「ジェンダーレス系男子」や「ビューティー系YouTuber」というようにメイクをする男性が女性から人気を集めるようになってきて、メイクに関心ある男性も増えてきていますよね。
そこで今回は日本で唯一のメンズメイク専門サロン「イケメン製作所」とはどんなところなのか? iVERY編集部としてインタビューをしてきました!
1. 「男性メイク」という新たなジャンルはどのようなものなのか
編集部 男性メイクに流行りはありますか?
社長 流行はないけれど、顔の流行はあります。今はちょっと無造作眉毛ですね。大学生が就職活動をするなら純朴そうなメイクで、フレッシュ感を出すためには目と眉の間を少し離してあげる。逆にこなれ感を出すときは目と眉の間を近づけてあげる。ビジネスマンは目力を強くしてあげるなどですね。
編集部 メイクも全然違いますね!
社長 AI分析でお客様の顔や眉、目など数値を取り、眉の長さ角度高さ、目の長さ角度高さをお手本とどれぐらい違っているのかを数値で出します。眉が2mm違うんだな、ここは3mm下げればいいんだ、ということをメイクで行うだけなんです。
編集部 すごい! AIが備わっているんですね。
社長 もちろんぴったり一致はしないですが、結構印象は変わります。例えばこの方は丸顔なので縦感を出したいと考え、髭の上半分を剃り、顔の下に寄せました。重心を下げた結果、目の錯覚で顔が縦長に見えるんです。
編集部 このメイクで街コンに参加していただきたいです!
社長 この方、42歳なんです。
編集部 えぇ! 絶対にモテますよ! 街コンの参加者女性から「仮に一緒に仕事をしていたら仕事をする姿がわかるけど、休日の姿だけを見るとピンとこない。」という声もよく聞きます。
社長 やっぱり第一印象がめちゃくちゃ重要です。あか抜けているとか仕事が出来そうなのかなど、何が違っているのかは全部こうやって比較して見ることができます。
編集部 すごい! こんなに変わるとは思わなかったです!
社長 やはり眉が重要で、これ眉毛メイクしているんですが、してる感じがないと思いませんか?
編集部 全然わかりません!
社長 下に眉毛を近づけなければいけないので上は取るんです。
編集部 ホリが深く感じます。
社長 この方はテレビの名物ディレクターさんで42歳独身をイケメンにできるかという企画でした。
編集部 大成功ですね、全然違います! 街コンに参加される男性にも是非メイクでこんなにも変わることを知ってほしいです!
2. 自身の経験とニーズを掛け合わせたことから始まった新たな挑戦
社長 「男は見た目じゃない」という人は逃げています。やれることを努力してほしい。私自身前職はマーケティングの仕事をしていました。クライアントへのプレゼン準備で最後にすることは、自分の見た目を綺麗にすることでした。
連日連夜のプレゼン準備でくたくたになっていた見た目を綺麗にするためにメイクをし、髪を整えてからプレゼンへ向かいました。スーツも新調しフレグランスもしっかり選びプレゼンする前から勝負は始まっていると思うんです。
もちろん100%それでプレゼンが通るわけではないですが、くたくたの体とスーツで行くよりも通る確率が上がると思うんです。マーケティングは確率論だと思っているので、少しでも確率が上がるのならば確率の高いものを掛け合わせていくことで理論上勝ちやすくなるはず。
だから靴を綺麗にし、爪を切り見た目を整え、自分をきちんとマーケティングしていました。プレゼン当日も準備として心と体をリフレッシュしてから臨んでいました。だから、ビジネスマンがきちんと自分をマーケティングするのであれば行きつく先は「メイク」だと思うんです。
編集部 準備することが沢山あるんですね。
社長 街コンに参加される男性が何も準備をしなければ、女性に声をかけられなくても別にいいじゃないかとあきらめてしまうと思うんです。でもメイクをしてきちんとすると立ち振る舞いが変化します。
見た目が変わればちょっと勇気が湧き、誰にも声をかけられなかった人が声をかけられるようになって確率も上がるはずです。だから気持ちのスイッチを入れるためにメイクをしてほしい。
ビジネスマンにとってメイクはルーティーンだと思っていて、仕事の前にプレゼンの前にルーティーンをして気持ちを落ち着かせてから行くことで確率を上げる。僕らは常にこのようなことをコンセプトとして行っています。みなさんにメイクをお伝えして、実際にご自身でメイクをしてもらっています。お客様にはメイクだけをするために来店される方と、メイクを習いに来店されるパターンがあります。
編集部 例えば今日これからの面接のために来店される方もいるんですか?
社長 もちろんいらっしゃいます。大学生がメイクを教えてほしいと来たりしますよ。
編集部 お父さんに聞いても教えてもらえないですよね。
社長 もちろんお母さんにも聞けませんし、女性の友達に聞くのも抵抗があると思います。ネットでメイク道具を買っても失敗してしまう。だからといってデパートに行って店員さんに話を聞いてメイクをしたいと言ってもほぼ女性しかいないので気恥ずかしいですよね。だからお店にはいろんなファンデーションやコンシーラーを揃えていて、試着ルームを設けているんです。
編集部 試着ルームとは?
社長 はい、お客様がこれからメイクをする時に、多くのメーカーのファンデーションやコンシーラーを試してもらえる場所です。フィッティング後、気に入ったならそのままネットで購入してもらえれば、購入時の対面のわずらわしさもなく、更に無駄な費用もかからなくて済みます。
編集部 試着ルームがなかったらどこで合わせるのだろうと思ってしまいますね!
社長 Youtubeのメイクチャンネルの見様見真似でメイク道具をネットで購入して、色が自分の肌に合わないことに気が付かずに他人から「何塗ってるの?」と言われたら二度とメイクをしないと思いませんか? それか、たまたまぴったりいろがハマるかというのが現状だと思います。
編集部 自分で合っているかどうかの判断はできないですよね。
社長 実は女性にもこのニーズがあると思っているんです。目指す顔があって今の自分がある。どこがどう違うのかを指摘してもらい、例えば眉の形や書き方、自分に合う下地はどのような色なのか、肌に合う化粧水はどのようなものなのか、自分が一番知っていそうで実は知らないんです。
編集部 そこまで考えていませんでした。朝眠い目をこすりパタパタしていただけです。
社長 僕が男なので男性の気持ちに特化した事業を立ち上げてもうすぐ三年目になります。
編集部 始めたきっかけは前職のプレゼン準備の経験からですか?
社長 実は以前美容整形業界にいまして、でも整形は敷居が高いですよね。しかも男性の整形は限られたジャンルしかありません。例えば髪のこととか。そんな中でかっこよく美容整形を使ってもらうにはどうしたらいいかと考え、「ひげ脱毛」に特化しようと考えたのです。
それでもかっこよくなりたいという人は、ほんの一部の方しかおらず、更に費用がかかるためそう思う方になかなか出会うことができませんでした。そこで脱毛の前にできることがあるはずだと思い、美容院以上美容クリニック未満のこの事業を立ち上げました。
3. メンズメイク~男性が美容を気にする重要性~
手塚社長とのお話の中で言葉に強さを感じた「自分をマーケティング」という言葉。人は自分のことは自分が一番理解しわかっていると思いがちですが、人からの見られ方については自分が一番わかっていないのかもしれませんね。そしてその部分をはっきり明確にしてくれるのがこの「イケメン製作所」だということもわかりまました。
できる男こそ清潔に美しく仕事もプライベートもこなせることこそがこれからの男性に見る理想像なのかもしれません。手塚社長もおっしゃっていた「見た目が変われば立ち振る舞いも変わる」というように、見た目の変化が心の変化にも繋がることはみなさんにも経験があるかと思います。
男性がメイクをすることで見えてくる未来は仕事にもプライベートにも成功の確率を上げることだとイケメン製作所は教えてくれます。男性は背中ではなく顔で物を言う時代に既になったのかもしれません。皆さんもぜひ一度メンズメイクを体験してみてはどうでしょうか?