「恋は盲目」という言葉がありますが、恋愛に依存しすぎてしまうとそれ以外のことが目に入らなくなり、結果的に辛い思いをする可能性があります。
この記事では、恋愛依存症に関する基礎知識18選、恋愛依存症から抜け出す方法について紹介していきます。
1. 恋愛依存症とは
恋愛依存症とは、恋愛に強い依存度がある症状のことをいいます。恋する相手に夢中になってしまうことは誰しも一度は経験することではないでしょうか。
しかし、恋愛依存症の域に達してしまうと、恋人以外のことに集中できなかったり、その恋愛がどんなに辛い状況であっても手放せなくなる感覚に襲われたり、しまいには相手を束縛や監視するなど、異常で極端な行動に走ります。
恋愛依存症の人が感じる高揚感とは
ギャンブル依存症やゲーム依存症、アルコール依存症など、依存症と名前の付くものは、全て高揚感が病みつきになり、その高揚感をもう一度感じたいがために、はまってしまう傾向にあります。
恋愛依存症の高揚感は、相手に必要とされることです。相手に求めらることで「こんなにも自分は価値がある」と認識し、自分の存在意義を見出します。
2. 恋愛依存症の典型的な症状11選
恋愛依存症の人は、自分の状況に気付けていないことが多く、他人から「それはやりすぎじゃないのかな」と、指摘されても「人を好きになって何が悪いの」と、思っているところがあります。
自分の行動を悪いとは思わないため、恋愛依存症のまま過ごしてしまうと、それまで仲が良かった人も離れてしまうことがあります。気付いたら自分一人になっていたということもあり得るでしょう。
そうならないためにも、自分が恋愛依存症なのか判断する必要があります。恋愛依存症の典型的な症状には、相手中心のライフスタイルである・自己犠牲が常に正しいと思ってしまう・他人や自分自身に攻撃的になる、などの典型的症状があるため、参考にしてみてください。
1:相手中心のライフスタイルである
恋愛依存症の特徴として、恋人中心のライフスタイルに変わってしまうことがあげられます。頭の中は恋人のことでいっぱいです。恋人の予定に合わせて自分の予定を組みます。
2:いつも恋人を最優先してしまう
恋愛依存症の人はいつも恋人を最優先します。例えば、予定がない休日に友達に遊ぼうと誘われても、「恋人との予定が急にはいるかもしれないから」と断ってくることもあるでしょう。
友達との予定を入れるよりも、恋人からの連絡を待ちたい、呼ばれたらすぐに会いに行きたいと思っています。仮に友人と出掛けていても、彼と頻繁にLINE(ライン)したり、意識も行動も完全に恋人に向いているでしょう。
3:自己犠牲が常に正しいと思ってしまう
自己犠牲が常に正しいと思っているのも恋愛依存症の人の特徴です。人によっては何でも言うことを聞いてくれる恋愛依存症の相手を、自分の良いように使ってくる人もいるでしょう。何から何まで自分に尽くすように言ったり、お金を貸してと無理難題を言ったりする人もいます。
恋人に頼られることで、「これは私にしかできないことなんだ」と自分を奮い立たせ、辛い内容であっても引き受けてしまうでしょう。たとえ、それが自己犠牲であってもこの愛を貫き通すために正しい行動だと思い込んでいます。
4: 高価なプレゼントを贈るようになる
恋人が欲しがっていないにもかかわらず、高価なプレゼントを贈るようになるのも恋愛依存症の人の特徴です。高価なプレゼントを贈ることで、こんなにも自分が相手を想っていることを形にしようとします。
また、高価なプレゼントの見返りも求めるようになるでしょう。「こんなに高価なものをもらったんだ」と、愛の重さとして高価なプレゼントを周囲に自慢したい部分もあります。
貰ったほうとしては、勝手にプレゼントされて、同じ金額くらいするものをねだられるのは困りものでしょう。
5: 他人や自分自身に攻撃的になる
恋愛依存症が進んでしまうと、他人や自分自身に攻撃的になります。恋人がいないと生きていけないと思い込んでいるため、「別れたら死んでやる」と脅迫めいたことを言い出したり、自分を傷つけて気を引こうとしたりしてくることもあるでしょう。
そして、他者に対しても攻撃的になります。自分の恋人と親しくしようとする存在がいれば、「私の恋人を取ろうとする」という恨みから、邪魔者だと認識し、嫌がらせをするケースもあります。
6:相手以外に何もいらないと感じるようになる
相手以外に何もいらないと感じるようになるのも、恋愛依存症です。恋人以外に興味がなくなり、この人がいればそれでいいという考え方になります。自分の全てを捧げようとしているところもあるでしょう。
恋人以外に興味がないため恋人の私生活を監視し、自分が相手の何もかも知っていないと我慢なりません。そして、相手にも同じように自分のことを想ってほしいと思っています。
「私がこんなに想っているのだから、あなたもそういう姿勢を見せてほしい」と言ってくることもあるでしょう。
7:相手からの連絡がないと不安になる
多くの恋愛では、付き合い始めはお互い相手のことしか目に入らないくらい、ラブラブで楽しい時間を過ごせる傾向があります。付き合い始めは、相手からの電話やLINEのやりとりも一日中何回もあるでしょう。
しかし、お互いのことをよく知るうちに、徐々とその関係は安定的なものになっていき、連絡の回数も減っていきます。
恋愛依存症の人は相手から求められることで自分に価値を見出すため、連絡がないと、「もう自分のことは必要ではないのか」「そんなに好きじゃないのか」などヒステリックを起こしてしまうこともあるでしょう。
8:相手を失う恐怖感に苛まれる
恋人以外には何もいらないと思っているため、相手を失う恐怖感に度々悩まされることもあります。普段から「ずっと一緒だよね」など、自分と一生を共にしてほしいような言葉をかけてくるでしょう。
恋人がいなくなった後の生活など考えられません。別れ話になると、明日からどうやって生きていけばいいのか、生きる希望を失ってしまうという危機感から、自暴自棄になります。
9:髪型やファッションの基準がすべて恋人の好みになる
髪型やファッションの基準がすべて恋人の好みになってしまうのも、恋愛依存症の人の典型的特徴です。髪型やファッションの基準は、あくまで恋人の希望を叶えるものと考え、今まで持っていた自分の好みは一切排除します。
ラブラブなうちは、自分色に染まるという意味で可愛い恋人ではありますが、そこには個性がなく、付き合いが長くなるうちに段々と面白味がなくなってくるでしょう。
しかし、恋愛依存症の人は、「相手の好みに合わせたのに、どうして駄目なのかな、もっともっと好きになってくれるはずじゃないの?」と、個性がなくなることのデメリットを理解できません。
10:自己管理ができなくなる
恋愛依存症の人は、恋人のライフサイクルに合わせるため、自己管理ができなくなります。例えば、恋人と喧嘩をしてしまうと、恋人からの連絡を待つために夜起きていたり、食事も忘れてしまうほど、恋人のことを考えて思い詰めてしまいます。
朝起きて夜寝る、食事をとる、部屋を片付ける、仕事に行くなど、これまでできていた人間らしい生活ができなくなってくるので、明らかに普通の状態ではないと周りは心配するでしょう。
11:恋愛のこと以外考えられない
恋愛依存症の人は、恋愛のこと以外考えられないため、恋人ができれば、恋人と一日中べったりいたいと考えるでしょう。恋人のことばかり頭の中で埋め尽くしています。
そのため、恋人が出来た途端に友人と疎遠になってしまうことも多いです。「友達と時間を過ごすことで、恋人と時間を過ごすことが減ってしまう」と考え、恋人以外から離れようとします。恋人のことしか頭にないので、次第に友人が離れていってしまうでしょう。
3. 恋愛依存症に共通する特徴7つ
過剰な愛情表現を相手に求める人も多い恋愛依存症の人達は、似ている部分があるといわれています。次は、恋愛依存症に共通する特徴7つについて紹介していきます。
恋愛依存症に共通する特徴には、いつも見捨てられるのでないかと怯えている、周囲に流されやすい性格である、育った家庭環境に問題がある、何事にも執着心が過ぎる、ネガティブな思考に支配されている、感情を表現することが苦手、自分に自信がもてない、などがあるでしょう。
1:いつも見捨てられるのでないかと怯えている
恋愛依存症の人は、いつも見捨てられるのでないかと怯えている傾向があります。ちょっと連絡が来なかっただけで「あの人に嫌われたらどうしよう、捨てられたくない」と不安を感じ、この恐怖から逃れて安心するために、恋愛に依存していきます。
2:周囲に流されやすい性格である
基本的に、恋愛依存症の人は、「自分」というものが定まっていないため、周囲に流されやすい性格です。自分がないため、相手に染まりやすく、自分自身で判断することが苦手です。
結果的に「恋人がいないと生きていけない」「恋人以外に何もいらない」と、自分以外の何かを拠り所としてしまうのです。
3:育った家庭環境に問題がある
育った家庭環境に問題があることも恋愛依存症の人に共通した特徴でしょう。子供の頃から、親に満足な愛情を注いでもらえなかった人は、「私もいつか誰かに愛されたい」と強く思って大人になっていきます。
親にもらえなかった愛情を、誰かの愛情で満たしたいのです。恋愛をして、恋人から「好き」「愛してる」という言葉をもらったときは、この上ない喜びや幸せを感じるでしょう。
4:何事にも執着心が過ぎる
何事にも執着心が過ぎるのも恋愛依存症になりやすい人に共通している特徴です。執着心が強いため、恋愛も何かと固執しすぎる傾向にあるでしょう。
人と親しくする際は、程よい距離感を見つけることが苦手です。どの程度自己主張していいのか分からず「これは私のもの」とはっきりわかることを好みます。
恋愛においては「あなたは私のもの」という考えがあるため、独占欲が強く、束縛や相手の行動を監視、「隠し事は絶対にしないでね」としつこく言ってきます。
5:ネガティブな思考に支配されている
恋愛依存症の人は自分に自信がないため、ネガティブな思考に支配されています。自分を過小評価し、「私なんて」と否定的に自分のことを話す節があるでしょう。
そのため、過小評価している自分を好きになってくれた人が現れれば、天にも昇るような気持になり、一気に恋愛にのめり込んでいきます。
「絶対にこの幸せは逃せない」という気持ちから、「私には恋人がいればいい」「恋人がこの世で一番大切だ」という考えになっていきます。
6:感情を表現することが苦手である
恋愛依存症の人は、普段は感情を表現することが苦手な傾向があります。友達としても、自分の気持ちをあまり表現せず、相手の意見を待っています。
自分に自信がないため、自分の気持ちをさらけ出せば「嫌われるかもしれない」という不安があり、自分を受け入れてもらえるとはなかなか思えません。
「嫌われないためには相手の意見に合わせよう」という意識が働いています。恋愛依存症の人は、自分の意見を言う前に、相手の出方を見てから、「それがいいね」と意見を合わせてくるところがあるでしょう。
7:自分に自信がもてない
自分に自信がもてないことは、恋愛依存症の人の共通点でもあります。執着心が強すぎるのも、感情を表現することが苦手なのも、根本的に自分に自信がないことから来ているでしょう。
自信がないということは、自分で自分を認められないため、自分を肯定してくれる存在を待ち望んでいるでいます。自分を好きと言ってくれる恋人ができれば、自分にとって、それは自分を認めてくれる救世主的存在です。
自信がないことで自分を過小評価しすぎている部分が根底にあるので「こんな自分を好きになってくれる人がいるなら、その救いの手は絶対に離したくない」と大げさに捉えます。
そして、「こんな自分を好きになってくれる人とは出会えない」と思い込んでしまうため、「別れたら生きていけない」という意識も芽生えやすいでしょう。
4. 恋愛依存症から抜け出す方法7つ
恋愛依存症の辛さはわかっているものの、なかなか抜け出せないという方もいるでしょう。最後に、恋愛依存症から抜け出す方法7つについて紹介していきます。恋愛依存症の人がどのような克服方法があるのか見ていきましょう。
恋愛依存症から抜け出す方法には、自分自身を愛してみる、カウンセラーに頼ってみる、スマホから離れてみる、仕事や趣味に没頭する時間を作ってみる、友達に相談してみる、規則正しい生活を心がけてみる、相手に求めすぎないようにする、などがあります。
1:自分自身を愛してみる
恋愛依存症から抜け出すには、まず自分で自分のことを愛してみましょう。しかし、他人から愛されることを強く望んでしまう傾向が強いので、恋愛依存症の人は自分で自分を愛するというのが難しいかもしれません。
嫌いな人を信じて、嫌いな人を愛するのは難しい話ですが、自分のことは自分で理解できるので、自分に愛情を注いであげることも可能なはずです。自分に対して、自分は何をしてあげられるのか、誰かに依存する形ではなく自分で答えを見つけましょう。
2:カウンセラーに頼ってみる
自分ではどうしても解決法が見いだせない場合は、専門のカウンセラーに頼るのも手です。心理カウンセラーは心のケアリストなので、今抱えている悩みや恋愛依存症の克服方法など、一緒に考えてくれます。
カウンセラーに心を打ち明けることで、「自分で自分を苦しめる考え方をしていた」「ありのままの自分をまず受け止めようと思った」など、色々と気づかされることが出てくるでしょう。
3:スマホから離れてみる
恋愛依存症から抜け出す方法として、恋人との連絡として使用してきたスマートフォンと離れてみることも良いでしょう。
スマートフォンは相手と手軽に連絡がとれる便利な機械ですが、連絡をとっていない時間は、「いつ返事をくれるんだろう」とモヤモヤが募ってしまう部分もあります。
また、恋人がSNSで自分の状況をよくあげている場合、自分といない時間は何をしているか分かることもあります。自分といない相手の状況が気になって仕方ないこともあるでしょう。
恋人のことが気になってしまい、完全に他のことが手につかなくなってくるので、一日のうちでスマートフォンを見る時間を決めて、そこまで相手のプライベートは立ち入らないようにしようと心に決めましょう。あなたと付き合っているからといって、恋人はあなたのものではありません。
4:仕事や趣味に没頭する時間を作ってみる
恋愛依存症の人は仕事や趣味に没頭する時間を作ってみましょう。恋愛依存症の人は仕事よりも恋愛を取るという考え方の人が多く、さらに趣味を持っていない傾向もあります。他に意識を向けることがないため、余計に恋人が出来ると恋愛一色になってしまうのです。
仕事や趣味など、恋人とは関係ない「自分のこと」に時間を費やしましょう。仕事に関係する資格取得を目指したり、趣味がないのであれば、新しい趣味を作る努力をしてみたりするのも良いでしょう。
5:友達に相談してみる
恋愛依存症の克服として、友達に相談してみましょう。付き合いが長い友達であれば、言われる内容についても信頼できますし、自分の行動が異常かどうか、あなたのためになるように考えて話してくれます。
付き合いが浅く、話のネタとして流されてしまう可能性がある友人には相談しないことをおすすめします。親身になってくれる相手でないと、適当な返答をされるでしょう。
6:規則正しい生活を心がけてみる
恋愛依存症の人は、相手中心のライフスタイルになってしまうこともあり、規則正しい生活ができていないことがあります。自分のことを愛するために、規則正しい生活をして自分を可愛がってあげましょう。
恋人にいつ呼ばれてもいいように待機しているため、日常の生活も乱れがちです。恋人と喧嘩でもすれば一日中無気力になり、ご飯を抜いたり、お風呂に入らなかったり平気でするでしょう。
人間らしく健康でいるためには、寝る時間や起きる時間、ご飯を食べる時間など規則正しくとっていく必要があります。
7:相手に求めすぎないようにする
恋愛依存症の人は、他者からの愛に飢えています。そのため相手に求めすぎる傾向も強いでしょう。「相手も私なしでは生きていけないくらい好きになればいいのに」と自己中心的な考え方をします。
しかし、相手は自分とは別の人間です。相手を支配できないので、求めすぎれば相手はそれをうっとおしく思い、あなたから逃げたい気持ちになる可能性は高いです。
「相手を求めすぎるほど相手は離れていく」と自分で認識することが、恋愛依存症を克服していく最初の一歩になるでしょう。
5. 恋愛依存症の特徴を把握して抜け出す努力をしてみよう
恋愛依存症に関する基礎知識18選、恋愛依存症から抜け出す方法について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
恋愛依存症の共通する特徴を見ていくと、「自分に当てはまっているかも」と感じる部分はあったでしょうか。自分が恋愛依存症なのではと感じることも、恋愛依存症を克服する最初のきっかけです。自分の心の奥にある根本的な問題を掘り当てることにも繋がります。
本記事を参考に恋愛依存症の特徴を把握して、趣味や仕事など恋愛以外に没頭する時間を設けたり、スマートフォンから離れてみたり、自分に合った抜け出す努力をしてみましょう。