若者言葉と言われる流行の言葉はその時代を象徴するものであり、とても流れの早いものです。そんな若者が生み出す言葉の中には定着するものもあれば、一瞬で死語になってしまう言葉も……。そこで、この記事では恋愛系に注目して今では死語となってしまったワードをご紹介します。昭和、平成、令和の順に紹介するので、知っているワードがいつのものかぜひ確認してみてくださいね。
昭和は日本の元号の中で最も長く続いた時代です。1926年に昭和が誕生しましたが、戦争などが続いた期間もあり、同じ昭和でも年代によって様変わりしました。
戦争後、日本の発展によって状況が代わり、恋愛に対しても若干おおらかになってきた時代です。そこで誕生した恋愛系死語はこのようになっています。
昭和のバブル期に流行した「アベック」は、今でいう「カップル」と同じ意味の言葉。フランス語の「avec」が由来で「一緒に」という意味があり、目の前にいる男女のことを指しています。1960年代~1980年代のバブル期までよく使われていました。
「アバンチュール」はフランス語の「Aventure」が由来で、大人の危険な恋や遊びを意味して使われてきました。今でいう大人の関係、一夜の恋、許されない恋愛などで使われることが多かったようです。1983年に中森明菜さんのアルバムにも「アバンチュール」という楽曲があり、この頃流行した言葉だと推測できます。
バブル期の1980年代に流行した言葉です。これは、本命に振り向いてもらえるまで保留にしている男性のことを呼びます。
語源はスナックなどでボトルをキープすることが由来とされていますが、他にもタクシー代わりに足になってくれる「アッシーくん」、食事をご馳走してくれる「メッシーくん」、お金を貢いでくれる「みつぐくん」などもあります。
昭和の時代には「据膳食わぬは男の恥」なんて言葉も聞かれていましたが、今ではほとんど聞かなくなりました。この言葉も恋愛に関する死語で、「女性の方から誘ってきたら応じるのが当然だ」という意味です。人形浄瑠璃や歌舞伎狂言などの「夏祭浪花鑑」から来たとされていて、1745年くらいに誕生しました。
お膳(女性)があるのに、男性が食べないことが恥ずかしいという意味ですが、最近は草食系の男性も多いので聞く機会は少ないです。
「ペアルック」は、2人でお揃いの服を着ていることを意味します。この言葉は1990年代頃に誕生した和製英語で、すべて同じ服装でなくても一部が同じであればペアルックになります。カップルで同じものを取り入れた時に使い、これによってカップルの温度もわかってしまいます!
今でも違和感なく使ってしまいそうな「ラブラブ」という言葉ですが、今では死語になる可能性があります。そもそもラブラブとは、ラブにラブを重ねて深く愛し合っている時に使いました。公衆の面前でイチャイチャしているカップルなどに、「あの2人ラブラブだね」なんて言い方も。
今では、好きでもどのような意味で好きなのかによって言い方を変えるため、好き=ラブとは言い切れません。好きという言葉では表現できない感情なら「エモい」、すごく好きなら「ラブみが深い」、好きで感動しすぎていたり高嶺の花のような存在なら「尊い(てぇてぇ)」という言い方もあったり、言葉の多様性も生まれています。
昭和、平成と共に言葉やそこに含まれている意味や気持ちも複雑化してきたことで、様々な言葉が生まれては消えています。そこで、恋愛においてのイマドキのワードは何でしょうか?
ときめいてしまって思わず心臓が止まりそうになった時などに使われる言葉です。「ラブ★コン」という漫画で「キュン死」という言葉で出て以降は、この言葉が流行していましたが、その後「萌え死」などへと移りました。
胸がキュンとした衝撃の大きさを表すものですが、この他にも「〇〇が可愛すぎて死ぬ」など、ネットスラングを中心にした造語がいくつも誕生しています。
Z世代の人は、恋愛などをハッキリ伝えない人も多くいます。「本当は周りに言いたい!」なんて気持ちを持っている場合は、SNSなどで恋人の存在を周囲に自慢する時に「匂わせ」をします。この「匂わせ」は、写真にさりげなく映っているもの、表現などを使って間接的にアピールするものです。
「ガチ恋」は、本気で恋するオタクを意味しています。近年、恋愛に意欲を向ける若者が減少傾向であり、アイドルや芸能人、漫画のキャラクターなどを恋愛対象にしている人が増えました。アイドルブームなどが流行した結果、このような「ガチ恋」勢が急増!
女性が男性アイドルやキャラクターを好きな場合は「リアコ」という言い方もいます。他にも何かに本気な人を「ガチ勢」といい、多様な使い方をしているんです。
今回は、恋愛死語特集とイマドキのワードについて紹介してきました。これを見るとわかるように、昭和は男女共に恋愛に積極的でしたが、令和のZ世代は男女の恋愛だけがすべてではないようです。
これも時代の変化ですが、イマドキのワードはネットスラングから誕生することが多く、とても移り変わりの早いものです。言葉の賞味期限も近いので、覚えた時には死語になっているかもしれないので要注意ですよ。
Written by 早紀