さて、今回は、以下の読者からのご質問にお応えしたいと思います。
<好きな人が友だちと被り、友だちの方がリードしているのですが、自分はどのようにリードしていけばいいですか?>(男性/21歳)
さっそくお答えしましょう!
これ、大人だと、答えはとても簡単なんですね。自分は自分のペースでいく、我が道をゆく、以上。というのが「大人」の答えです。
なぜなら「勝負」において、人は誰しも自分の実力以上のことはできないのだから、自分は自分のできることを、具体的に、精一杯やる、という答え以外にない、というのを大人たちは知っているから。
でも、20代だと、まだ「自分」というものが定まっていないから、なかなかそうは思えないですよね。
それに、若い女子は、男子の「実力」がどうであれ、「自分のことを楽しませてくれる男子」や「自分のことをことさら大切にしてくれる男子」に、ついふらっとなびくから。
大人の女性にそういう傾向がないとは言いませんが、大人は「楽しくて面白くて美味しいものを食べさせてくれる男」と「ちゃんと付き合う男」は、どこかでちゃんと線引きするんですよ。
でも高校生くらいから20代にかけての女子は、どうしてもその場のノリや見た目などで交際相手を選びがちですからねえ……。男としては困ったとしか言いようがなかったりしますよね。
さて、どうしましょうか。
1. 友だちと好きな人がかぶったときどうすればいい?
いくつか答えがありますが、ひとつには、彼女の相談相手の立場をとってしまうことです。相談相手になるとなにがいいって、まず情報がたくさん入ってくることです。
たとえば、彼女が他の男子のことをどう思っているのか、他の男子が彼女にどのようなことをしているのか、などなど、たくさん情報が入ってきますね。
恋の「戦い」は、ビジネスにおける戦い同様、情報戦なのだから、情報はないよりあったほうがいいです。さらに、「本人からじかに聞くことのできる生の情報」が多ければ多いほど戦いやすくなる。
だからあなたは、まずは彼女の相談相手というポジションをとってしまうことです。そのためには、多少のやせ我慢をしなくてはなりません。
彼女がほかの男子と戯れているとき、遠くからそれを物欲しそうに見てはいけない。彼女が他の男子とお泊りしたっぽい雰囲気を漂わせていても、涼しい顔をすることです。
もちろん、いったん脳内に沸き起こった妄想はそう簡単に消えないですから、あなたが家に帰って自室でなにかをしてもべつにいんです。が、彼女に「妄想と嫉妬に狂っている姿」を見せてはいけない。
そしたら、そのようなあなたを見た彼女はやがて、あなたにこう言うかもしれない―― わたしと**君って、仲良く見えるかもしれないけど、**君はわたしにとって遊びやすい男子でしかないから、わたしは**君に恋愛感情を持てないの。本当に好きなのはあなたなの…… と。
2. 結局、雨は降る
とは言うものの、男における恋愛って、「結局、雨は降る」んですよ。
結局、彼女は他の男子と付き合って、あなたは妄想と嫉妬の奴隷になって、自室にこもってあんなことやこんなことをするようになるのです。これが男の恋愛の実態です。
女子はちがいますよ。女子は、たとえば「色仕掛け」でどうにかなることもあるから。
女子は、友だちと好きな人がかぶっても、「色」を武器に、一度は彼と寝ることができます。もちろん、人によるはずですが、そうしようと思えば、また、そのような能力を生まれながらに持っていればできますね。
でも男に「色仕掛け」という「武器」はない。男はあくまでも情報のみが武器です。ここが、男女で恋愛スタイルがもっとも大きく異なる点なのです。
それをどうにかするためのハウツーを教えてほしい? そんなもん、ぼくが教えてほしいくらいですよ。
好きな人が友だちとかぶったときにどうにもできないできなさが、男の恋愛のデフォルトに組み込まれているというのは、これは「生まれながらにしてのデフォルト」なのだから、甘んじて受けるしかない。これが男なのです。
3. 「それ」に必死にしがみついてください
と書くと、とっても救いのない回答になるので、最後に救いめいたことを書きましょう。
明日ラッキーなことが起きるか否かは、誰にもわからない。これです。
明日、彼女が急に心変わりしてあなたがリードする可能性は、まったくのゼロではない、ですよね? 明日、その友だちがほかの女子のことを好きになるとも限らないでしょう? 明日、その友だちが、彼女に超嫌われるとも限らないでしょう?
誰にとっても、明日なにが起こるかはわからないから。別の言い方をすれば、今この瞬間の「今」において、わたしたちは、自分がなにをどう判断するのかすらわからないのです。「今」のことは今が過ぎ去ったのちに「あのときこうだったな」と、過去形でしか言えないから。
なので、絶望的な状況であっても、気を確かに持つことです。逆にいえば、友だちと好きな人がかぶった男は「それしかできない」ということですが。
気を確かに持つというのは、妄想や嫉妬に狂わない、ということです。
先に何度も書いたように、友だちと彼女はあんなこともこんなこともしただろうとか、友だちは彼女の裸を見ただろうとかと思うと思うのですが、でもそれはそれです。
「今」この瞬間において、気を確かに持つことです。 なぜなら、これも先に書いたように、恋愛において男にできることは、それしかないから。だから「それ」に必死にしがみついてください。
未来がどうなるかは、神様にしかわからないのです。
※参考 『自分を愛する方法』ひとみしょう(玄文社)2020(8月6日全国発売予定)