20代後半から30代にかけて、働く女性の大きな悩みとなるのが「結婚かキャリアか」問題ではないでしょうか。
できるならばどちらも叶えたい、でもそれって難しい? 贅沢? などなど、一人で抱え込んでいませんか。ワーキングマザーとして子どもを育てながら働き続けてきた筆者の意見を交えつつ、この問題について見ていきましょう。
まず結論として、ひと昔前よりもずっと共働き家庭が増えた今の時代、結婚かキャリアかどちらか1つを選ぶ必要はないと思います。
実際に筆者の周りにも、結婚しても子どもを産んでもバリバリ働き続ける女性はたくさんいます。なのであなたがもし「結婚して子どももほしい。でも仕事は楽しいし、辞めたくない」と考えているなら、その道をあきらめずに済む方法を模索してみましょう。
女性が結婚もキャリアもあきらめず、いきいきと生きられる社会。それが理想ではありますが、現実は、周囲の受け入れ体制が万全とは言えない状況です。
今までも少しずつ、女性が働きやすい社会に向けて日本全体が変わってきています。ですから今後ますます良い方向へ進んでいくであろうと予想はされるものの、現状では「その人を取り巻く状況がどうか」にだいぶ左右されてしまうのも事実です。
具体的には、「女性のキャリアアップが叶う職場(仕事)かどうか」と「共働きに理解を示し行動できるパートナーかどうか」の大きく2つがポイントとなります。
結婚すれば、いずれ子どもができることもあるでしょう。妊娠や出産は女性にしかできないことですから、このあたりについて理解のある会社でなければ働き続けるのは難しいです。
そのためまずは、きちんと産前産後休暇や育児休暇が取得できる会社であることが条件になるでしょう。制度として”ある”というだけでは不十分で、取得した前歴があるか、その後職場復帰した社員がどのような仕事をしているかなどもチェックしておくと良いですね。
産休育休制度自体はあっても、実際には退職するのが暗黙の了解になっていたり、復帰後の時短勤務に応じてくれない、責任のあるポストにつけないなど、子どもを持つ女性に活躍の場が与えられない会社もあります。
また、女性の管理職がどれくらいいるかどうかもチェックしておきたいところですね。
会社のなかで女性が働きやすいか、結婚後もキャリアアップが叶うかどうかは、大企業かどうかはあまり関係がありません。誰でも名前を知っているような一流企業であっても、上層部は年配の男性ばかりで、女性の働き方改革などには興味もないというケースもあるでしょう。
逆に中小企業であっても、社員1人ひとりの事情に寄り添う経営をしている会社であれば、長く働くことでキャリアアップも望めるはずです。
もう1つ大切なのは、パートナーがどんな考えを持っているかです。
夫は外で働き、妻は専業主婦として家を守るというスタイルが減ってきている今、「共働きは普通でしょ」という考えが若い世代の人を中心に広まっています。
とはいえここは結婚前にしっかりと掘り下げ話し合っておかないと、後々トラブルのもとにもなりかねません。
共働きといっても、「妻はパートで家事優先。働くのは平日昼間だけ」と「妻も夫同様に正社員としてキャリアアップを目指してしっかり働く」のとでは事情が違ってきます。なかには、「共働きはいいけど家事は妻にやってほしい。家事がおろそかにならないなら働いてもいい」と考える人もいるのです。
時間も体力も有限ですから、仕事に打ち込めばその分家事に割く労力は減ります。場合に応じて「早く帰宅した夫が料理する」「デリバリーなどを上手に活用する」という必要も出てくるでしょう。
そういったこともひっくるめて、「共働きOK!」なパートナーとの結婚であれば、結婚後のキャリアアップも夢ではありません。
先のことはどうなるか誰にもわからないので、考えれば考えるほど不安が募ってしまうもの。そんなときは、既に結婚とキャリアを両立している先輩に話を聞いてみてはいかがでしょうか。
あなたがもし会社にお勤めなら、同じ会社の先輩に聞くのが手っ取り早く確実です。「私のときはこうだった。だから大丈夫」と背中を押してもらえれば、きっと安心できるでしょう。
筆者はフリーランスのライターとして仕事をしています。フリーランスは収入が不安定ですし、会社という自分を守ってくれるものがないので大変なことも多いですが、仕事量や働く時間などをある程度自分で調整できるので、育児中の身としては助かることが多いです。
ゆくゆくは会社から独立して働くことも視野に入れるなら、早い段階からコツコツと準備をしておけばそれが安心材料にもなるでしょう。
結婚かキャリアか。現代の女性には、そのどちらも手に入れるチャンスがあります。ですがそれは自分1人の力で達成するのは難しいので、会社やパートナーなど周りの環境を見極め、それが叶うよう整えていく努力が必要です。
どちらも欲しいと願うことはわがままではありません。一度きりの人生、なるべく後悔しないで済むように生きたいですね。
Written by 七尾なお