さまざまな人と関わっていると、気遣いができて尊敬できると感じる人もいれば、おせっかいで関わりたくないと思う人もいますよね。
しかし、相手のことを考えて行動するという点から見ると、両者とも似ているような気もします。
それでも、受け取る側には、まったく違った印象を与えてしまうのが不思議ですよね。
この記事では、気遣いとおせっかいのそれぞれの違いについて詳しく解説していきます。
自分の行動が気遣いなのか、おせっかいなのか知りたいという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは、気遣いとおせっかいの違いを紹介していきましょう。
似ているようで実は違う、「気遣い」と「おせっかい」。まずは、このポイントを押さえることが大切です。
気遣いとおせっかいは、行動自体は同じことをしているケースも多いです。しかし、相手が望んでいる行動をしているかどうかまで考えられるかで違いが出てきます。
たとえば、会社などであなたがお茶をみんなに配ろうとしたとします。しかし、お茶が飲めない相手に渡してしまうと、まったくありがたいとは感じてくれませんよね。
このように、あなたが気遣いのつもりでお茶を配ったとしても、相手の気持ちを考えたうえでの行動でなければ、それはおせっかいになってしまうのです。
気遣いとは、相手からの反応によって、その行動をやって良かったと思えるかどうかが決まるのではありません。
自分が相手に対して何かしらの行動をしたとしても、相手からの反応を過度に期待しないのが、本当の気遣いです。
一方、おせっかいは自分がその行動をする見返りとして、相手からも同等の何かをもらえないと気に入らないという気持ちが含まれています。
そのため、見返りを求めた時点で、純粋な気遣いではなくなってしまうのです。
たとえば、仕事で多いケースですが、同僚や上司のデスクの上が書類で散らかっているのを見たときに、親切な気持ちからデスクの書類をあなたが片付けたとします。
しかし、相手はすぐに書類を見つけやすいように、わざと書類が散らかった状態で置いていたとしたら、片付けたことで余計に仕事がしづらくなりますよね。
このように、良かれと思ってやった行動でも、相手の状況を配慮できていないと、それは気遣いではなくおせっかいになってしまいます。
人は表には出さなくても、さまざま事情を抱えながら生きています。そのため、他人にあまり触れてほしくない話題も人によってあります。
しかし、このような事情を考えずに、人のことに首を突っ込んでズケズケと聞いてしまうと、相手はただ嫌な気持ちにしかならず、あなたと距離を置きたいと思うようになるでしょう。
一方、気遣いができる人は相手とは適切な距離を保った状態で、個人的な問題にはあえて触れずに、良い関係性を築こうとします。
良かれと思っての行動でも、自分がいいと思ったことを相手に押し付けるだけでは、自己満足にしかなりません。
相手がそれを望んでいない場合は、ただのおせっかいになってしまうのです。
気遣いとは、自分を基準に考えるのではなく、あくまでも相手がそれを求めているのか、そうすることで幸せになれるのかを配慮したうえでする行動になります。
つまり、自分軸ではなく相手軸で捉えることが重要です。
さて、気遣いとおせっかいの違いをお伝えしましたが、どれも行動自体は同じですよね。
しかし、その行動をする動機が自分だけの気持ちでやっているか、相手の気持ちも考えてやっているかで、受け取る側の気持ちがまったく違うものになってしまうのです。
善意でやっても、それが気遣いになることもあれば、受け取る相手によってはおせっかいになってしまう場合もあり、気遣いとおせっかいは、紙一重と言えます。
できるだけおせっかいにならないためには、常にその行動の先には相手がいることを意識して、相手が望んでいるかどうかを確認するのが大切です。
相手が、本当に助けを必要としているときに、そっと行動に移せるのが、気遣いができる人と言えるでしょう。
スマートに気遣いができる人は、自分が相手にしてあげたいということよりも、そのときの相手の状況や気持ちを敏感に察知し、相手に必要な行動は何かを考えています。
自分がただやりたいという気持ちでした行動は自己満足でしかありません。
自分が満足するためにするのか、それとも相手が必要としているからするのかで、受け取る側にとって気遣いなのかおせっかいなのかが決まってしまうのです。
もしも、今回紹介したおせっかいの特徴に当てはまっていると感じた人は、今一度相手の気持ちに寄り添うようにすると、しだいに気遣い上手になれるでしょう。
Written by 久木田(くきた)みすづ