お見合いで必要な釣書とは、縁談の際にお互いに交換する履歴書のようなものです。釣書で書く内容や書き方を間違えるとお見合いにつながらないため、正しい書き方で記載する必要があります。この記事では釣書の正しい書き方をまとめています。
1. お見合いで必要となる釣書とは?
「釣書」とは、縁談の際に自分のことを相手に知ってもらうため、お互いに出し合う書面です。読み方は「つりしょ」「つりがき」と読みます。地域によっては「身上書(しんじょうしょ)」とも言います。
釣書はパソコンではなく手書きで書くことが基本的なマナーです。書く文字が綺麗でなくても、丁寧に書いた文字の印象で相手に人柄が伝わります。また誠実さを見せることにもつながります。
しかし、書き方によってはお見合いの前に釣書で断られてしまう場合もあります。この記事では正しい釣書の書き方を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
2. 正しい釣書の書き方9ステップ
ここでは、具体的な書き方の前に、釣書全体に共通する書き方について見ていきましょう。
まず、釣書は縦書きで記載するのが基本です。用紙は上質紙か和紙にします。用紙のデザインは白無地か縦の罫線が入ったものです。文字を書くことに自信がない方は罫線入りにしましょう。
筆記具は毛筆か筆ペン、万年筆で記載します。ボールペンでも問題ありませんが、カジュアルな印象を与えるため、筆ペンか万年筆がいいでしょう。鉛筆・シャープペンは不可です。
以下に、正しく釣書を書くために必要な9項目を挙げます。
1.氏名と生年月日を記載
2.現住所を記載
3.中学校卒業以降の学歴を記載
4.職歴や現在の勤務先を記載
5.資格を記載
6.趣味や特技を記載
7.身長体重を記載
8.今の健康状態を記載
9.その他に伝えておきたいことを記載
上記は、実際に釣書に記載する順番になっていますが、地域によっては書く順番や項目の有無もあるため、事前に仲介者に確認しておくといいでしょう。
1:氏名と生年月日を記載
はじめに「釣書」または「身上書」と書きます。次に、本人の基本的な情報となる氏名と生年月日を記載します。
氏名は略字ではなく、戸籍に登録してある正式な漢字で記載します。漢字が読みにくい場合は「ふりがな」も添えましょう。
生年月日は「昭和○○年〇〇月〇〇日生まれ」と記載します。西暦ではなく和暦を使用しましょう。西暦でも問題ありませんが、和暦が一般的です。年齢の記載は不要です。
2:現住所を記載
現住所は都道府県から「〇〇丁目〇〇番〇〇号」の形で、省略せずに記載します。
マンションやアパートにお住まいであれば、正式な建物名と部屋番号まで記載します。また地名が読みにくい場合は「ふりがな」も添えましょう。
本籍地が必要な場合もある
本籍地は一般的に省略されますが、必要な場合もあります。記載する必要があるかどうかは仲介者に確認しましょう。万が一記載する必要がなくても、本籍地は調べておきましょう。
3:中学校卒業以降の学歴を記載
学歴を記載する際は、中学校卒業以降を「平成○○年三月○○中学校卒業」という形で記載します。
大学は学部学科名も記載します。浪人や留年といった情報は書かなくても問題ありませんが、中途退学している場合は正直に記載しましょう。
ただし、中途退学は良い印象ではないため理由を記載しておきます。例としては「〇〇に興味があり進路を変更したため」「希望する就職先が見つかったため」などです。
幼稚園か小学校が有名ならアピールする
先に、中学校卒業以降を記載すると紹介しましたが、ケースバイケースでそれ以前の学歴を書いても良いでしょう。
幼稚園か小学校が有名校であれば、相手へのアピールにもできるため記載してもいいでしょう。
4:職歴や現在の勤務先を記載
職歴は、最終学歴以降の勤務先を記載し、アルバイトやパートは除きます。勤務先は、省略せずに正式な会社名・所属部署・役職を記載しましょう。
転職されている場合は、それぞれの会社名・所属部署・役職を記載します。ただし、複数の職歴があると良い印象を持たれない可能性もあります。
そのときは「ヘッドハンティングされたため」「会社が倒産したため」などの理由を書くと良い印象を持たれるでしょう。
しかし、職歴は全てを書くという決まりはありません。転職回数が多く相手に不信感を与える可能性があれば、現在の勤務先だけでも問題ありません。
5:印象が良くなりそうな資格を記載
「運転免許証」や「国家資格」など、相手にアピールできる資格があれば3つほど記載します。
就職活動ではないため、資格がなくても特に問題はありませんが、アピールできる資格を記載するといいでしょう。
6:少し詳しく趣味や特技を記載
これは、自分自身の人柄を知ってもらうための項目です。お見合いの場での話題となるため、趣味や特技があれば少し詳しく記載しましょう。趣味や特技の内容でお見合いが盛り上がることもあるでしょう。
たとえば、読書が趣味であれば好きなジャンルや好きな作家なども記載し、スポーツが趣味であれば好きなスポーツや応援しているチームを記載します。
ただし、釣書に嘘を書くことはよくありませんが、お金がかかる趣味などは敬遠されてしまう恐れがあるため、記載しないようにしましょう。
7:身長体重を大まかに記載
身長は必須項目の1つです。しかし体重の記載には抵抗があるという方も多いため、記載しなくても問題はありません。
「小柄」や「標準体型」といった、無難な表現で記載しましょう。釣書には写真も一緒に同封するため、ある程度の体型を知ることは可能です。
8:今の健康状態を記載
現在の健康状態を記載します。問題がなければ「良好」「既往歴なし」と記載します。
既往歴がある場合は「持病はあるが日常生活に支障なし」「○ヶ月の通院の必要あり」などと記載しましょう。
9:その他に伝えておきたいことを記載
最後に、相手の方に伝えておくことを記載します。アピールしたいことを記載することも可能です。また、結婚後の生活において譲れない内容があれば、この項目に記載します。
例として以下があります。
1.親との同居を希望
2.ペットとの生活
3.宗教上の制限
4.お金の借り入れ(ローン)
5.離婚歴
6.子供の人数
上の内容は必ず記載する必要はありません。ただし、離婚歴や子供の人数は釣書に記載しなくても仲介者から伝えてもらいましょう。事前に伝わっていないと、相手に悪い印象を与えてしまいかねません。
3. 釣書と家族書の違い
釣書は本人のことを記載した書面です。一方、家族書は家族の情報を記載した書面で、タイミングとしては結納の場で交わすのが一般的です。
家族書はお見合い前に必要な書面ではありません。しかし、お見合い相手がどのような環境で育ったのか知るための情報になりますので、釣書に同封を求められることもあります。
家族書を釣書に同封する必要があるかどうかは、仲介者に確認しましょう。
家族書の書き方
家族書は二親等まで記載するのが一般的です。
二親等までとは、父・母・子(一親等)と祖父母・孫(二親等)のことです。場合によっては、三親等(曾祖父母、曾孫、伯叔父母、甥・姪)まで求められる場合もあるでしょう。
書き方は、はじめに「家族書」と記載します。その後、父・母から祖父母、兄弟の年齢順で記載します。
書き方は「父 ○○(氏名) 昭和○○年○○月○○日生まれ ○○勤務」という形で、続柄、氏名、生年月日、勤務先を記載します。なお、家族書に記載する内容は両家で統一するようにします。
祖父母については、同居していない場合は省略することが可能です。また、兄弟が既婚者であれば義姉・義妹(もしくは義兄・義弟)も記載します。
両親が離婚しているのであれば、父親もしくは母親だけ記載します。また亡くなっている場合は記載しないのが基本です。万が一記載する場合は、名前の上に(故)または(亡)と小さく書き入れましょう。
家族書の内容については、近年簡略化されている場合もあるため、事前に仲介者に確認しておくといいでしょう。
4. 釣書を入れる封筒の書き方
封筒の表には「釣書」と縦書きで記載します。筆記具はボールペンでも構いませんが、筆ペンや万年筆で書くことをおすすめします。
封筒の材質は、便箋に合わせて和紙か上質紙の白無地を用意します。事務的な茶封筒や郵便番号の枠があるものは避けましょう。迷ってしまった場合は、文房具店でセット商品を買うこともできます。
5. 釣書に同封する写真の撮り方
釣書に同封する写真は、お見合い用の正式な写真をスタジオで撮影するのが一般的です。服装はワンピースまたは振袖で撮影したものを、1枚用意します。
また、お見合い用の写真とは別にスナップ写真も1~2枚用意します。スナップ写真は普段の姿を撮影したもので、笑顔や明るい雰囲気の写真を選ぶといいでしょう。
このとき、派手な色合いや肌の露出が多い服装の写真は避けましょう。
6. 釣書を書くときのポイント
釣書を書くときのポイントは「正確・丁寧」に作ることです。相手のことを考えて書くこともポイントです。
また、嘘やあまりにも過剰な実際とは違う事実を記載しないことが重要です。自分自身を好印象でアピールしたくなりますが、誤魔化したりせずに正しく記載しましょう。
7. 釣書を書くときに気をつけること
釣書を書くときに気をつけることは、書き間違えないことです。書き間違えた場合は、はじめから書き直します。修正ペンや修正テープを使用したり、二重線で訂正したものは釣書として使用できません。
コピーも使用不可です。きちんと手書きで書いた釣書を作成しましょう。
8. 釣書をきちんと書いてよいお見合いにしよう
手書きや書き直しは面倒ですが、釣書は重要な文面です。雑に作成した釣書は相手に悪い印象を与えます。
上質な紙の上に1字1句丁寧に書かれた書面は、受け取った相手も気分が良いものです。心を込めて書きましょう。