卒婚は、離婚せずに夫婦関係を続けながら、それぞれの生き方を大切にする選択肢。夫婦のあり方が多様化するなかで注目されている、新しい夫婦のかたちです。この記事では、夫婦が卒婚を決断する5つのきっかけなど、卒婚にまつわる気になる情報を紹介します。
最近よく耳にする「卒婚」。
結婚を卒業する、と聞くと少し大げさに感じるかもしれませんが、実際は籍を抜かず、お互いの生き方に必要以上に干渉しない、新しい夫婦のかたちです。
離婚のように関係を解消するわけでも、単に一時的に距離を置くわけでもありません。夫婦であることは変わらないまま、それぞれが自分らしい生活を大切にする。卒婚は、そんな無理のない距離感を選ぶ、夫婦のあり方です。
卒婚を考えるきっかけは、何か大きな出来事があったときだけとは限りません。ここでは、夫婦が卒婚を考える5つのきっかけを紹介します。
子育てが一段落し、ふと気づけば夫婦2人きりの生活。
子ども中心だった生活が終わり、これから夫婦2人で過ごすことを考えると、「ちょっと無理かも……」と考えてしまう人は少なくありません。
「子どもがいなければ話題がない」「そもそも相手に興味がない」
そんな本音が、子どもの巣立ちとともに明らかになるケースです。
嫌いになったわけではないし、大切な家族であることも変わらない。でも、昔のような恋愛感情はもうない。
そんな自分の本音に気づいたとき、卒婚を視野に入れる人も。
多くの夫婦は、長く一緒にいるうちに、パートナーというよりも「戦友」や「同居人」のような存在になってしまいがち。
その変化を「家族になれた」と前向きに受け止める人もいれば、「夫婦としては終わり」と考える人もいます。
夫婦の価値観が食い違ったとき、中間の選択肢になるのが「卒婚」なのかもしれません。
定年やセカンドライフが見えてくると、考え始めるのが「これからの時間をどう過ごしたいか」。
仕事中心だった生活が変われば、夫婦で一緒に過ごす時間もぐっと増えます。そこで、お互いが思い描く暮らしの違いが明らかになるケースも珍しくありません。
趣味に思いきり時間を使いたい。地元に戻って暮らしたい。一人の時間をもっと増やしたい。
希望する暮らし方は人それぞれ。どちらかが我慢して合わせるのではなく、それぞれの希望を尊重する方法として、卒婚を考える夫婦もいます。
夫婦生活を送るなかで、「ガマンできないほどではないけれど、見過ごすこともできない違和感」に悩まされる人は多いもの。
片付け方が違う、食生活が合わない、寝る時間や起きる時間が違う。ひとつなら気にならなくても、毎日のこととなればストレスに感じるのも無理はありません。
嫌いだから離れたいのではなく、お互いが心地よく過ごすために少し距離を取りたい。そんな気持ちから卒婚を考えるケースもあります。
著名人の卒婚報告や、SNSで目にする卒婚経験者の体験談。
そんな情報に触れるなかで、「そんな夫婦のかたちもあるんだ」「これは求めていたかたちかもしれない」と考えるケースです。
離婚するか、このまま夫婦生活を続けるか。そんな二択に加わった、「夫婦のまま、それぞれの生活を大切にする」という選択肢。
「卒婚」という言葉との出会いが、自分たちの関係を見直すきっかけになる場合もあるのです。
では、実際に卒婚という生活を選ぶと、夫婦の関係はどう変わるのでしょうか。ここでは、卒婚にまつわるリアルな声を紹介します。
一緒にいる時間を減らしたことで、かえって相手への興味や気遣いが戻ってきたという声もあります。
毎日顔を合わせていると、会話は連絡事項ばかりになってしまいがち。一方、少し離れて過ごすことで、「最近どうしてる?」と自然に相手のことを気遣えるように。
会う頻度が減ると、一緒に過ごす時間は自然と貴重なものになります。
近すぎると見えなかった相手の良さに、少し距離を置いたことで改めて気づく。卒婚が、そんな変化につながることもあるようです。
なかには、卒婚によって距離を置いた結果、「このまま夫婦でいる必要はないのかも」と気づくケースもあります。
一緒に暮らしていると当たり前だった夫婦という関係も、離れて生活してみると見え方が変わるもの。それぞれの生活が成り立ち、むしろ離れているほうが心地よいと感じることも。
卒婚をきっかけに自分の気持ちと向き合ったことで、最終的に離婚を選ぶ夫婦もいます。卒婚は必ずしも夫婦関係を立て直すためのものではなく、これからの関係を改めて考える時間になることもあるのです。
卒婚は、必ずしも夫婦関係の終わりを意味するものではありません。これまでの夫婦のかたちを見直し、二人にとって心地よい関係を探す方法のひとつです。
子どもの巣立ち、気持ちの変化、生活習慣のズレ。きっかけは人それぞれ。「離婚したいわけではない。でも、今のまま暮らし続けるのもしんどい」。そんなとき、「卒婚」という選択肢がしっくりくる夫婦もいるはず。
大切なのは、「夫婦ならこうあるべき」というかたちに無理に自分たちを合わせないこと。
今の関係にモヤモヤしているなら、これからどんな暮らしがしたいのか、二人で話してみるところから始めてもいいのかもしれません。
Written by やまだうめ