クライミングを体験した人やクライミングに興味がある人の中で「ビレイって何?」という疑問がある人はいませんか?
ビレイとはロープクライミングをするクライマーの”安全確保”のことをいいます。また、その安全確保をする人のことをビレイヤーと呼ばれています。
ここでは、ビレイについてはもちろん、クライマーの生死を握っているといっても過言ではないビレイヤーが、気を付けなければいけない点やビレイヤーに必要なギアをご紹介します。
クライミングの「ビレイ」とは、“安全確保”のこと
よくロープクライミングをしているとき、「私ビレイするね!」「ビレイヤーは○○さんにしよう!」など、そんな会話を聞いたことはありませんか?
なんとなく「地上でロープを操る人」というイメージがあると思いますが、「ビレイって何?」と言われると、答えられない人も多いのではないでしょうか。
ビレイというのは、“安全確保”のことをいいます。この安全確保をする人のことを「ビレイヤー」といいますよ。
初心者でも目指せる!「ビレイ」をする人=「ビレイヤー」
「ビレイヤー」とはクライマーの安全確保をする人のことをいいます。ロープクライミングをやっていくうちに、「ビレイもやってみたい!」そんな気持ちが芽生える人もいるでしょう。
ビレイをやったことない人や初心者は、すぐに実践してはいけません。誤った安全確保をして、クライマーにケガを負わせてしまう危険があるからです。
実践に入る前に経験豊富なビレイヤーから、安全確保の方法を学ぶようにすることが重要です。上達するには、経験豊富なビレイヤーの人に教えてもらいながら練習あるのみ!
きちんとギアの使い方やクライマーが落下したときの対応などを学ぶことで、初心者でもビレイヤーになることができますよ。
気を付けること①:ビレイヤーはクライマーの命を預かっている
ロープクライミングというのはビレイヤーがいて、はじめてクライマーが壁や岩を登ることができます。(※上級者の中では、一人でビレイしながら登る人もいるが、初心者には難しい。)
クライマーがトライ中に落ちるときに、ビレイヤーがきちんと安全確保をしなければ、クライマーの死につながるほど危険。
未経験のビレイヤーに任せられるクライマーは非常に少ないです。実際にビレイヤーの安全確保が未熟で、トライ中のクライマーが死亡した事件もあります。
クライマーの安全確保するビレイヤーは、クライマーの命を預かっているということをきちんと意識しなければいけません。
そのためには、技術はもちろん準備の段階で必ずギア一つ一つをチェックするなど、徹底した完全管理が重要です。
気を付けること②:クライマーへのエスコートが大事!
クライマーがトライに集中できるように、ロープの出し引きの操作が重要です。クライマーはトライ中、ロープが張り過ぎていたり、逆に余裕がありすぎると、登りに集中することができません。
ビレイ初心者は「もっとロープを出して!」「ロープを張って!」など指示されることもあるでしょう。
“どのようにするとクライマーがトライに集中できるか”ということを常に意識して、ビレイすると良いですよ。
慣れてきたころからは、“クライマーに指示されないようトライに集中できる”ビレイの練習をしていきましょう。
気を付けること③:2クリップ目までは全神経を集中させる!
ビレイヤーが特に気を付けなければいけないことがあります。それはクライマーが2クリップ目にロープをかける(クリップ)までは、全神経を集中させることです。
なぜ2クリップ目までなのかというのは、1クリップ、2クリップ目にロープをかける前にもしクライマーが落下してしまうと、全身を地面に叩きつけてしまう(グランドフォールする)可能性が高いのです。
そのため、しっかり1クリップ目にクリップするまではスポットを行ない、無事クリップできたのを確認したら、素早くロープを張ってビレイに移ります。
2クリップ目にクリップさせるまでは、グランドフォールする可能性が高いので、神経を集中させましょう。万が一フォールしてもグランドフォールにならないようにビレイすることが重要です。
【クライミングギア】ビレイヤーが必要なギアはこの3つ!
ビレイヤーが必要なギアをご紹介します。
①ビレイデバイス
ビレイデバイスとは、クライマーがフォールしたときに安全に確保するギアの1つです。現在では、ATC(エアートラフィックコントローラー)が主流。
ビレイデバイスには、
・チューブ型
・V字スレッド(ダブル)
・V字スレッド(シングル)
・セカンドビレイ
という種類があります。その中でもチューブ型はロープセットの方向を選ばないこと、V字スレッド(シングル)は穴が1つなので分かりやすいことが特徴なので、初心者の人にオススメです。
②グローブ
グローブの購入は後回しにされがちですが、とても重要なギアのひとつです。
クライマーがトライに成功し、地上に下ろす際に素手でビレイしていると、ロープが摩擦で熱くなり、火傷してしまう可能性があります。
クライミング専用のグローブはそういった摩擦熱から手を守ってくれますので、最後まで安全にクライマーをビレイすることができますよ。
③ビレイ用メガネ
ビレイ用メガネは、すぐに揃えなければいけないギアではありません。むしろ持っていないビレイヤーの人も多くいます。
ビレイ用メガネというのは、長い時間ビレイをしていると、首や肩が痛くなるのを防ぐために開発されたメガネです。
メガネなしでビレイするよりも、メガネをしてビレイをした方が首への負担なども和らげてくれるんですよ。
初心者ビレイヤーは練習あるのみ!
ビレイ=安全確保のことをいい、ビレイをする人をビレイヤーといいます。初心者ビレイヤーは経験豊富なビレイヤーの人に正しいビレイを学ぶようにしてください。
クライマーの安全確保が大事なので、不安なうちは経験者のビレイヤーをよく観察すると良いでしょう。経験が大事なので、たくさん練習して信頼されるビレイヤーになってくださいね。