「マルチピッチクライミングのことを知りたい!」
この記事では、マルチピッチクライミングに興味を持ち始めた方に向けて、基本的な知識をご紹介しています。
外岩でのクライミングにも慣れて「もっと高いところを登ってみたい!」という人や、クライミング仲間から誘われてマルチピッチクライミングに興味を持った人もいるのではないでしょうか?
でも、本やネットで調べてみても技術的なことばかり。もっと「基本的なことを知りたい」という人のために、マルチピッチクライミングについてまとめています。
そもそもマルチピッチクライミングとは?
マルチピッチクライミングとは、何十mもの自然の岩壁を登るフリークライミングの一種で、基本的に二人一組(もしくは三人)で登ります。
簡単に説明すると、まずは一人がリードクライミングの要領で、クライマー(登る人)とビレイヤー(登る人をロープで安全確保をする人)に分かれて登り、クライマーが中間地点まで登ったら自身の安全確保(支点構築)をします。
安全確保ができたら、クライマーだった人が今後はビレイヤーとなり、もう一人が登ります。中間地点に到達したら、再びクライマーとビレイヤーが交代してさらに上に登る、という要領を繰り返してどんどん上に登っていきます。
アルパインクライミングとの違いは?
マルチピッチクライミングとアルパインクライミングとを混合させてしまう方もいます。
アルパインクライミングとは、「登山」と「クライミング」の両方の要素を組み合わせたものです。
アルパインクライミングはあくまで登山ですので、目的は山頂を目指すことにあります。
頂上を目指す手段の一つとして岩壁を登りますので、マルチピッチクライミングの技術がアルパインクライミングには必要です。
アルパインクライミングでは手段であった「岩壁を登ること」が、マルチピッチクライミングでは「岩壁を登ること」を目的に楽しむようになったのですね。
習得する技術はたくさん
マルチピッチクライミングは命を守るために必要な技術や知識が多くあります。
必要な装備やその取り扱い方、パートナーとの掛け声、ロープワークやビレイ技術、そして支点構築(安全の確保)、懸垂下降(下に降りる技術)などの習得が必要です。
ここでは、特に安全に直結する「支点構築」と「懸垂下降」についてご紹介します。
支点構築とは
支点構築とは、ロープやカラビナなどを使い、中間地点でのクライマーの安全を確保するための技術のことです。
ビレイヤーをつとめる時にはこの支点に体重を預けるわけですから、強固な支点を構築する技術を身につけなければなりません。
懸垂下降とは
懸垂下降(けんすいかこう)とは、ロープを使って高所から下に降りる技術のことです。
「下に降りるだけ」とつい簡単に考えてしまうかもしれませんが、ロープの結び違いや、ちょっとした手順の間違いで事故に繋がる恐れがあり、実際に懸垂下降中の墜落事故も多いです。
マルチピッチクライミングの技術を習得する方法は?
本やインターネットの情報をみて、独学で理解した気になるのは非常に危険です。
自分ではできたつもりでいても、間違えて覚えてしまう可能性もあります。
マルチピッチクライミングの技術を習得するには、十分な経験を持った指導者のもとで確実に技術を身につけましょう。
マルチピッチクライミングの技術講習を行なっている施設・団体もありますので是非チャレンジしてみて下さい。
▶ Kuri Adventures
▶ 保科クライミングスクール
▶ TANA-アルパインガイドオフィス
▶ YFクラブ
まとめ
マルチピッチクライミングは危険が伴うスポーツです。
挑戦するために必要な道具を揃えなければなりませんし、知識や技術を身につけるためには勉強・練習を繰り返し行う必要があります。
しかし、それでも魅了される人々がいるのは、ただ「登りたい」という純粋な欲求、冒険感、登りきった時の達成感や爽快感など、他には代えがたい魅力が体感できるからです。
マルチピッチクライミングに興味を持った人はぜひ挑戦してほしいです。