どんなスポーツにも壁はあります。ボルダリングにおいてもそれは同様で、どうしても○級の課題が攻略できないという悩みは多くのクライマーが抱くものではないでしょうか。
初心者から中級レベルについては基本的なムーブの習得やひたすら経験することが克服の一手となりますが、それ以降はただ闇雲に登っていても行き詰ってしまいます。
今回はもう一つ上を目指すクライマーが押さえておきたい保持力についてお伝えします。
ボルダリングにおける保持力とは
ボルダリングは腕の力だけではなく全身を使って登っていきます。
ボルダリングの基本的な技術としては、ホールドの持ち方やフットワーク、ムーブといったものがあり、これらの基礎が一通りできてくると攻略できる課題が増えてきます。
そこからさらに難しい課題を挑戦した時に、どうしても登れずに壁にぶつかってしまうということは多くのクライマーが経験することです。原因は人それぞれではありますが、保持力の不足ということが挙げられます。
保持力とはその字の通り、保持する力です。指でしっかりとホールドを持ち、次の動きへ繋げる力とも言えます。
ガバのようなしっかりと持てるホールドでは出来る動きが、他のホールドでは出来ないという場合は保持力の不足が考えられます。
日常生活ではあまり意識することのない5指の全てを意識して使うことが保持力の向上に役立ちます。
特に、小指はホールドを持つ時に浮いていたりすることもありますが、ちゃんとホールドに添えるだけでも安定感が変わります。
保持力の前に基本をおさらい、色々なホールドの掴み方
保持力は重要ですが、保持力の前に基本をおさらいしてみましょう。ボルダリングで使われているホールドにはいくつかの種類があり、そのホールドの特徴に応じた持ち方があります。
正しい持ち方をすることで体力も温存できます。
ガバは初心者向けの課題に多く使われている、その名の通りガバっと持てるホールドです。指が引っかかるような窪みがあり安定感があります。
カチは指の関節一つ分ほど、あるいはもっと厚みの薄いホールドです。カチ持ち(クリンプとも呼ばれます)という親指以外の4本の指を揃えて第一関節あたりを反らせるようにホールドに引っ掛けます。クリンプに対し、指を伸ばして引っ掛けるように持つ持ち方をオープンハンドと呼びます。
ポケットはドーナツのように中が空いたホールドです。穴の大きさやクライマーの指の太さによって入れられる指の数は変わります。
スローパーは丸みがあり凹みが少ないホールドです。指を引っ掛るのではなく手全体で抑えるように持つ、パーミングという持ち方や、指を揃えて手首を捻るようにホールドの脇にを持つラップという持ち方があります。
家でできるトレーニング方法とオススメのトレーニンググッズ
指の保持力を高めるトレーニングは、家で行えるものとボルダリングジムでできるものがあります。
何れにしても、指に負荷をかけることになり怪我のリスクが高くなるため、決して無理をしないようにしましょう。怪我をしてしまえば、元々の筋力よりも更に低下してしまいます。
具体的なトレーニングして、ボルダリングジムでは、カチ持ちではなくあえてオープンハンドを多用してみるという方法やガバを3本指で持つといった方法があります。これらは自分が攻略できない課題ではなく、普通の持ち方で完登できた課題で行いましょう。
家で行うトレーニングは、簡単ですが小指を鍛えるものが有効です。小指だけを動かそうとすると薬指も一緒に動いてしまうという人が多いかと思いますが、小指が独立して動くようになるだけでも保持力は変わるでしょう。
手指以外に保持力を上げる、体幹も鍛えよう
保持力はボルダリングの上達に重要なものではありますが、初心者や中級レベルの課題であれば、テクニックの向上や全身の筋力アップ、体幹を鍛えるなどの方法でも上達に繋がります。
体幹を鍛えるには、プランクやサイドプランクが有効です。その他にも腕立て伏せや腹筋運動といった基本的な筋トレを行うだけでも、筋肉量の少ない女性では効果が表れてきます。
ボルダリング前後にストレッチを行い、体をほぐすことでも関節の可動域が少しずつですが、広がっていくでしょう。
まとめ トレーニングの成果を発揮しにボルダリングへ行こう
トレーニングは、一朝一夕では結果が出ず、続けることが難しいです。保持力のトレーニングについては、ボルダリングをしながらできるものもありますので、家とジムでバランスよく続けていきましょう。
○級の課題を登る! やコンペに出る! といった目標を作って一定期間集中して行うのもおすすめです。保持力は指がメインとなりますが、保持力を意識することで体全体の動きも変わります。
トレーニングを頑張ったらその成果をぜひ確かめてみて下さい。目標を達成したら、美味しいものを食べたり、欲しいものを買うなど、自分へのご褒美も忘れずに!