「勉強しなさい!」と叱るのは、本当に子供のためですか。自分の思いや考え方を無理やり押し付けているだけなら、それは教育虐待です。
教育虐待は、子供を苦しめるだけではなく、親自身も苦しませるものになります。
ここでは、教育虐待とは何か、教育虐待をしないために意識すべきことについてご紹介します。
教育虐待とは、教育を過度に押し付けることです。
子供が苦痛を感じているのに親はそのことを見ようともせず、とにかく「勉強しなさい」、「成績を上げなさい」、「偏差値の高い学校に行きなさい」と自分の意見や希望ばかり言って、その通りにさせようとします。
教育虐待は、子供の心身を蝕むことがあります。
子供自身が嫌だと言っているのに、やりたくもない勉強を長時間させられ、少しでもサボろうものなら叱責される……。
本当は友達と遊びたいのに、いつも宿題だとか、塾通いだとか、自分のやりたいことをすることができず、強制的に勉強をさせられていると、次第に心が閉ざされてしまうようになるのです。
初めは反発していた子供も、「何を言っても無駄なんだ」と思って諦めるようになり、心が健康ではなくなってしまいます。
教育虐待を受けると、幼い頃の苦しい思いが大人になっても忘れられず、トラウマになることがあります。
ふとした時に思い出して辛い気持ちになったり、親の姿見るといつも「何か言われるのではないか」、「親の言う通りにしないと叱られるのではないか」などと怯えるようになったり、幼い頃の苦しい思いがフラッシュバックしてしまうことがあります。
子供に勉強してほしいと思うのはどうしてですか。多くの人は、「勉強をしないと大人になったら困るから」と答えると思います。
では、困るのは実際誰でしょう。
教育虐待をする人が「勉強しなさい」と言うのは子供のためではなく、実は親自身のためなんです。
勉強ができない子だと、親である自分が恥ずかしいとか、親が進んでほしいと思っている学校に行くことができないのは自分のせいだと考えてしまうので、そうならないために口うるさく言ってしまうのです。
子供が何をしたいのか聞くことなく、親がしてほしいことばかり子供に望むのは、親のエゴの押し付けですよね。
教育虐待をする親には、見栄っ張りな人が多いです。子供の学力や学歴で見栄を張りたいので、やたらと偏差値の高いところやネームバリューのある学校に進ませたがります。
また、過度に心配性な親にも教育虐待をしてしまっている人が多いです。
子供が失敗することを子供以上に恐れているため、口うるさく「勉強しなさい」と言ったり、子供の進路について一方的に口出ししたり、子供の人生なのに親が主体で動いてしまいます。
教育虐待をする親には、子供の人生をまるで自分の人生のように背負い込み、子離れができていない人が多いです。
教育熱心な親は、子供の気持ちに寄り添っています。
ですから頭ごなしに「勉強しなさい」と言うことはなく、あえて「勉強しなさい」とは言わない親も多いです。
教育熱心な親がしているのが、子供の教育環境を整えることです。
たくさんの本を買い込んで読書を身近なものにしたり、自然の中でたくさん遊ばせたり、子供があらゆることに興味を持ちやすい環境を整えているのです。
子供がやりたい! と言ったときにすぐに挑戦させてあられるようにお金をしっかり貯めている人も多いです。
子供の能力は、「やらされる」よりも「自分からやる」方が伸びます。教育熱心な親はそのことをわかっているからこそ、子供のやりたいことを自由にさせている親が多いです。
教育虐待をしないためには、日頃から子供の言うことによく耳を傾けることです。
コミュニケーションを多くとっていると、子供が何に興味を持っているか、どんなことをしたいのかということが自然とわかります。
やりたいことに挑戦したい理由についても理解できるようになるので、頭ごなしに「あれはダメ」「これもダメ」ということがなくなり、たとえ子供の描いている夢が大きくて難しいものだったとしても「がんばってね」と気持ちよく背中を押すことができるようになります。
教育虐待をしてしまうのは、子供のことを理解していないからです。
子供とのコミュニケーション不足だと、子供が「〇〇したい」と言ったときにあまりに突然に感じて、「無理だ」「ダメダメ」などと否定してしまいます。
しかし日頃からよくコミュニケーションをとっていると、子供がなぜそのようなことを言ったのか理解することができ、気落ちよく応援してあげられるようになります。
子供を信頼することで、教育虐待を防ぐことができ、親子の絆も深まります。理解と思いやりが一番大切です。
Written by さあや