ボルダリング検定を受けたい! 5級合格を目指す人のための攻略情報

クライマーの皆さん、登ってますかー!

しばらくボルダリングジムに通うと、はじめてホールドを触った時には想像もできなかったようなムーブができるようになりますよね。新しいグレードを登れた時は、一層成長を実感できることでしょう。

5級、4級程度のクライマーなら、ボルダリング検定やコンペにも興味が出てくるころでは?
今回は、ボルダリング検定の受け方やコツをご紹介します。

ボルダリング検定を受けたい! 5級合格を目指す人のための攻略情報

ボルダリング検定とは?

ボルダリング検定は、日本クライミングジム連盟による認定試験のこと。クライマーのボルダリング能力技能を検定会を通じてジム連盟が評価し、段級位の認定と登録を行います。この検定を目標として、また上達の指標として、活用しているクライマーもいます。

日本クライミングジム連盟は2018年5月29日に設立された組織で、設立当初で38社97店が加盟しています。これまで2回の検定会が行われ、合計で122名が参加し、88名が合格し、それぞれの級で認定を受けています。

これまでボルダリングはボルダリング施設で設定されている課題のレベルによって達成度や技術を確認するのがほとんどで、自分自身のグレードやレベルを知る方法がありませんでした。

ボルダリングにはコンペと呼ばれる競技形式の腕試しができる大会もありますが、初心者や趣味で取り組んでいる方には敷居が高く感じられ、上級者以外はやはり評価の指標が限られていました。

そこでボルダリング検定では、級位の認定と通して、ボルダリングのレベルや技術をはかる一つの指標として作られ、新しいクライミングの形を示しました。上のレベルの課題をクリアしたい、技を磨きたい、もっと早く登りたいという向上心が検定という新たな目標ができることにより、認定という形になることで、自分のレベルの把握や新たな目標につながるのがボルダリング検定を受ける意味となります。

合格すると1級~5級の認定と合わせて、完登の回数でブロンズ、シルバー、ゴールドの等級が与えられます。上を目指すモチベーションにつながり、初心者でも設定しやすい目標になるでしょう。

「コンペで優勝する!」というとハードルが高いような気がしますが、「検定で5級をとる!」などであれば、誰にでも開かれた目標に思えますよね。
ボルダリングを始めて少し経ち、本格的に目標設定をしてみようという人は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

検定方式

5級から1級までが用意されており、5級〜3級まではセッション方式。2級と1級はセッション方式とベルトコンベア(IFSC)方式を混合して行います。

セッション方式は検定やコンペ参加者全員が一斉に課題に取り組みます。制限時間が設定されていて、制限時間の中でいくつの課題をスタートからゴールまで完登できたかを競います。

コンペによってはポイントを競う場合もありますが、ボルダリング検定では完登できた課題数で合否を判断します。ボルダリング検定の課題数は5課題となっていて、3完登でブロンズ、4完登でシルバー、5完登でゴールドマスターとなっています。

参加者が一斉に課題に取り組むセッション方式とは違い、ベルトコンベア方式は参加者が1人ずつ課題に挑んでいきます。制限時間内に与えられた課題に順に取り組み、いくつ課題を完登できるかで評価がされます。ボルダリング検定の1級、2級のベルトコンベア式の課題は2課題となっています。

2つの方式の違いは他の参加者を見ることができるかどうかです。特にベルトコンベア方式の場合、他の参加者のクライミングを参考にできないため、ホールドを見極め、的確な判断ができる力が求められます。

5課題中3課題以上完登すれば合格になりますが、成績(完登数)により3段階の合格等級があるようです。

ボルダリング検定を受けたい! 5級合格を目指す人のための攻略情報

ボルダリング検定はどうすれば受けられる?

日本クライミングジム検定の公式サイト(http://www.jcga.co/bouldering.html)からエントリーします。ただ現在は、次回の検定開催日程が未定なため、公式Twitter(https://twitter.com/boulderingtest)で最新情報をキャッチすると良いでしょう。

検定料について

ボルダリング検定では、検定料と認定料が別々にかかります。
2018年1月に開催された第2回検定会では、以下の料金体系が用いられました。

●5級
検定料:4,500円  認定料:2,000円
●4級
検定料:4,500円  認定料:2,000円
●3級
検定料:5,500円  認定料:2,000円
●2級
検定料:7,500円  認定料:2,000円
●1級
検定料:9,500円  認定料:2,000円

各級の違いはまず検定課題の方式です。課題数は1級から5級まで同じ5課題ですが、方式が異なり、3級から5級は5課題全てセッション方式で、1級・2級は3課題セッション方式、2課題ベルトコンベア方式となっています。

3級から5級で採用されているセッション方式は他の参加者のクライミングが見ることができ、自分のクライミング技術と合わせて、登る道筋や使うホールドなどを参考にできるため、初めての課題でも十分に対応可能でしょう。

1級・2級はベルトコンベア式の2課題もあるため、自分自身の技術で登らなくてはいけません。課題の難易度ももちろん級ごとに異なるため、級が上がるほどにボルダリングの基本を的確に活用し、課題を見る目も必要になってきます。

自分のレベルに合った級を選ぶことで自分のレベルがわかり、不合格だったとしても次の目標としてモチベーションとなるでしょう。

ボルダリング検定で合格するには?

ここでは、コンペや検定に慣れていない人に向けて、完投のコツをご紹介。まずは5級を合格したい! という人に向けて、オブザベーションのコツ、落ち着いて登るためのコツ、セッターの狙いを意識するコツを伝授します!

オブザベーション(課題を登る前に下見すること)をする

ボルダリングジムで登るとき、オブザベーションにどれくらい時間をかけていますか? 「まずは手をつけてみればいいや」と、たいしてオブザベをしないままスタートホールドを握ってしまう人もいるのではないでしょうか。

5級では関係ありませんが、コンペではトライ数も評価対象になります。なるべく少ないトライ数で完投できるよう、日頃からオブザベーション能力を高めておきましょう。

オブザベーションといってもただ課題を見るだけでは、登り始めてすぐに迷ってしまうでしょう。次のホールドを見失ったり、無駄な動きをしたりすると腕の力や体力を消耗し、完登から遠ざかってしまいます。オブザベーションでまず見るべきはゴールです。スタートとゴールがわかるだけでも進むべき道筋が見えてきます。

ゴールを把握したら、スタートの次に出す手、足を考えます。ボルダリングの基本である右手右足の法則から手足は同じ方向に出すことになります。スタートからの一歩とゴールを決めたら課題の難所を見極めます。

難所での対処やそこまでの体力の使い方などを考え、スタートからゴールまでの一連のクライミングがイメージできたら、オブザベーションの完了です。どのような課題でもすぐに登らずにオブザベーションをし、見方を学んでいくことが上達の近道です。

また、オブザベーション時には体の動きをイメージするだけではなく、力の配分も決めておきましょう。トライ中ずっと一定の力をかけているようでは疲れてしまうので、休めそうなところはないか、核心はどこか、把握しておくと良いでしょう。

ボルダリング初心者が感じている「恥ずかしい!」をなくすために

落ち着いて登る

時間が制限されていたり、ライバルが軽々と登ってしまったり、自分にとって都合のよくない状況になったら、誰しも焦りが芽生えますよね。そんな時こそ、慎重に登りましょう。焦って引き起こしがちなミスは次の通りです。

●足をしっかり踏めていなかったり、指がかかりきっていないまま次のホールドに手を出す
●腕のコンディションが整うのを待ちきれない
●手堅くいこうとしすぎて正しいムーブで動けない

セッター(ホールドを配置する人)の狙いを意識する

ハシゴを登るように登れていた8級の頃と、5級を触っている今では、使うムーブが大きく変わったはず。グレードごとに、マスターしておかなければならないムーブがあります。コンペや検定でも、それは一緒です。

セッターは、「5級ならこういうムーブを入れよう」と考えながら課題を作っているはずですから、ホールドの並びを見た時に、”5級なり”のムーブを想像できなければなりません。
ムーブの種類を覚えるためには、入門書を買うなどして名前だけでも知っておくと、普段ジムに通う中で習得しやすいでしょう。

4級や5級では、基本が重要で、右手右足のムーブの法則をしっかりと守ることが大切です。重心を安定させることで基本的な課題は難なく登っていくことができるでしょう。

3級からは基本と合わせて、汎用性のあるムーブを身につけておくとスムーズに登ることができるでしょう。腕と逆方向に足を流し、バランスを取るフラッキングやダイアゴナルを駆使するとホールドの間隔の広い課題でも上方向に登っていけます。

1級、2級になってくると高度なムーブも必要な難所が現れてきます。足技の代表であるヒールフックやパワーも必要なデッドポイントなど様々なムーブを課題に合わせて駆使することが必要です。

級が上がるほどに必要なムーブは増えていきますが、基本ムーブが基礎にあって初めて成り立つものです。基礎からだんだんとステップアップして、ムーブを身につけていきましょう。

「その他 ~ コンペや関連情報 ~」カテゴリの最新記事