28歳という年齢は、女性にとってターニングポイントだと言われます。結婚適齢期でもあるし、仕事におけるキャリアを伸ばしていきたい女性にとっては、転職・昇格などを迷う年齢でもあるでしょう。
確かに、2013年の厚生労働省調べによると、女性の平均初婚年齢は29.3歳、第1子出産時の母の平均年齢は30.4歳というデータがあります。それらの数字を見ても、28歳は女性が自分の人生設計を立てる上で、どうしても悩みがちになる年齢なのです。
仕事を選ぶのか、恋と結婚を選ぶのか、あるいは、仕事を続けながら結婚をして子どもを産むのか?
正解なんてありません。どんな生き方をするかは、その人の自由です。
けれど、自分と他人を比べることで意地を張ったり、卑屈になったり、焦燥感や怠惰な気持ちから軽率な判断を下すのは、とても危険。四十手前になってから「こんなはずじゃなかった」と後悔してもやり直しはなかなかききません。
たとえば……周りはみんな結婚してしまって、何だか悔しい。売れ残ってみっともない思いをするくらいならバリバリのキャリアウーマンになってやる、とか。あるいは、仕事は大変だから、3食昼寝付きでラクそうな専業主婦になりたい、などという具合に。
キチンとした覚悟もなく、社会で男性と肩を並べてキャリアを積んでいこうとしても、多分つらいだけです。また、ラクだからという理由だけで専業主婦になれば、実際の家事育児の大変さにウンザリするはず。
5年後、10年後の自分を現実的に思い描きながら、真剣にライフプランを立ててみましょう。そうすれば最優先すべきものや、自分が願う本当の理想が見えてくるはずです。
たとえば、現時点で彼氏がいなくても、「絶対結婚して子どもを産む!」と決めたら、自分の希望を叶えるための方法を、現実的な視点で見つけましょう。
また、キャリアウーマンになりたいと願う場合も、女性が管理職や取締役になれる会社に身を置くことが重要です。もし、今在籍する職場が、女性の出世に否定的であれば、三十路を前にして最後の転職を覚悟しても良いのでは?
あるいは、独立・起業も28歳くらいになれば、現実的に考えられるようになり、夢物語では終わらないはずです。
流されて生きるのではなく、「自分の意志で人生をセルフプロデュースする」という覚悟を、28歳で固めることが大事だと思います。
安倍政権の成長戦略の柱には「女性の活躍推進」があり、2020年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を30%以上にすると目標を掲げています。
私の知人に、35歳で上場企業の取締役に就任した女性がいますが、ほぼ同時期に結婚したものの、立場上すぐに妊娠することはできず、彼女は自分なりにライフプランを練って37歳で出産しました。もちろん仕事は継続しています。
そして、恥ずかしながら私も職場では管理職に就いており、結婚と出産を経験しながらも会社員としての仕事を続けています。
今時は、仕事と結婚や出産を天秤にかけるべきではないかもしれません。決して楽ではないですが、“全部取り”することは可能です。総理大臣が後押ししてくれるのですから、覚悟と理想がかなう環境さえ手に入れれば、無理に何かを捨てる必要はないのです。