先日、なんとなく時代劇専門チャンネルを眺めていると、男女が逆転した世界の『大奥』という、「限定的にも程があるだろ」とつっこみたくなるような映画をやっていました。
することもなかったので最後まで観ていたんですが、あれですね。現実になかなかありえないことを、コメディタッチではなく、本気で描写されてると、だんだんキツくなってくるものなんですね。
それはさておき、男女の関係が逆転するということは、現実の世界においては、恋愛以外にはなかなか見当たりません。
どちらかと言えば、彼氏がデートの主導権を握っていたけど、性格が優柔不断だったので、いつからか彼女が段取りをするようになったとか。
口げんかがきっかけでそれまで彼氏を立てていた彼女が言葉つき鋭く言いくるめて、普段のパワーバランスが逆転したとか。そういう事例は、きっとどこにでも転がっているものなのでしょう。
今回は、恋愛をする上で、どうすれば男性と主導権を逆転できるのか。これについて、ちょっと考えていきましょう。
さきほど少し書きましたが、男性と女性が、恋愛をする上で、その立ち位置を交代させるということ自体は、そんなに珍しいものでもありません。
第一印象はしっかり者だった男性が、実は家事もろくにできないタイプだったけど、彼女ができた当初は見栄を張って誤魔化していたなんてことも、よくあることです。
こういう見栄っ張りが、最初こそ彼女とのデートで率先して予定を考えることはしばしばあること。しかし、だんだんとそのメッキもはがれて、本来のだらけた性格が表面化することになるのです。
そしてこのとき、彼女は「全くもう」と言いながら、本当は自堕落だった彼氏を、献身的にお世話をすることも、また珍しいことではありません。次第に関係そのものの主導権が、いつの間にか彼女が有するものに変化していたという事例を、筆者もよく知っています。
人間関係は流動的なものです。社会人ともなれば、プライバシーと仕事関係で一気に出会いのチャンスを得ることになります。学生時代までの自分と比較しても、実に多くの出会いを経るわけですね。
そしてその出会いは、大半が当人にとってはどうでもいいもの。なんなら何の影響も与えられず、自分もまた与えることのない、淡白なものばかりです。
大体5年か10年ぐらい経てば、社会人になってから出会った人たちなんて、「ああ、そんな人もいたな」ぐらいの希薄な思い出の存在になっているもの。
恋人という存在は、そんな希薄な出会いの積み重ねの中で、偶然発生したようなもの。だからこそ、比較的思い出にも残りやすいし、長く付き合うとお互いに色んな意味で共感をするようになります。
つまり、関係が全く変化しないまま交際しているわけではないのです。徐々にですが、お互いの考え方は変遷しますし、距離感や呼び名だって変わります。そういう関係を何年も維持していれば、恋愛の主導権なんてものは、いつの間にか変わっているもの。
無理に「明日にでも私が主導権を握りたい!」なんて焦る必要はないわけです。いずれ変わりたいと願えば、気付くと変わっているというのは、よくあること。
人は人間関係を用いて成長していくので、ある種時間の流れに身を任せてみるというのが、1番いい方法なのかもしれません。
Written by 松本ミゾレ