「エモい」は、感動・寂しさ・懐かしさなど、漠然としたいろいろな感情表現に使われます。古代には、これとほとんど同じ用法を持った「あはれ」ということばがありました。「いとあはれ」と言っていた昔の宮廷人は、今の時代に生まれたら、さしずめ「超エモい」と表現するはずです。(「今年の新語2016」選評より)
「エモい」は、現代の哀愁や感情の高ぶりを表す用語として使われていますが、「あはれ」も同じように寂しさや感動を表す言葉として使われていました。
近年「エモい」という言葉がブレイクしています。このフレーズ、一度は耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。しかし、様々な状況に対して「エモい」と返す若者の姿に「実際、どういう意味?」と戸惑う人がいるのも事実です。
そこで本記事では、分かりづらい若者言葉の意味について紹介していきます。「エモい」とはどういう意味なのか、どのように使うべきなのか、言い換え言葉はあるのか、徹底的に解剖していきます!
「エモい」とは、感情が動かされた時や、感情が高まって強く訴えかける状態を意味する「emotional(エモーショナル)」を略したものに、形容詞化する接続語「い」をつけたものと言われています。主に哀愁的でどこか切ない感情を表現する時に使うことが多いようです。
近年では、音楽ジャンルのひとつである「エモーショナル・ハードコア」、それに由来したファッションや写真、文章などの芸術に対して使うこともあるそうです。
三省堂「新語2016」 選考委員の飯間浩明さんが、エモいの類語として、古語の「あはれ」が似ているとの見解をTwitterで投稿し話題となりました。
「エモい」は、感動・寂しさ・懐かしさなど、漠然としたいろいろな感情表現に使われます。古代には、これとほとんど同じ用法を持った「あはれ」ということばがありました。「いとあはれ」と言っていた昔の宮廷人は、今の時代に生まれたら、さしずめ「超エモい」と表現するはずです。(「今年の新語2016」選評より)
「エモい」は、現代の哀愁や感情の高ぶりを表す用語として使われていますが、「あはれ」も同じように寂しさや感動を表す言葉として使われていました。
エモいの使い方は非常に簡単です。
たとえば、どこか感傷的でセンチメンタルな歌詞に対して「この歌詞エモいよね」と使ったり、感情の高ぶりによって書かれたコラムを読んで「このコラム、文章がエモくて好きだな」と使ったりします。
また、エモいという言葉自体が感覚的なものであるため「この文章なんかエモいかも?」と疑問形で使う若者も多いようですね。
エモいは「感動」や「哀愁」など色んな感情に対して使えることもあり、言葉で上手く気持ちを伝えられない時に非常に便利な言葉です。
ただ、どんな時でも使える便利さから「とりあえずエモいと言っておけばよい」と思っている人も少なくありません。また、SNSなどの若い世代でブームになった言葉であることから、団塊世代が無理をして使おうとすると「痛い」と思われてしまうことも……。
エモいという言葉は、多用しすぎると薄っぺらく感じられてしまいます。くれぐれも、流行だからと無理をして使うことのないように注意しましょう。
「エモい」と似たような意味合いで老若男女に通じる言葉には、「感情的」「心のありさま」「心模様」などがあります。
日本語には、心の内を表現するためのさまざまな言い回しがあります。どんな感情も「エモい」で済ませることのないように、感情を表す日本語を多く知ることが大切です。
気持ちを伝える時には、その微妙なニュアンスを意識することで、薄っぺらな感情にならずにアピールすることができます。
エモいとは、感情の高ぶりや哀愁などを表す新しい日本語表現で、「感情が高ぶっていて、でもこの気持ちを上手く伝えられない……」といった時に使うことが多いようです。
また最近では、エモいと呼ばれているファッションや芸術、アートも人気があります。2018年にブレイクした歌手のあいみょんさん、米津玄師さんなどもどこか哀愁漂うエモい歌詞やメロディーが人気です。
2019年も、ますますエモい音楽やファッション、芸術がヒットする可能性大! これからも、若者たちに人気のエモいカルチャーから目が離せません。
Written by みくまゆたん