「ぶつかりおじさんって?」「遭遇した際はどのように対処すればいい?」最近ニュースでも取り上げられている「ぶつかりおじさん」について、疑問に感じていませんか?
ぶつかりおじさんとは、明確な嫌がらせ目的を持って体当たりしてくる男性のことを指します。ストレス発散やわいせつ目的で犯行におよぶケースが多く、女性を中心に被害が広がっています。
そこで今回は、増えつつあるぶつかりおじさんについて紹介していきます。ぶつかりおじさんの目的から遭遇した際の対処法、被害にあわないための対策までを詳しく解説しますので、疑問に感じている方はぜひ参考にしてください。
ぶつかりおじさんとは、わざと体をぶつけてくる男性のことを指します。駅構内や交差点など、人混みのできる場所で遭遇しやすく、悪質な目的を持ってわざと体当たりしてくることが特徴です。
ぶつかり方としても「正面から」のほかに「後ろから」や「横から」など、多様にわたります。また、ぶつかりおじさんは自分より弱そうな女性やおとなしめの性格の人を選んで行為へおよぶ傾向にあります。
こうした明らかな嫌がらせ行為を行う人物に中年男性が多いことから、ぶつかりおじさんと呼ばれるようになりました。なお、ぶつかりおじさんのほかに、「ぶつかり男」や「体当たり男」と呼ばれることも。
呼び名は違っても同じ嫌がらせ行為を行う人物を指しています。
ぶつかりおじさんぶつかりおじさんの目的は、大きく2つです。1つ目はストレス発散。人とのコミュニケーションを苦手としている人が歪んだストレスの発散方法として「ぶつかり行為」を行っています。
運動や休息など、上手にストレスの発散ができない人に多い傾向となっており、複数回繰り返すことも特徴です。
ぶつかりおじさんの目的2つ目は、わいせつ行為です。相手にぶつかった際、どさくさに紛れて体に触れられるため行為におよびます。実際にぶつかられた際「必要以上に体に触れられた」と感じる被害者も多く、女性をターゲットとする犯人も多いことが実情です。
また、近年では、コロナ禍にも見られた歪んだ正義感からくるぶつかり行為もあります。歩きスマホに対する抗議として体当たりを行う人も増えており、その危険性について身をもって感じてもらうため、犯行におよびます。
ぶつかりおじさんと遭遇してしまった際は、大きな声で助けを求めることが有効です。大きな声で助けを求めることで、周囲の人や近くの警備員などが犯人との間に入ってくれ対処しやすいためです。
単にぶつかられただけであっても実際にぶつかりおじさんと遭遇すると、怒りよりも恐怖が勝ってしまいます。そのため、大きな声で助けを求めることを躊躇してしまう傾向にありますが、歴とした犯罪行為です。
自分一人で相手に抗議するのではなく、周囲の人と協力して対処することで、相手にも危機感を与えられますよ。相手からの2次被害を防ぐことにもつながるため、被害にあった際は大きな声で周囲に助けを求めてください。
ぶつかりおじさんと遭遇してしまった際は、映像の証拠を確保することが大切です。映像の証拠は、客観的な視点で犯行の一部始終を把握できるため、法的な意味合いでも重要度の高いものです。
警察に相談する際でも証拠動画があれば、理解されやすいうえ適切に対処してもらいやすい傾向にあります。被害現場が駅構内や商業施設である場合は、防犯カメラに写っている可能性もあります。
施設の管理者などに相談して防犯カメラの映像を提出してもらいましょう。
ぶつかりおじさんからの被害にあわないためには、前方や周囲の状況に気を配りましょう。基本的なことですが、ぶつかりおじさんへの対策としては最も効果的。
人が密集している場所を歩く際は、視線をあげて周囲の状況に気を配ることで、不審な動きを取る人物をいち早く察知できます。進路を変えて自分の被害を防ぐだけでなく、ほかの人に対しても注意を促せます。
また、視線を高く保ち凛とした姿で歩くことで、相手からターゲットにされにくいです。被害を未然に防げますので、人通りの多い場所を歩く際は、視線を高く保ってください。
ぶつかりおじさんからの被害を未然に防ぐためには、人が密集する場所を避けることも有効です。人通りが少ない場所であれば、不審な行動を取る人物が目立ちやすく、自然と注意を払えますよね。
ぶつかりおじさんとしても、人通りがまばらなところであれば行為におよびにくいです。そのため、駅やバスターミナル、商業施設などの人が集中する場所はなるべく避けるようにしましょう。
通勤や通学でバスや電車を利用する際は、少し時間を早めることが有効です。利用者が少なく、快適に通勤・通学できるほか、ぶつかりおじさんとの接触を防げます。
実際にぶつかりおじさんからの被害にあった際は、ケガをするほどでもなかったり、相手からの逆ギレを恐れたりして泣き寝入りするケースも多いです。また、被害が集中する通勤時間帯では、遅刻を懸念して抗議しないこともあります。
しかし、わざと体当たりしてくる行為は、立派な「暴行罪」です。場合によっては慰謝料や治療費を請求できるケースもありますので、適切に対処することが大切。
ぶつかりおじさんからの被害にあった際は、泣き寝入りせず周囲の人や警察に助けを求めてください。ただ、歩きスマホなど自ら被害を招きやすくしているケースもありますので、被害者側も気を配る必要があることを理解しておきましょう。
Written by 川元雄之