男子が言う「癒される女子」というのは、何も「母性本能ダダ漏れの女子」のことじゃないんですよね。男性心理って、そんなに単純なものではないのです。
では、男子の言う「癒される」とは、一体どのような心的状態のことをいうのでしょうか?
男子が言う「癒される」というのは「自分のことをことさら良く見せようとしなくていい状態」のことを言います。
「この女子の前ではかっこつけなくて済む」とか「この子には隠し事なくホンネで何でも話せる」とか、そういう女子のことを「癒される女子」と男子は定義します。
冒頭に、男性心理ってそんなに単純なものじゃないです、と書きましたが、単純かもね。「かっこつけなくて済む=癒し」なのだから。
男子って、中高生くらいからずっと「女子の前でかっこつけないとモテない」と思ってきました。それはちょうど、女子が「女子らしく可愛くしないと男子にモテない」と思っているのと同じです。
男子は「かっこつけたい」、女子は「可愛くありたい」、こういう気持ちがもう強迫観念のようにずっと胸に存在し続けているわけです。そうですよね?
だから男子は常に「ホッとしたい」と思っています。「一緒にいたらホッとできる女子と仲良くなって、できれば付き合いたい」と思っています。
思っているどころか「渇望している」と言った方がいいのかもしれない。それくらい男子にとって「ホッとできる女子と巡り会えること」は、切実な思いなのです。
「ホッとしたい」と強く願うあまり、男子はお気に入りの女子の前でシャイネスを出してしまいます。つまり恥ずかしそうにしてしまいます。
恥ずかしさが真逆の極、つまり、ぶっきらぼうな態度になって出てしまう男子もいます。「俺はかっこいい男なんだ。男の中の男なんだ。女子に癒されたいなんて思っていないんだ」と虚勢を張るんですよね。
するとどうしても、虚勢で隠しきれない恥じらいが出ちゃうんです。だから女子から見たら「好きかどうか分からない曖昧な態度」に見えてしまって、「これって脈ありでしょうか?」という恋愛相談がたくさん出てくることになります。
あるいは「彼がなかなか告白してこないのですが、なぜでしょうか」という相談が生まれます。
恋愛上手の男子は上手くやります。「癒されたい」という気持ちを、女子の前で嫌味なくスッと出せたり、引っ込めたりできるんですよね。
サラっとした態度で女子に声をかけて、その爽やかな彼の言動に女子がコロッといっちゃって、付き合って……でそこからが彼の独壇場です。
彼は甘えん坊になります。そしてそういう彼のことを彼女は「可愛い」と言います。「かっこつけなくて済む彼女が欲しい」という男の思惑と、「かっこ可愛い彼氏が欲しい」という女子の思惑が見事に一致する瞬間です。
そういうカップルの彼氏は、例えば彼女に靴下を履かせてもらうそうです。一緒にお風呂に入ったら髪の毛を洗ってもらうそうです。うんと年上の男性も、髪の毛というものがまだあれば、髪の毛を洗ってもらうらしいです。
つまり、男女の出会い(恋愛の入り口)においては、「女子を包み込む余裕のある男」を見せて、恋愛の中に入ると(交際がスタートすると)甘えん坊になる――こういう男子もいます。
そしてそういう男子のことが好きな女子は、こういう男子にいとも簡単にハマってしまう。
女性心理として「彼氏のことを可愛いと思える交際がしたい」というのもある以上、「可愛いと言ってもらえる彼女と付き合いたい」と思っている男子がいて当然といえば当然で、「甘えてくる彼氏なんて絶対無理」と思っている女子には、きっと感覚的にさっぱり理解できないかもしれない話でしょう。
でも「かっこつけなくても済む彼女がほしい」と思っている男子って、きっとあなたが想像している以上に多いですよ。
ワイルドでかっこいい男子だって、「かっこつけなくても済む彼女がほしい」と思っているんだから。マジで。
Written by ひとみしょう