近年、「チラリズム」という言葉を聞きなれない世代も多いのではないでしょうか。
チラリズムとは、チラリと見える肌などに対するエロティシズムを表現する言葉として知られていますが、“見えそうで見えない”チラリズムによってもたらされるのは、男性に向けてのエロスだけではありません。
今回は、見えそうで見えないチラリズムの魅力について、男性ライターの視点を交えてご紹介します。
まずチラリズムというワードについて、その発祥元から紹介したいと思いますが、これはズバリ剣劇女優の浅香光代さんだと、ほぼ断定されています。
というのも、以前このチラリズムについての語源を調査した番組があったのですが、この際に浅香さん本人が自分が言い出したものであると言及しているんですよね。
1950年代頃の日本では、ストリップがブームとなっていましたが、この当時に浅香さんが舞台に取り入れたのが、チラリチラリと日本の奥ゆかしい部分のある剣劇でした。チラリズムの名付け親もまた、当然彼女になります。
筆者もテレビで浅香さんのこの発言を目の当たりにしたときは、ちょっと驚きました。
前述のように、チラリズムという言葉が誕生してから、既に半世紀以上が経過しています。ですので、さすがに古臭い印象がつきまとうようになっていますよね。
まあ、そんな人はいないかと思いますが、日常生活において「チラリズムが~」みたいなことを口にしていると、それだけでおばさん扱いされかねません。
ただ、この代わりになるようなワードもそう多くないのが実情。パイチラやパンチラなど、似たような言葉はありますが、これもまあ結構古い言葉です。この手のワードは意図的に口にしないようにすべきかもしれません。
男性目線で言っても、女性がこういう言葉を口にしていると「古っ!」と思ってしまいますし。
前の段落で「チラリズムはもう古い」みたいなことを書いておきながらも、テーマがチラリズムなので以降も仕方なくこのワードで話を広げたいと思います。
チラリズムというワードは古くても、その原理は未だに男性にとっては大きな刺激となり、女性にとって、これは武器のままです。だから意中の男性を落としたい場合には、活用するのも手でしょう。
従来どおり、ちょっと露出の多い服で攻めてみるだとか、サイズがちょっときつめの上着で谷間をアピールするとか、男性の目の届く範囲で足を組み替えるとか。やり方はいくらでもありますね。そしてそのどれもが、人並みに性欲のある男性には有効となります。
先ほど書いたような、男性の性欲に割とダイレクトに訴えるチラリズムって、厳密にはモテるためのテクニックというか、抱かれにいってるタイプのアクションですよね。
そういうの、嫌いな人も多いんじゃないでしょうか。そんな場合には、モテテクとしてのチラリズムを意識してみても悪くないかもしれません。
ちょっと頭を下げたときにうなじがチラッと見える。これだって立派なチラリズムですし、モテるためのポイントとして大きな力を持っています。
また、夏場などは綺麗にケアされたワキをチラッと見せるのも、やっぱりいい感じに作用するチラリズムになってくれることでしょう。直接的なエロとは関与が薄い場所のチラリズムを効果的に演出することは、男性の心を引き寄せる結果に通じます。
チラリズムは男性に対する武器としての効果は高いものです。が、さすがにどんな場合であっても有効とは限りません。場合によっては「そんなの見たくないわ」と男性から辟易(へきえき)されるケースもあります。
たとえば、もうあからさまに露骨なチラリズムを見せ付けるような女性は、下品な女性と見なされて警戒されます。それから、チラ見せするパーツのケアが不十分で汚い場合は「なんてもん見せてきやがるんだ」と男性の不興を買ってしまいますよね。
やりすぎないこと。そして清潔感を決して損なわないこと。これは浅香光代さんが舞台で演出していたチラリズムから、今も変わらない骨子(こっし)でしょう。
チラリズム。言葉はだいぶ古臭くなってきましたが、仕組みはまだまだ男性を手玉に取る際には有効に働いてくれるものです。
男性へのアプローチの手段があまり思い浮かばないという方で、もしもまだチラリズムで訴えるという手法を試していない方は、是非とも自分のレパートリーに加えてみてほしいところです。上手く使えば、それなりに効果を発揮してくれますし。
Written by 松本 ミゾレ