付き合う女性はあまり多くないでしょう。年齢が上だと頼りがいがある、と期待するのかもしれません。
そのため、なぜ、あえて夫候補に年下男性を選んだ方が良いのか? その理由を掘り下げてみたいと思います。
今、28~34歳を迎える世代より少し年上というと、30代半ばから40歳前後になるでしょうか。総務省統計研修所の『親と同居の壮年未婚者』によると、35~44歳の未婚男性が親と同居する数は年々増加傾向にあり、2000年には159万人だったのが、2014年では308万人に増えているそうです。
また、その原因となっているのは、現在35歳~44歳を迎えている人たちが就職氷河期世代であり、非正規雇用率が他の世代より上回っているためなんだとか。良い大学を出ても新卒時に正社員として就職できず、フリーターになったり、契約社員として多くの会社を短期間に転々としたりした人が多くいるでしょう。
つまり、現在のアラサーより少し年上の男性には、社会人として安定した仕事と収入を得ていない人が多いということなのです。もちろん、すべての人がそうだというわけではなく、大企業の管理職に就いている男性もいますし、高収入を得ている人もいますが、他の世代に比べれば就職に関して恵まれていないことは間違いありません。
当然ながら、正社員として働いていないとか、家族を持つだけの収入がないなどという男性は、結婚相手として選ぶべきではないでしょう。
最近、『下流老人』という単語をテレビなどで見かけるようになりましたが、ちゃんと働いていて年金を納めていても、病気になったり、子供が十分に稼げないがために援助したりして、老年期に貧困に陥る人が少なくないそうです。
また、こうした『下流老人』の子ども世代が、いま30代半ばから40歳前後、アラサー女性より少し年上の人たちだといえます。
そもそもは自立して親とは別に暮らしていても、親が要介護状態になったり、年を重ねて不安感を抱く親から「戻ってきてほしい」と求められたりして、同居するケースが多くなっているようです。30代ではまだ珍しい話かもしれませんが、40代に突入すると、そうした例は決して特殊なケースではないでしょう。
したがって、親の面倒を見ながら同居をする30代後半から40歳前後の男性の中には、もう「自分は結婚できない(しない)」と決めてしまっている人もいるでしょう。もし、そんな男性を好きになって、何とか説得して結婚できたとしても、夫の両親と同居が必須で、新婚当初から義両親の介護をしなければならない……ということになるかもしれません。
いま20代半ば~30歳前後という世代の男性にも、それなりの特徴はあるでしょうが、年齢が若いぶんだけ伸びしろがありますし、色々と融通ややり直しも利きます。未熟な部分はあっても、深刻なワーキングプアや親の介護という、やるせない暗さはないはずです。
結婚が何十年も続くものであり、夫はなんだかんだ言って家計を一番に支える存在ですから、そこらへんを考えれば、収入面や両親について不安を抱える世代は、夫候補として最適とはいえないでしょう。
それよりは、就職に恵まれて、親がまだしばらくは自立できる年下世代を夫に選んだ方が、色々と安心できそうです。