こんにちは、トイアンナです。
……今回は、その人たらしさんからの人生相談をお受けする形です。
一般的に人たらしといえば、男女問わず人から好かれ、やりたいことを実現する姿に見えます。
いわゆるコミュニケーション強者で、恐れるものは何もなさそう。
なのにどうして、人たらしさんが私に相談してくださる立場になったのか。そこには、人知れぬ地獄がありました。
1. 人たらしであっても、万人からは好かれない
まず、この世に「全世界中から愛される方」はいません。
どんなに人たらしであろうが、本人の性格がよかろうが、わずかな確率で「あの人キライ」とは言われてしまうものです。
そして人たらし、つまり男女問わずモテる人間であればこそ、他人から嫉妬を受けやすくなってしまいます。
相談してくださった「人たらし」の男性はこういいます。
――みんな優しくて、友達もいてくれてありがたいんだけど、たまにすごい敵意をぶつけてくる人がいるんです。初対面で「お前はいいよな、何もかも持ってて」なんて嫌味を言われたりする。何もかもって、俺は普通の人間ですよ。金持ちでもないし、学歴もないし。ただ友達がいるだけで「いいよな」と言われてしまうのは……割に合わないっすね。
人たらしたるもの、周囲に囲まれて人気者。とはいえ本人だって、悩みを抱えて日々葛藤したり、落ち込んだりもします。
「友達がいても、俺バカだからなあ……。この前会社で受けろって言われた資格試験も落ちちゃって。このままじゃ会社にいづらくなるし、とか、いろいろ悩んでるんすよ」と、先ほどの彼も苦労していました。
2. 人たらしがさらされる嫉妬の怖さ
しかし、人たらしに嫉妬する人間には、彼のつらさや悩みは見えません。
むしろ資格試験に落ちても上司から慰めてもらえるような人間関係こそが、嫉妬する人にはほしいものだからです。
私はコミュニケーションが苦手な方なので、ともすればうらやむ側の人間。
こうして嫉妬や敵意をぶつけられる苦痛を聞かせてもらえなければ、私だって「いいよなぁ、人たらしはさ」とワンカップを空けていた加害者側かもしれないのです。
“苦労していない人なんかいない”と言われれば「そりゃそうだ」と思うでしょう。
けれどつい、コミュニケーションが得意な人、友達がたくさんいる人、そつなく結婚している人に嫉妬心を抱いてしまう自分がゼロとも言い切れません。
しかしそこで敵意をぶつける加害者になってしまうか、「まあ、自分は自分の強みを活かすか」と考えられるか。品位は人たらしをうらやましがる、私たちの側に問われているのです。