Q:付き合って2ヶ月の彼女から、誕生日に指輪(ペアリング)をプレゼントされました。なんか重たいです(26歳男性・制作会社)
ご質問誠に有難う御座います。
端的に言って、私も重たいと思います。
この指輪が露店で売っているような安いものであるのならばまだしも、しっかりとしたお店で売っているようなペアリングであったとしたら、それはもう重い以外の何物でも御座いません。
今回は女性が指輪をプレゼントしているので、私の回答も「あー重いねー」くらいの軽い感じになっていますが、もしこれが逆だったら、つまり男性であるご質問者様が付き合って2ヶ月の彼女様に「ペアリング」を渡しでもしたら、ツイッターに拡散され、ネットで「付き合って2ヶ月でペアリングを渡す男はアリかナシか!?」というまとめサイトでも出来そうなもの。
ところで、今回の例でご質問者様は「重い」と感じたようですが、実は私は「付き合って2ヶ月でペアリングを渡すこと」自体には、そこまで問題があるとは思っていません。それどころか「付き合った翌日にペアリングを男性が渡した」としても、そのこと自体にはまるで問題がないと思っております。
では、今回の問題は何なのか。
ご質問者様のことを非難したい訳では御座いません。ご質問者様が「重い」と感じるようなプレゼントを送った、ということに問題があるのです。
これはご質問者様が男性でも女性でも言える話でしょう。
要するに「相手の迷惑になる行動をしている」ということに他ならないのです。
さて、ここから本題になるのですが「彼女からペアリングを受け取ったことで「重い」と感じている」という問題がご質問者様と彼女様の間には御座います。
これをどのようにして解決していくか、それこそが最も重要なことでしょう。
端的に言って、私は具体的な結論を示すことは御座いません。カップルの間で発生した問題は「カップルで結論を出す」ということが最も重要であり、「どのような結論を出すか」ということはそれほど重要ではないのです。
ですので、ここから先はご質問者様と彼女様の二人で決めなくてはならないのですが、選択肢をいくつか提示するという程度のことはしても問題ないでしょう。
まず非常に単純な選択肢として「別れる」というものが御座います。これは極めて合理的で究極の手段であることは間違い御座いません。
恋愛の悩みのほぼ全てはこの手段で解決することでしょう。しかし、この手段が「究極の手段」であることもまたご理解くださいませ。というのも「別れる」という手段は「仕事が辛くて苦しい」とお悩みの方に「死ねばその苦しみから解放されますよ!」と言っているようなものなのです。
確かに死ねば解放されるでしょう。ですが、その手段は究極の最終手段なのです。もう二進も三進も行かなくて、どうしようもなくなって、それでも取るべきではない究極の手段。
もちろん「別れる」と「死ぬ」ではさすがに重みが違い過ぎますので、使ってはいけない、とは申し上げませんが、出来ることならばもう少し試行錯誤してからこの手段を取っても良いかと思います。
また逆の意味での究極の手段として「全面的に受け入れる」というものが御座います。
彼女様はペアリングを贈っている以上、ご質問者様に「身につけて欲しい」と思っていることでしょう。ですので、その意思を全面的に受け入れていれば揉めることは御座いません。
しかし、ご質問者様は社会人。
結婚指輪ならまだしも、そうではない指輪を「仕事中」にしているというのは、多くの場合においてロクなことがありません。
指輪で商品を傷つけてしまうとか、食品を扱うのだから良くない、みたいな論理的な理由など不要です。良いか悪いかは置いておいて、今の日本では間違いなく肯定的には捉えられません。
そんな指輪を「彼女が喜ぶ」という理由だけで、少なくとも私なら付けません。
「結婚指輪はOKなのに、ペアリングはダメなんて非合理的だ! 日本はそういうところが遅れているよね、それに比べて欧米は……」みたいな文化人気取りのリベラル発言など、何の意味もないのです。嫌われるもんは嫌われる。それ以上でも以下でもありません。
「合理的である」という理由だけで人が認めてくれるなら、誰も苦労はしないのです。
それに職場での評価を考えなくても、そもそもご質問者様は文面から察するに「指輪」というアクセサリーがそんなに好きではないのではないでしょうか?
嫌いなアクセサリーをずっと付けているというのは結構苦痛なもので御座います。
ちなみに「彼女の前でだけ付けていて、いつも付けているフリをする」というのは、正直あまりオススメ出来ません。
折衷案として優秀だとは思うのですが、極めて「非現実的」であるでしょう。
付け忘れて大喧嘩するのが目に見えています。こっちが気を使って譲歩しているというのは間違い無いですし、彼女のことを思っての行動なのは私も全面的に認めますが、そんな正論が通じるなら誰も苦労は致しません。
ですので私は「君と一緒にいるときは付けるけど、普段は付けないよ」と言ってしまうのが、折衷案としては優れていると思います。この提案のネックは2つだけ。
1つ目は「彼女の前だけ」とは言え、ご質問者様がペアリングを付けるという「重さ」に耐えられるか、ということ。正直、こちらはなんとかなると思っています。我慢をして頂ければ幸いです。
2つ目の方が問題で、この提案に「彼女様」が納得しない可能性が極めて高い、ということ。
そもそも彼女様が一体なぜペアリングをご質問者様に贈ったのか、ということを考えると、綺麗な理由が1つと、人間の欲みたいな理由が1つ思い浮かびます。
「ペアリングをつけていれば、お互いに離れていても、指輪を見るたびに相手のことを想えます。その「一緒にいる」という愛情を形にしたのがペアリングなんです!」
私がペアリングの販売員なら、接客の際にはおそらくこんなことを言うと思います。
これが1つ目の理由。つまり離れていても一緒にいる、と思いたいと言う理由で御座います。
2つ目の理由は、牽制。
ご質問者様がバンドマンみたいな格好でもしていなければ、通常は「指輪」をしません。そうにも関わらずご質問者様が指輪をしていれば、周りの女性は「この人には彼女がいる」と察します。
それこそ左手の薬指にでもペアリングをしていれば結婚していると思われる可能性だってあるでしょう。
すると、周りの女性はご質問者様にちょっかいを掛けにくくなります。これが牽制という意味で御座います。
もし、私が推測した理由が正しければ、ペアリングは「一緒にいない時こそ、付けていなければいけない」ものなのです。ですので「一緒にいるときは付けるよ」と言う提案は彼女様に取って何1つメリットが御座いません。
ですので、彼女様がこの提案に乗ればいいのですが、どうにも乗ってくれるように思えないのです。
ちなみにご質問者様と同じように、正直に言って指輪をすることが嫌いで、なおかつペアリングを重いと思う私ならどうするか、と考えた結果、先送りという結論に達しました。
「有難う。でもさ、こういうのは俺から贈らせてよ。だからこれは(と言いながら革紐か何かに通してネックレス風にする、ネックレスなら私も耐えられる)」
と言い、自分が「ペアリングを付けたい」と思うまで、ペアリングをプレゼントしない、という選択肢を取ると思います。
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Written by ラブホスタッフ 上野