世の中にはたくさんのハラスメントがありますが、特に最近話題になっているのが「ホワハラ」です。ところでこの聞き慣れない「ホワハラ」とは一体なんなのでしょう?
そこでここではまず、ホワハラとはどんなハラスメントなのかについて解説。ホワハラと言われないためにできることについてもご紹介します。
ホワハラとは、「ホワイトハラスメント」の略称です。
ホワイトハラスメントとは、相手に過剰に優しくすることで、精神的なプレッシャーやストレスを与えることです。
優しくされることは嬉しいことですが、相手に気を遣われすぎると、かえって疲れてしまいますよね。
ホワハラとは、優しさが過ぎるためにかえって相手に気を遣わせることになったり、煮え切らない気持ちにさせたりすることを言います。
ホワハラになるのは、次に挙げるような言葉です。
・「残業はしなくていいよ」
・「あとは私がやっておくから先に帰って」
・「無理しないでね」
・「君はなにも気にしなくていいから」
・「どんどん休んでいいから」
・「できないことはしなくていいよ」
・「絶対覚えなければいけないわけではないからね」
など。
言葉だけを聞くと、「どうしてこれがハラスメントになるの?」と思えるようなものばかりですよね。
仕事でミスをした部下を元気づけるために上司が食事に誘うことも、ハラスメントになります。部下にとっては、「無理矢理食事に誘われた」と、パワハラに感じるのです。
また、休憩時間で一緒になった後輩に「最近どう?」と話しかけることもホワハラに。
この場合は、ぼーっと過ごしたかった後輩の気持ちを汲み取れずに邪魔してしまったことがハラスメントに当たります。
あまりにも優しくされると、相手に気を使わせているような気持ちになって心苦しく感じるものです。
相手の過剰な優しさが自分の心の中に「申し訳なさ」を生み、それが積み重なっていくことでどんどん優しさが重荷になってしまうのです。
また、仕事で上司から「やっておくよ」とか「無理しないでいいよ」などと言われると、部下は「自分は期待されていないのではないか」と、悲しい気持ちになってしまいます。
上司にとっては「大切な部下に負担をかけてはいけない」と気遣って発している一言なのかもしれませんが、部下にとってはせっかくのやる気を削がれてしまう一言となるのです。
「自分は役に立たない人材なのだ」と仕事へのモチベーションを下げてしまいます。
職場環境がよく、風通しのいいホワイト企業は、今までハラスメントとは無縁だと思われてきました。
ところが、働く人を大切にするホワイト企業だからこそ、このような姿勢が逆にハラスメントを発生させやすい環境を作っていると言えるでしょう。
厳しくしてもダメ、でも優しくしてもハラスメントになる…… となると、職場で部下にどう接していいかわかりませんよね。
ホワハラと言われないための上手な立ち回り方についてご紹介します。
手慣れない感じで仕事をしている部下を見ると、面倒見のいい性格の人は特に、いろいろな手助けやアドバイスをしてしまうものです。
しかし、部下が仕事人として成長するためには、放置することも必要なことです。
見守りつつ、口はできるだけ出さないようにして、部下からヘルプサインがくるまでじっと待ちましょう。
上司である以上、周りに目を配るのは大切なことですが、部下のことばかりを気にかけて自分のことが疎かになってしまっては、どうしようもありません。
自分のペースを大切にしてやるべきことに集中し、任せられるところはどんどん部下に任せましょう。
「これは難しいかな」と思うことも思い切って任せてみれば、思った以上の仕上がりで返ってくるものです。
「いつでも相談して」と見守っていることを伝えることも忘れずに。
ホワハラという新しいハラスメントを聞いて、「もう、どうしたらいいかわからない」という人は多いと思います。
ただ、優しくても厳しくてもダメだと、ハラスメントを気にして毎日を過ごしていると、身動きが取れなくなってしまいます。
そのようなことになれば、仕事の効率が落ちてしまい、元も子もありませんよね。
ホワイトハラスメントというものがあるということだけ知っておき、あとは普段通りの自分で過ごすのがベスト。
相手に対する思いやりなくして仕事がうまく回ることはないのです。
ただ、過剰な優しさや気遣いは、相手の心に壁を作ってしまうので、注意をしてくださいね。
Written by さあや