近年は独身貴族という言葉も登場し、一生独身を貫こうという考え方を持つ男性が増えました。しかし、一生独身でいることを後悔しないためにも、独身男性の実態や末路も知ってから決断することをおすすめします。
そこで今回は、一生独身の男性の実態や直面する現実、一生独身でいるメリット・デメリットなどについてご紹介します。恋愛や結婚は諦めるべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
一生独身とは、結婚をせずに人生を過ごすことを意味します。
政府の統計では、50歳時点で一度も結婚をしていない人の割合を生涯未婚率と呼びます。
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」によると、2020年時点の男性の生涯未婚率は28.25%です。
1990年以前の男性の生涯未婚率は1桁台でしたが、2000年に突入すると12.57%と2桁台となり、その後も割合は増加しています。
また、5年ごとに実施される国勢調査(令和2年)では、年代別の男性の未婚割合は以下のようになっています。
年齢 |
未婚者の割合 |
20~24歳 |
95.7% |
25~29歳 |
76.4% |
30~34歳 |
51.8% |
35~39歳 |
38.5% |
40~44歳 |
32.2% |
45~49歳 |
29.9% |
50~54歳 |
26.6% |
55~59歳 |
21.6% |
20代を除くと、30代は未婚率が高い傾向にあり、約90%の男性が未婚です。
また、40代以降の未婚率は減少傾向にありますが、それでも約50~60%の人が未婚というデータになっています。
参考文献:国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集 2024年」
参考文献:総務省統計局「令和2年国勢調査」
総務省統計局の「家計調査 2024年」によると、独身男性と2人以上の世帯の平均月収は以下のとおりです。
年齢 |
平均月収(実収入) |
|
|
独身男性 |
2人以上の世帯 |
34歳以下 |
360,922円 |
578,904円 |
35~59歳 |
449,873円 |
690,758円 |
独身の場合、34歳未満は月収360,922円、35~59歳は月収449,873円が平均となっています。
それに対して既婚している世帯は、34歳未満が月収578,904円、35~59歳は月収690,758円が平均です。
比較すると収入は2人以上の世帯が多いです。
既婚者の場合、夫婦共働きとなっているケースが多いので、独身男性よりも収入が高い傾向にあると考えられます。
参考文献:総務省統計局「家計調査 2024年 3-2. 世帯主の年齢階級別 二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入」
参考文献:総務省統計局「家計調査 2024年 2. 男女,年齢階級別 勤労者世帯(男性)の実収入」
・独身男性の生活満足度の実態
生活満足度とは、資産や労働、住宅、健康など生活に関するあらゆる要素の満足度を示します。
内閣府のインターネット調査によると、5年前から未婚・5年の間に婚姻した男性で満足度が高い人の割合は以下のとおりです。
婚姻状況 |
満足度が高い人の割合 |
5年前から未婚 |
40% |
5年間の間に婚姻 |
51%
|
未婚男性の場合、40%の人は生活満足度が高いと感じています。
しかし、5年の間に婚姻した人で生活満足度が高いとかんじている人の割合は、51%とさらに高いです。
5年の間に婚姻した人は、家族ができたことで幸福感が増え、生活満足度も高いと感じている人の割合が増えていると考えられます。
しかし、独身男性は、資金や自由度などの満足度は高くなりますが、やはり恋人がいないという寂しさや悲しみから満足度が低いと感じる人もいると考えられるでしょう。
参考文献:内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2024 ~我が国のWell-beingの動向~」
男性が一生独身を選ぶ理由には、以下3つの内容が挙げられます。
結婚したいと考えているが、なかなか女性との出会いに恵まれず、仕方なく独身生活を送っている人もいます。
国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、いずれは結婚したいと考えている独身男性の割合は85.7%と高いです。
しかし、実際には結婚できていない男性の割合は多いことから、結婚を望んでいる一方で、出会いがないために独身でいる男性が多いことがわかるでしょう。
経済的な悩みから結婚したくてもできないという男性も少なくありません。
年収が難しかったり、雇用形態が派遣などの非正規雇用であったりする人は、経済的に裕福ではない傾向にあります。
結婚をすれば配偶者を養っていく必要があり、さらに子どもが生まれると育児や教育に多額にお金がかかります。
このような現実と向き合うことができず、それなら独身のほうが良いと考えてしまうのでしょう。
独身貴族に憧れて、あえて結婚しない選択をする人もいます。
結婚すると家族にお金や時間を当てる必要があり、自分が使えるお金や時間が制限されることが多いです。
しかし、独身であればお金も時間も自由に使うことができ、悠々自適な生活を送れるので、そんな生活を好む人は結婚に対して消極的になります。
e-venzのアンケート調査によると、男性回答者のうち、結婚を諦めた理由として最も多い回答は「経済的に余裕がない(19.1%)」でした。
また、「結婚を諦めて気持ちが楽になった」と回答した人の割合は、57%、「結婚を諦める選択に後悔していない」という人の割合は83%となっています。
これらのデータから経済的な不安から結婚を考えることができず、独身のままでいようと考えており、その選択に後悔していない人が一定層いることがわかるでしょう。
ただ、回答者の17%の人が結婚を諦めたことを後悔しています。
後悔した理由には、孤独や寂しさを感じていたり、子どもが欲しいと思ったり、将来や老後に不安を感じているといった内容が挙げられます。
参考文献:e-venz「結婚を諦めたらどうなる?」
実際に一生独身でいようと考えた時、その末路を知らないと後で後悔してしまう可能性があります。
一生独身男性でいる場合、以下のような現実に直面する可能性があります。
・孤独死のリスクが高まる
・健康寿命が既婚者より短い
・老後の生活費は想像以上にかかる
それでは、一生独身でいることにどのようなリスクがあるのか、詳しく見ていきましょう。
一生独身の男性は、孤独死のリスクが高まる可能性があります。
2020年の統計データをもとにした、15歳以上の配偶者関係別の死亡年齢の中央値は以下のとおりです。
配偶者関係 |
未婚男性 |
有配偶男性 |
離別男性 |
死亡年齢の中央値 |
67歳 |
81歳 |
72歳
|
厚生労働省の「令和5年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年です。
有配偶男性の死亡年齢の中央値は平均年齢並みですが、未婚の男性は67歳未満となっており、14歳ほど寿命が短くなっています。
また、既婚者でも配偶者と離別した男性は、平均年齢よりも9歳ほど寿命が短いです。
これらのデータから配偶者を持つ男性よりも、独身男性は死亡年齢が低く、孤独死するリスクが高いと言えるでしょう。
参照文献:「「いのち短かし、恋せぬおとこ」未婚男性の死亡年齢中央値だけが異常に低い件」
独身男性は、健康寿命が既婚者よりも短いというリスクがあります。
健康寿命とは、心身共に自立して、健康的に生活できる期間のことです。
2022年時点の男性の健康寿命は72.57歳となっており、平均寿命の81.09歳とは8.52歳差となっています。
上記のデータは全体的な平均であり、配偶者関係別となると数値はまた変わってくるでしょう。
既婚者と未婚男性の寿命を比較すると、未婚のほうが圧倒的に寿命は短いです。
つまり、健康寿命も既婚者よりも短いと考えられるでしょう。
独身男性の健康寿命が短くなってしまうのは、以下の理由が挙げられます。
・外食中心の生活や飲酒量が多いなど食生活の質が低い
・健康に対する意識が低い
・コミュニケーション能力が低く、孤独や孤立に陥りやすい
独身男性は好きに飲み食いができるため、外食が多く栄養バランスが悪かったり、飲酒が多かったりする食生活になりやすいです。
さらに、食事や体に気を使ってくれる人や注意してくれる人がいないので、健康に対する意識が低い傾向にあります。
このような男性は不健康な生活を送りやすく、糖尿病や高血圧などの生活習慣病に起因する原因で死亡する可能性が高いとされているのです。
また、男性は女性と比べてコミュニケーション能力が低く、孤独や孤立しやすい傾向にあり、一人で生きる耐性が低いと言われています。
このような要素も心身の不調につながり、健康寿命にも影響を与えていると考えられるでしょう。
参照文献:公益財団法人 生命保険文化センター「健康寿命とはどのようなもの?」
老後は思ったよりも生活費がかかり、生活が苦しくなる可能性があります。
「家計調査 2024年」によると、60歳以上の独身男性の生活費(1ヶ月分)の平均は以下のとおりです。
年齢 |
60~64歳 |
65歳以上 |
生活費の平均(消費支出) |
154,745円 |
151,946円 |
60歳以上の独身男性の場合、生活費の平均は約15万円となっています。
年間にすると、生活費は180万円程かかることになるでしょう。
65歳から平均寿命の81歳までの16年間生きると仮定すると、約2,880万円の生活費がかかることになります。
ただし、これはあくまでも老後の生活費であり、実際には税金や社会保険料などの世帯の自由にならない支出も発生します。
他にも趣味や旅行、飲みなどの娯楽・交際費や医療費、急な支出なども考慮して、生活費を確保しなければなりません。
老後は基本的に、年金や退職金、貯蓄で生活することになるでしょう。
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男性の平均年金月額は、厚生年金保険が116,606円、国民年金は59,965円です。
人によって受け取れる年金月額は異なりますが、生活費の平均よりも低いので、十分な生活費を確保できない可能性があるでしょう。
十分な貯蓄や退職金があれば、生活の足しにできるので年金暮らしでも特に不自由しないと考えられます。
しかし、定年退職までに老後の生活の足しになる貯蓄がなかったり、退職金がなかったりすると1人の年金だけでは生活が厳しくなる可能性があります。
参考文献:総務省統計局「家計調査 2024年 2. 男女,年齢階級別 単身世帯(男性)の消費支出」
参考文献:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
一生独身でいることには、男性にとってメリットと感じることがあります。
そのメリットは以下のとおりです。
・自由な時間を好きに使える
・お金も自由に使える
・周りに気を使わずに生きられる
それでは、独身でいることのメリットについて詳しくご紹介します。
一生独身であれば、自由な時間を好きに使うことができます。
結婚すると夫婦の時間を大切にする必要があり、子どもが生まれると子育てにも時間を費やさなければなりません。
そうなると、自分が使える時間は独身時代よりも大幅に減ってしまうでしょう。
今までどおり1日中趣味を楽しむことが難しかったり、友人とおでかけや旅行、飲みに行く回数が減ったりする可能性があります。
自分の時間を大切にしたいと思っている人は、自由な時間を制限されることが苦痛に感じることもあるでしょう。
それなら始めから結婚せず、自分の時間を自由に使える独身のほうが楽しく生きられるかもしれません。
お金も自由に使えることも一生独身でいるメリットです。
結婚前の貯金は自分の財産ですが、結婚後のお金に関しては配偶者との共有資産となります。
今までは自分一人の生活を支えれば良かっただけですが、結婚してからは妻や子どもを養っていかなければなりません。
そのため、使えるお金は今までよりも少なくなる可能性があるでしょう。
現在は共働きが基本となっているとは言え、生活費も倍になるので、独身時代と同じ感覚でお金を使うことは難しくなります。
何か高いものを購入する際は、妻の許可が必要になることもあるでしょう。
このようにお金を自由に使えなくなるのであれば、好きな時に好きなだけ使える独身のほうがメリットは大きいと考えてしまうかもしれません。
一生独身でいると、周りに気を使わず生きられるメリットがあります。
結婚すると、妻の親族とも付き合いが発生します。
しかし、独身であれば面倒な親族との付き合いがなくなるため、気ままに生きていくことができるでしょう。
家族を養う必要がないので、自分のペースで仕事や趣味に取り組む必要ができ、転職や起業の選択に悩む必要もありません。
このように、周りのしがらみに気を使うことなく、ありのままに生きていけることが独身でいることのメリットになります。
一生独身でいることには、以下のデメリットが挙げられます。
・病気や怪我の時に頼れる人がいない
・精神的な孤独感に悩まされる
続いては、これらのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
独身の場合、自分が病気や怪我をした時に頼れる人がいないというデメリットがあります。
特に一人暮らしの場合、病気で倒れた時や怪我をして動けなくなったとしても、世話をしてくれる人がいません。
実家暮らしであれば親がサポートしてくれる可能性がありますが、それでもずっと面倒を見てくれるわけではありません。
また、病気や怪我の度合いによっては仕事ができず、働けないために生活が貧困してしまう恐れがあるでしょう。
精神的な孤独感に悩まされることも一生独身でいることのデメリットです。
結婚をしていれば、愛する妻や子どもと一緒に過ごすことができ、子どもが自立すれば孫にも恵まれるでしょう。
寂しい思いをすることなく、生涯を終えられる可能性が高いです。
しかし、一生独身でいるとなると死ぬまで一人で生きていくことになります。
最初は気楽でいいと思うかもしれませんが、時が経つにつれて孤独感のほうが強くなってしまうかもしれません。
その結果、後から結婚を真剣に考えるべきだったと後悔してしまうでしょう。
現在は結婚だけがすべてではなく、自ら一生独身でいることを選ぶ人もいます。
しかし、一生独身でいることを選択した場合、既婚者よりも健康寿命が短くなり、その結果孤独死する可能性が高まるかもしれません。
他にも老後は想像よりも生活費がかかってしまいますが、年金暮らしとなるため1人だけだと生活費が足りず、豊かな暮らしを送れないケースもあるでしょう。
このような末路を迎える可能性があるため、独身を貫くかどうかは慎重に選ばなければなりません。
悲惨な末路を迎えたくないのであれば、今から婚活を始めて、結婚することを検討してみましょう。
一生独身の人生にならないように結婚をしたいものの、なかなか女性と出会えないと悩んでいる人は多いでしょう。
婚活のために出会いを探しているのであれば、街コンや婚活パーティーへの参加がおすすめです。
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街コンや婚活パーティーでは、一度に大勢の女性と出会えるので、効率よく理想の相手を見つけることができるでしょう。
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参考文献:街コン、恋活・婚活パーティーのポータルサイトmachicon JAPAN
今回は、一生独身の男性の悲惨な末路や独身でいるメリット・デメリットなどをご紹介しました。
一生独身であれば、恋愛や結婚のことで悩むことはなく、時間とお金を自由に使うことができ、気楽に生きていくことができるでしょう。
しかし、老後を迎えてから独り身は寂しいと感じた時、そこから出会いを見つけて結婚するのは難しいと言えます。
後で後悔しないためにも、結婚を諦めることはせず、街コンや婚活パーティーなどを活用して出会いを見つけることをおすすめします。
Written by 早紀