人と関わり、恋愛まで発展させることは、とても勇気とエネルギーが必要ですよね。
特に、対人恐怖症の方にとって、「恋愛」はとてつもなくハードルが高いものだと感じてしまうかもしれません。対人恐怖症の方は、他人と出会うことが苦手ですから、時には恋愛を諦めたくなることもあるでしょう。
しかし、対人恐怖症の自分を理解し、対処法を知ることで、出会いの幅が広がる可能性は大いにあります。ここでは、対人恐怖症の特徴や直し方、恋愛へ繋げるポイントについて解説します。
1. 対人恐怖症の特徴を理解しよう
対人恐怖症とは、人と出会うことや話すことなどに対して、過度な恐怖や不安を感じる症状のことです。しかし、対人恐怖症には個人差があります。
例えば、人と会いたくないので、自宅に引きこもったままの場合もあれば、知っている人となら会話ができるし、外出もできるというケースも存在します。
また、人と会いたくないという以外にも、人と接することを考えるだけでうつ状態になったり、動悸やふるえなどが止まらないということもあるでしょう
対人恐怖症には、医学的な病名が付けられることもあり、それは社交不安障害と呼ばれています。社交不安障害を持つ方は、10人のうち1人～2人はいると言われていますので、決してめずらしい障害ではありませんし、誰しもが陥る可能性があるということも理解しておくことが大切です。
2. 対人恐怖症を直すにはどうしたら良い？
対人恐怖症（社交不安障害）は、昔は「個人の性格」だと捉えられていましたが、性格や甘えではなく、現在では「障害」として位置づけられています。そのため、個人の努力だけでは十分に直らない場合もあります。
対人恐怖症は、精神科病院や心療内科などでの治療の対象だと考えられることも多く、中でも薬による治療が大きな効果を発揮することも少なくありません。
対人恐怖症は人と触れ合うことで強い不安感が生じるため、心を穏やかにする働きがある抗うつ薬や抗不安薬によって、少しずつ症状の緩和や改善が見られていくことが分かっています。
また、対人恐怖症の方は何かしらの過去の体験によって、「人前で話すことが恥ずかしい」「誰かと会うのが怖い」などという気持ちが、頭の中に刷り込まれていることもあります。
つまり、本来なら不安や恐怖を感じないですむ物事に対しても誤った解釈をしてしまったがために、「人＝自分にとって怖い存在」だと認識していることも。
一度、もしくは何度か嫌な体験をすると、この先もそれがすべてだと捉えてしまいがちです。しかし、同じ状況や状態に再び遭遇したとしても、過去と100%全く同じシチュエーションになることは、ほぼ稀だと言っても良いでしょう。
このような否定的な考え方を修正し、効果的な新しい考え方のクセをつけるトレーニングも、対人恐怖症の方には必要となります。
このトレーニング方法は、認知行動療法と呼ばれ、医療機関などで体験できますので、挑戦してみたい方はドクターやカウンセラーに手伝ってもらうと良いですね。コツをつかめば、セルフでトレーニングをすることができるようにもなりますよ。
3. 対人恐怖症だけど恋愛したい！ それならこの方法がおすすめ
「対人恐怖症だけど、いつかは素敵な人との恋愛を夢見ている」という方もいるかと思います。ただ、積み重なったマイナスな経験を急にプラスに変え、恋愛に集中することは、簡単ではありませんよね。
しかし、諦めることはありません。自分の範囲に合わせた無理のない方法で、恋愛をしていけばOKなのです。対人恐怖症の方にふさわしい恋愛の方法について、以下にご紹介します。
自分は人との関わりが苦手だということを打ち明けよう
恋愛って不思議なもので、相手に予想以上のことを求めがちです。例えば、「恋愛相手には積極的であってほしい」「楽しい会話をしてほしい」など、無意識にパーフェクトな相手を頭の中でカスタマイズしてしまうのです。
しかし、これではせっかく意中の人と良い雰囲気になれても、対人恐怖症の方にとってはプレッシャーでしかありません。
そこで、「良いな」と思う人に出会ったら、最初から「自分は会話が苦手」「思っていることがなかなか言えない時がある」などと、素直な気持ちを伝えておくことが大切です。
自分をオープンにすることで、相手も余計な期待をかけなくなりますし、自分自身も無駄に傷つくことが少なくなります。
知り合いの紹介やマッチングアプリを有効活用しよう
恋愛は、自然発生的に起きるもの。このような出会いを信じたい気持ちは、少なからずあるかもしれません。
ただ、対人恐怖症の方にとって突然やってくる自然な出会いは、時にはストレスの原因になってしまうこともあるでしょう。つまり、自然な出会いであれば、絶対に幸せになれるという保証はないのです。
それよりも、自分が信頼できる相手を介した出会いや、最初は文字だけでやり取りができるマッチングアプリの出会いの方が不安感や恐怖感は和らぎます。
対人恐怖症の方にとっての一番の悩みは、スケジューリングされていない人との出会いに緊張感が生まれやすいとも言われています。だからこそ、自分自身に大きな変化を突然与えることの少ないやり方を選ぶ方が、安心して恋愛ができることが多いはずですよ。
