今まで恋愛に興味がなかったのですが、10歳年上の方に告白をされて人生で初の彼氏が出来ました。
モテた経験がなかったので自分に恋人ができてとても嬉しいのですが、彼に対して好きという感情はないと思います。
付き合うってどういうことなのか学べるいい機会と思って交際を続けているうちに、本当に好きかどうか知れる方法を知りたいです。
(25歳/女性(独身)/カフェ店員/東京都)
ご質問誠に有難うございます。
私の嫌いな言葉を1つご紹介させて頂きます。
それは「本当の友達さえいればいい」
「困った時に助けてくれるのが本当の友達で、そんな友達が二、三人いれば良い」というようなことを仰る方がいらっしゃいますが、私はこの言葉が嫌いです。
「本当の友達」という言葉の定義が曖昧なことも嫌いなのですが、それ以上に「本当じゃないものはいらない」と言っているかのような表現が嫌いなのです。
もちろん本当の友達がいるのであればそれは素晴らしいことでしょうが、だからと言って「そこそこの友達」や「それなりの友達」と言った「本当ではない友達」が不要ということにはなりません。
こちらが本気で困った時に助けてくれることはないにしても、会えば仲良く話すくらいの関係もまたそれはそれで貴重な存在なのです。
そもそも人間関係に本物も偽物も御座いません。そうではなくそれぞれが別の種類の本物の関係なのです。
「困った時に助けてくれるような友達」の本物。
「会えば楽しく話せるくらいの関係の友達」の本物
「一緒に旅行に行くくらいの関係の友達」の本物。
偽物など存在しません。どれもがそれぞれ別の種類の本物なのです。
これは食べ物で説明するとわかりやすいでしょう。
例えばお寿司。
かっぱ寿司と銀座久兵衛を比較すれば、それはまぁ恐らく久兵衛の方が高級なお寿司を提供してくれることでしょう。
しかしそれは久兵衛の方が高級というだけで、久兵衛の方が優れているという意味ではないのです。
少なくとも5歳の頃の私に「どっちに行きたい?」と聞いたら、かっぱ寿司に行きたいと答えることでしょう。
また手頃な値段で楽しめるという面でもかっぱ寿司が圧勝しています。
寿司を扱っているという点ではどちらも同じですが、その役割は同じではありません。
久兵衛は本物の高級寿司屋であり、かっぱ寿司は本物のファミリー寿司屋。
どちらもそれぞれの役割の本物であり、偽物など存在しないのです。
それでは今回のご質問に戻りましょう。
ご質問者様は「自分が本当に彼のことを愛しているのか確認する方法を知りたい」とお悩みのようですが、そもそも私は「本物」とか「本当」という言葉に固執することが良いことではないと考えています。
先ほどお寿司の話をさせて頂きましたが、本物とか本当という言葉にこだわる人は「本物にしか価値はないから、それ以外のものは食えたもんじゃねえ」みたいなことを言い出すのです。
しかし、世の中には本物しかありません。
久兵衛は本物の高級寿司屋であり、かっぱ寿司は本物のファミリー寿司屋なのです。
そしてそのどちらにも重要な役割が存在し、どちらの方が偉いとか凄いという話ではありません。
これは人間関係にも言えることでしょう。
何を持って「本物の友達」とか「本当に好き」と言っているのかは分かりませんが、仮にそのようなものが存在したとしても、それ以外の関係にも重要な役割は存在するのです。
「本当の友達」とか「本物の愛」というような言葉を使いたがる方は「本物ではないから無価値だ」という意見になりがちですが、それは非常に危険な考えに他なりません。
深い友達には深い友達の役割があり、浅い友達には浅い友達の役割がある。
100点の関係ではないから、それは偽物であるなんて断罪していたら、最後にたどり着くのは一人ぼっちです。
ですので、彼との関係を考えるのであれば、この恋が本物かどうかなどと考えるのではなく、もっとシンプルに自分が相手と一緒にいたいかどうかと考えると良いでしょう。
一緒にいたいと思うのであれば、それは「何かしらの本物の好き」でしょうし、いたいと思わないのであれば、それは「何かしらの本物の嫌い」で御座います。
相手と一緒にいたいのであれば、一緒にいれば良いですし、
相手ともう一緒にいたくないのであれば、別れてしまえば良いのです。
「一緒にいたいけど、これは本物の恋ではないんじゃないか?」なんて悩む必要はないのです。
それは「一緒にいたい」という形の本物の恋。
全ての恋は本物であり、偽物の恋なんて存在しないのです。
Written by ラブホスタッフ 上野