「大好き!」 と思って付き合ったはずなのに、気づけば彼氏に疑いの目を向けるようになっていた……。そんな経験は珍しくないでしょう。女性なら、8~9割くらいは通過する「あるある」だと思います。
しかし、色々な理由から疑わしいと感じても、だからといって別れるわけではなく、大抵は結局のところ、見逃すことになるんじゃないでしょうか? 確実にクロといえる証拠がない限り、彼氏をとことん追い詰めたりはしないはずですし、刑事さながらに自ら証拠集めをする女性も多くないはずです。
恋人として結ばれると情が芽生えて別れがたくなるのか、あるいは、別れたのちにまた出会いを探して彼氏を作る……という手間を面倒に感じるのか、いずれにしても「疑わしきは罰せず」になるケースが少なくないでしょう。
けれど、本当にそれでいいんでしょうか……?
熟年夫婦だって、お互いのすべてを理解できているとは限りません。腹の底ではあれこれ思うところがあっても、それをごまかしながら一緒にいるのが現実だったりします。
けれど、婚姻関係を結んだ夫婦なら簡単に別れられないものの、恋人関係であれば、くっつくのも別れるのも自由! 不満を抱えながら、ムリしてお付き合いを続ける必要はないんです。
また、浮気や嘘をつくクセ、借金など、人間性を疑うようなネタが彼氏にある場合、交際を継続することで自分が傷つく可能性もあるでしょう。情は湧くにせよ、冷静に現実的な視点で判断をしたほうが良いといえます。
散々だまされて、心身共にボロボロになってから「もうダメ。別れよう」と思っても、精神が疲弊しきったり、男性不信に陥ったりして、本当に幸せな新しい恋を始められなくなるかもしれないんです。疑いを抱きながら付き合うのは難しいと思っておくのが、自分自身を守るためにも大切でしょう。
とはいえ、女性側が過剰に詮索して、たわいないことも疑うようでは、彼氏のほうがウンザリしてしまうはず。職場の歓送迎会や同性の友人との飲み会なども逐一疑い、楽しんでいるところに電話やメールをし続けるのは、ちょっと度が過ぎています。
恋人関係において、何をどう疑うか? なんて基準はありませんが、あまりに「タラレバ」で彼氏に白い目を向けるのは、自ら愛情を冷ます行為です。常識的な感覚を見失わないようにしましょう。
もし、愛情が募りすぎて、何が常識的な感覚かわからないとき、あるいはコントロールがきかないほど不安が高まってしまったときは、友人に判断してもらうのが賢明です。気心の知れた友人に自分の現状を話して、疑ってもいいのか、敏感になりすぎているだけかを見てもらえば、おかしな方向に突っ走ることもないはずです。
昔、とある少女漫画で、「片想いのときは、もちろん不安だったけれど、それは付き合えたらなくなるものだと思っていた。でも、恋人同士になれても不安はなくならない。いつも不安」というようなセリフがありました。
そのとおりに、恋愛において不安や疑念がまったくない状況は珍しいのかもしれません。だからこそ、スルーしてもいい疑いか、もはや人として信用できない疑念なのかを、正しく見極めることが大事です。
不安が膨らむときほど冷静に、恋を俯瞰する視点を持つようにしましょう。
Written by 沙木貴咲