婚活パーティーの年収詐称はなぜ多い?嘘を見破る・騙されない方法を解説

婚活パーティーに参加している女性の中には、「気になる人はいるものの、相手の年収が高すぎて嘘に見える」という人もいるでしょう。実際、婚活パーティーだけでなくマッチングアプリなどでも年収を詐称している人は残念ながら少なくありません。

なぜ婚活パーティーなどで年収を詐称してしまう人が多いのでしょうか?今回は、年収で嘘をつく男性が多い理由や嘘を見破るための方法、騙されないための方法などを解説します。万が一トラブルになった場合の具体的な対処方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ年収で嘘をつく婚活男性がいるの?

婚活男性の中には自分の本来の年収ではなく、嘘の年収を伝える人もいます。
そんな嘘をつく婚活男性の心理として挙げられるのは、以下の3つです。

・足切りを回避したいから
・男としてのプライド・見栄を保ちたいから
・年収目当てで近寄る女性を避けたいから

①女性からの「年収フィルター」で足切りされたくない

①女性からの「年収フィルター」で足切りされたくない

令和5年度 年次経済財政報告」によると、20~39歳の未婚女性が結婚相手に求める年収で、「400~499万円」と回答した人が27.4%と最も多く、次いで「500~599万円」で21.5%、「300~399万円」で19.7%になることがわかりました。
しかし、実際の年収は「200~299万円」の29.5%が最も多く占めており、次に「300~399万円」の23.3%であり、「400~499万円」は12.6%に限られていることがわかっています。
つまり、女性が結婚相手に求める年収と実際の年収とでは大きな開きが出ているのです。

男性側は「女性が年収も重視して選んでいる」ことは把握しているため、実際の年収を答えてしまうと女性から断られてしまうのではないかと不安に陥りやすいです。
そのため、実際の年収よりも100万円程度話を盛ってしまう人が出てきてしまいます。
年収フィルターで足切りされたくないからこそ、年収を盛ってしまうのです。

②男性としてのプライドや見栄を保ちたい

婚活市場では、男性の価値=年収でみられることが多いです。女性側は自分より高い年収の男性を求める傾向があり、低年収だと男性として見られていないように感じる人も多いです。

実際には女性の中でも年収を最優先事項として重視する人もいれば、価値観や居心地の良さなどを重視する人もいます。

しかし、いくら価値観が合っていても結婚後の生活を考えるとなると、現実的に年収もチェックする女性が多くなります。そのため、結局男性の価値=年収になってしまい、嘘をついてでも自分の価値を高めるために年収を盛ってしまうのです。

また、自己肯定感の低さから年収に嘘をつく人もいます。
自己肯定感が低い人は自分を否定的に見ていて、年収が低いことで「女性から選ばれにくくなる」という失敗を恐れています。
そのため、嘘をつき年収を高くすることで失敗しないようにしています。

 

③「年収目当ての女性」を避けたい(逆サバ読み)

男性によっては自分の年収をあえて低く申告する人もいます。嘘をついて年収を低く申告する理由として、年収目当ての女性を避けたいことが挙げられます。実際の年収を話してしまうと、年収を目当てにアプローチを仕掛けてくる女性が増えます。

しかし、結局そういった女性はお金しか見えておらず、男性本人をきちんと見ている人は少ないでしょう。そのため、あえて自分の年収を低くすることで、年収を目当てに近寄ってくる女性を避けられるようになります。

特に真剣に結婚したいと望んでいる高年収の男性ほど、一般的な年収を申告するケースが多いです。

婚活男性の年収の嘘を見破る4つの方法

婚活で知り合った男性の年収に嘘がないかを見破るためには、以下4つのポイントを押さえてチェックすることが大切です。

□会話の内容と年収の整合性を確認する
□職業と年収の相場を照らし合わせる
□服装・持ち物・お金の使い方を観察する
□住んでいる場所や休日の過ごし方を聞く

嘘を見破るためには、相手を信用せずに疑うのではなく、確認する姿勢が重要です。

①会話の内容と年収の整合性を確認する

①会話の内容と年収の整合性を確認する

年収の話はもちろん、仕事内容や役職、昇給、ボーナスなどで具体的な質問をした時に、会話の内容と年収の整合性が取れているかを確認してみてください。

もし質問に対してうまく答えられなかったり、年収の整合性が取れておらず不自然な回答になったりした場合は、嘘をついている可能性が高いです。

ただし、こういった話をすると相手が「自分のことを疑っているの?」と不快に感じてしまうケースもあります。相手を不快にさせないために、自然な形で質問をして矛盾点がないか確認することが大切です。

例えば、以下のような質問をすることで、相手を不快に思わせることなく年収の整合性を確認できます。

・仕事内容の具体例を尋ねる
「普段はどんなプロジェクトに関わっているんですか?」
具体的な仕事内容を尋ねることで、矛盾を見つけたり職種・業界の平均年収を照らし合わせやすくなったりします。

・職場の規模や雰囲気を尋ねる
「○○さんはどんなところでお仕事をされているんですか?」
会社の規模を直接聞くよりも、まずは職場の雰囲気などから聞いていった方が規模なども見えてきます。

・残業の有無や出張などについて尋ねる
「○○さんのお仕事って大変そうですね、残業とか出張とかも多いんですか?」
相手の仕事内容を聞き、大変そうと共感した上で尋ねると自然な流れで残業の有無や出張について質問できます。

・昇進や転職の経験を尋ねる
「ずっと今の会社に勤めているんですか?」
勤続年数を知ることで、年収に関する目安も得られます。

・キャリアの展望について尋ねる
「将来はどんな仕事をしてみたいとかありますか?」
将来の仕事やキャリアの展望について尋ねることで、今の会社内での立場や収入の水準なども予測しやすくなります。

②職業と年収の相場を照らし合わせる

相手が勤めている企業や業種、職種などがわかれば、その業種などの平均年収を調べることができ、申告していた金額と大きく違っていないかを比べられます。
勤続年数や役職によって異なりますが、おおよその年収を予測する際に活用できるでしょう。
主な職業の年収相場は、以下のとおりです。

職種

平均年収

公務員

約600~800万円

営業

約400万円~550万円

SE・プログラマ

約425万円

施工管理(建設・土木)

約470万円

薬剤師

約510万円

介護福祉士

約340万円

Webデザイナー

約380万円

一般事務

約350万円

店長・販売スタッフ

約340万円

ただし、相手から「コンサル業をしている」「外資系に勤めている」などと言われても、必ずしも年収が高いわけではないので注意が必要です。

例えば同じ外資系の企業に勤めている人でも、営業マンや事務職などの職種や役職によって収入に大きな差があります。イメージで矛盾を探すよりも、極端な数字に対して違和感が持てるようになれば、年収で嘘をつかれても見極められるようになるでしょう。

③服装・持ち物・お金の使い方を観察する

年収の嘘を見極める際に、相手の服装や持ち物、お金の使い方を観察してみるのも1つの方法です。

例えば、相手が身につけている時計は高級ブランドのものなのか、着ている服はユニクロなどのファストファッションなのか、などで年収に違和感がある場合、嘘をつかれている可能性があります。

また、年収によってお金の使い方も異なってきます。

・年収200~300万円台
年収200~300万円台の人の場合、主に生活費に使うことが多く、あまり高級なものは購入できません。
ただし、お金を貯める努力や自分にとって価値のあるものを選び、身につけている場合もあります。

・年収400~600万円台
年収400~600万円台になると生活にも余裕が出てきて、身につけるものにもこだわりを持つ人が増えてきます。
ただし、お金に少し余裕が出てくることで、意味もなく目的外のものを購入したり、外食中心になったりするなど、浪費が多くなる人もいるので注意が必要です。

・年収700~900万円台
年収700~900万円台の人は、年収400~600万円台よりもさらに年収がアップし、高級ブランドなども身につける人が増えてきます。
また、貯蓄だけでなく投資にも興味を持ち、株式などを保有している人も多いです。

・年収1,000万円以上
年収1,000万円以上の人はお金が大事であることはもちろん、時間も大事と考え、生産性を高めるものにお金を使う傾向にあります。
例えば時短につながる家電を購入したり、通勤時間を減らすために会社の近くに家を借りたりするなどです。
また、自分の健康に対してもお金を使う人が多くなります。

④住んでいる場所や休日の過ごし方を聞く

住んでいる場所や休日の過ごし方は、一見年収と関係ないように思えますが、実は年収を予測することも可能です。

例えば住んでいる場所を聞いた時、その地域の家賃相場を調べることで大まかな年収を予測できます。

例えば相手が渋谷区に住んでいると言った場合、渋谷区の家賃相場はワンルームで約10万円、1LDKで約19万円(2025年7月時点)です。

一方、同じ東京都内でも郊外にあたる八王子市に住んでいた場合、ワンルームで約4万円、1LDKで約8万円(2025年7月時点)になります。一般的に家賃は手取り金額の3割ほどが適正とされているため、家賃相場を手取り金額の3割程度と想定すると、大まかな年収が見えてきます。

また、休日の過ごし方からその人の趣味やライフスタイルが見えてくると、お金をどのように使っているかがわかります。

例えば相手が「休日はよくドライブ(ツーリング)に行く」と言った場合、車やバイクが趣味の可能性が高く、お金をかけていると予想できます。
車やバイクは本体を購入するのに数十万円~数百万円はかかりますし、カスタムでさらにパーツ代もかかってきます。

また、ガソリン代や駐車代、保険料などもかさんでくるため、お金のかかる趣味と言えます。こうしたお金のかかる趣味をしている場合、お金をかけられる余裕があるとして年収が高い可能性があります。

逆に、年収が高いのに「休日は寝ていることが多い」「休日はよくテレビを見ている」と答えた場合は、少し違和感があるでしょう。

年収に騙されないために結婚相談所での婚活がおすすめ

婚活男性がつく年収の嘘に騙されないためには、結婚相談所での婚活がおすすめです。
その理由として「収入証明書」の存在が挙げられます。
結婚相談所に入会する場合、収入証明書の提出が必要となってくるため、嘘をついて誤魔化すのが難しいのです。

公的な「収入証明書」の提出が必須

結婚相談所に入会する場合、公的に認められた収入証明書の提出が必要となります。
収入証明書は個人の収入を証明するための書類であり、会社員の場合は給与所得や給与収入、個人事業主は売上から経費を差し引いた事業所得を証明するための書類です。

例えば、会社員や公務員など、勤務先から給与をもらっている人であれば「源泉徴収票」や月々の給与額がわかる「給与明細書」、自営業者や個人事業主なら「確定申告書の控え」などが収入証明書になります。

また、職業を問わず取得できる「所得証明書」「課税証明書」、前年の給与収入や総所得額などが記載されている「税額通知書」なども公的な収入証明書として認められています。

審査時には収入証明書だけでなく、以下の書類の提出が必要になることもあるため、事前に確認しておきましょう。

・独身証明書
・卒業証明書
・現住所証明書
・資格証明書(医師や弁護士、会計士、税理士など)

書類を提出して審査を受け、無事に通ると入会手続きに進みます。
入会手続きからプロフィールが公開されるまでの流れは以下のとおりです。

①面談
②プロフィール作成
③プロフィール写真撮影
④プロフィール公開

婚活パーティーと結婚相談所の信頼性比較

婚活パーティーと結婚相談所では年収の信頼性や会員の真剣度などに違いがあるのでしょうか?
ここで、両者の違いについて解説します。

 

婚活パーティー

結婚相談所

年収の信頼性

パーティーによって異なる

高い

会員の真剣度

比較的高い

高い

料金

男性:1回3,000円~8,000円

女性:1回1,000円~5,000円

初期費用:3万円~15万円

月会費:5,000円~2万円

成婚料:5万円~20万円 など

年収の信頼性や会員の真剣度で言えば、婚活パーティーよりも結婚相談所の方が高いと言えます。婚活パーティーでも高収入限定のパーティーになると、参加者に収入証明書の提出が求められる傾向にあるため、信頼性は高くなります。

一方で、収入証明書の提出が求められない婚活パーティーもあることから、パーティーによって年収の信頼性は異なると言えるでしょう。

また、会員の真剣度に関しても結婚に対して積極的に考えている人もいれば、いい人がいれば結婚も視野に入れるがそれほど熱量を持って取り組んでいないという人もいます。

料金に関しては婚活パーティーの方がお得です。結婚相談所だと月会費に加え、初期費用や成婚料なども追加で発生します。1年間の入会で50万円近くはかかってしまうので、コストをあまりかけたくない人には向いていません。

年収の嘘が判明した場合、婚約・婚姻の取り消しはできる?

婚活パーティーと結婚相談所の信頼性比較

婚約・婚姻した後で年収の嘘が判明した場合、婚約・婚姻を取り消すことは可能なのでしょうか?
実は法的に婚約・婚姻を取り消せる可能性があります。
万が一年収の嘘が判明した際には、一度冷静になり事実確認をすることが大切です。

年収の嘘を理由に法的な取り消しができる条件

年収で嘘をつかれていたことを理由に、婚約や婚姻を法的に取り消すことが可能です。これは民法747条の「詐欺または強迫による婚姻の取り消し」が該当します。
年収で嘘をつかれたことを詐欺として、家庭裁判所に申し立てることで取り消せるのです。

ただし、多少騙された程度では認められず、判例もほとんど見つかりません。かなり昔の判例になりますが、夫が現在の価格で月収26万円程度であると聞いていたのに、実際は現在の価格で20万円程度だと判明したケースがあります。

年収に換算すると312万円程度だと思っていたら240万円程度しかもらっていませんでした。この判例だと裁判所は詐欺による婚姻とは言えないとして、法的な取り消しを認めませんでした。

トラブルになった場合の具体的な対処手順

年収で嘘をつかれていたことが判明し、そこからトラブルに発展するケースも考えられます。
万が一トラブルになってしまった場合には、以下の流れで対処していきましょう。

①結婚相談所で出会った人とのトラブルの場合は、担当のカウンセラーに相談する
②証拠を集めておく
③弁護士に相談する

弁護士に相談するとなるとお金がかかってきますが、法テラスなどの公的機関を活用すれば弁護士に無料で相談することも可能です。
無料の法律相談は経済的に困っている方が対象となりますが、1回30分の相談が無料で、同一の問題なら3回まで無料で相談に乗ってくれます。

婚活中は嘘に騙されないように気を付けよう

婚活では、年収という条件が注目されやすいですが、それだけで相手を判断するのは危険です。数字だけにこだわってしまうと、相手の本質を見極められず、結婚後に価値観や性格の違いに悩まされる可能性があります。

幸せな結婚生活を送るためには、年収に加えて「人柄」「誠実さ」「価値観の一致」といった内面的な部分を重視することが大切です。

年収以外に確認すべき大切な判断基準

結婚生活は長期にわたり続くものです。
経済的な安定は重要ですが、それ以上に「毎日を一緒に過ごせるかどうか」という視点が欠かせません。
以下は、年収以外で特に重視したい判断基準です。

・価値観の一致
お金の使い方や家事・育児に対する考え方など、日常生活に直結する価値観が合うかどうかを確認しましょう。
・金銭感覚
高収入でも浪費家では家庭が不安定になりがちです。
無理のない範囲で貯蓄や計画的な出費を心がけているかを見極めましょう。

・人柄
相手が困難に直面した時や、他人への態度に人柄が表れます。
優しさや思いやりがある人は、結婚生活でも支え合えます。

・誠実さ
嘘をつかない、約束を守るといった誠実さは信頼関係の基盤です。

【結婚相手に求める条件ランキング例】
1位:価値観の一致
2位:誠実さ・信頼できる人柄
3位:金銭感覚の健全さ
4位:家族や友人を大切にする姿勢
5位:年収・経済的安定

このように、年収はあくまで条件の一部であり、総合的な視点で判断することが重要です。

相手の誠実さを見極め、信頼関係を築く方法

誠実さは長い結婚生活の中で最も大切な要素の1つです。
相手を信頼できるかどうかを見極めるには、以下のようなポイントを意識しましょう。

【誠実さを確認するチェックポイント】
・約束したことをきちんと守っているか
・小さな嘘やごまかしをしないか
・他人への態度(店員や友人など)に礼儀正しさがあるか
・連絡が途切れがちでないか、時間を守るか

【信頼関係を築くための具体的なコミュニケーション方法】

・オープンな会話を心がける
自分の考えや気持ちを正直に伝えることで、相手も本音を話しやすくなります。

・相手の話を丁寧に聞く
相手の意見や感情を否定せず、共感の姿勢を見せることが信頼につながります。

・小さな感謝を伝える
「ありがとう」を積み重ねることで、お互いの存在を大切に思える関係になります。

・適度な距離感を保つ
干渉しすぎず、相手を尊重することで、安心感と信頼を築けます。

誠実さをしっかりと確認し、安心して信頼できる相手を選ぶことが、幸せな結婚生活への第一歩です。

年収で嘘をつく人を見極め、信頼できる相手を見つけよう

相手の誠実さを見極め、信頼関係を築く方法

婚活パーティーには残念ながら年収で嘘をついてしまう人もいます。年収で嘘をついているかどうかを見極めるためには、直接訪ねるのも良いですが、相手を不快な気持ちにさせないために、会話の内容などから違和感がないか探してみることも大切です。

また、年収に騙されないように婚活をしたい方は、婚活パーティーよりも収入証明ション提出が求められる結婚相談所に入会するのがおすすめです。

 

Written by 早紀

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