「女性は父親に似た男性を好きになる」そんな噂を耳にしたことがある女性も多いのでは? まだご存知ではない方のために説明すると、女性は本能的に“父親から感じた安心感”を彼に求める傾向にあるのだとか。
たしかに父親や男兄弟は、幼少期の頃から一番身近に感じる異性です。もしかしたら知らず知らずのうちに、「男性とはこういうもの」という異性のイメージを父親から養っているのかもしれませんね。
今回は、そんな親子関係が与える恋愛の影響について、こんな興味深い研究が発表されているのでご紹介します。
アルバータ大学のマシュー・ジョンソン准教授が行った調査で、「青年期の頃の父母との関係は、大人になったいまの恋愛関係に深い影響を与えている」という研究結果が『Journal of Marriage and Family』誌に掲載されました。
なんでも青年期の頃に親子関係が良好だと、大人になって付き合うパートナーとの関係も質が高い、という結果が出たのだそう。反対に、10代の頃に親子関係に問題を抱えていた人は、その後の恋愛関係でも問題を抱えているケースが多いこともわかったというのです。
これらの結果に対して、ジョンソン准教授いわく「親子関係における自分のあり方を、パートナーとの関係においても、良い方向でも悪い方向でも再現してしまう傾向がある」と説明。
「子どもは親の背中を見て育つ」とはよく言ったものですが。まさか小さい頃の親子関係の良し悪しが、大人になって付き合う恋人関係にも関係してくるとは、驚きの研究結果ですよね。
ほかにも、青年期の頃の親子関係が良好なほど、学生時代に高い自尊心を生むようで「自尊心が育まれる親子関係だった人は、恋愛関係も上手くいっているケースが多かった」という研究データも出ているのだとか。
こういうと「なら、私の恋愛が上手くいかないのは親のせい……?」と疑問を抱きがちですが、かといって自分の親にその責任を求めるのはお門違いのよう。
というのも、「両親との関係が上手くいかなかったことを理解し、今後の人間関係でそのパターンを繰り返さないことが、恋人との関係を良好にする秘訣になる」とジョンソン准教授は指摘します。
たしかに親子であれば、似て欲しくないところが似てしまう、なんてことはざら。親の悪いところが似てしまったと感じるなら、それを教訓にする姿勢が大切になりそうですね。
実際、筆者の知人・美紀子(仮名/28歳)さんも、ご両親とは不仲だったようですが、いま付き合っている彼氏との関係は良好だと話します。
「父親が癇癪持ちで、短気なところが似ちゃったんでしょうね……。思い通りにいかないと、つい戸やモノに当たってしまう私。これは良くないなと自覚してから、投げやりにならない程度に人にはあまり期待しないよう、考え方を改めました。おかげで同僚から『顔立ちが優しくなった』と言われることが増えましたよ」
親の悪いところを真似てしまうのは、ほとんどが無意識ゆえの行動です。付き合う彼にも同じことが当てはまりますが、いま恋人との関係に悩んでいる人は、これを機会に過去の親子関係から自分の恋愛観を見直してみてはいかがでしょうか。
【参考】
「恋愛がうまくいかない」原因は、親との関係?(ハフィントン・ポスト)