「人生に妥協はつきもの」とよく言いますが、本当でしょうか?
「妥協」という言葉を聞くとネガティブなイメージを持ってしまいがちですが、よりよい人生を歩むために適切な形で妥協をすることは必要です。
この記事を通じて、人生における妥協について考えていきましょう。
1. そもそも妥協の意味とは?
誰しも、自分が思い描いた通りの理想の人生を歩みたいと考えているはずです。しかし、現実はそう簡単ではありません。
生まれてから死ぬまで、全てのことを自分の理想通りにコントロールできる人など、世の中にどこにもいないのです。
「人生に妥協はつきもの」とよく言いますが、そもそも「妥協」とは異なる考え方や意見が衝突した時に折り合いをつけて、両者の中間地点を見つけることを意味します。
2. 悪いイメージを持たれがちだが実際のところは?
「妥協する」と言う言葉からは、「現実に屈して理想を捨ててしまった」という悪いイメージをもってしまいがちですよね。
確かに、「結婚相手を妥協して選んだ」と聞くと「この人は本当はたいして好きでもない人と結婚して、あまり幸せではない結婚生活を過ごしているのだろう」と思ってしまうでしょう。
ですが、妥協は必ずしもネガティブなものではありません。
実現不可能な理想を抱き続けるよりも、現実をきちんと直視して妥協をすることで、結果的にはより幸せになれることも多いのです。
3. 妥協の言い換え例
「一度きりの自分の人生だから、妥協することなく理想を追い続けていきたい」と考えている人も多いことでしょう。
ですが、あまりにも過剰に夢を抱いてしまうと、かえって生きづらさを感じてしまうこともあるでしょう。
妥協することは、決して悪いことではないのです。
ここからは、「妥協」という言葉を他の表現で言い換えるとどうなるかチェックしていきましょう。
譲歩する
「妥協」という言葉を他の表現で言い換えた場合、たとえば「譲歩する」というフレーズが挙げられるでしょう。
譲歩するとは、望んでいた結果や選択肢にたどり着くことができないと分かったために、本来の目的や到達地点・要求などを少し変えることを意味する表現です。
たとえば誰かと意見が衝突した時に、お互いに少しずつ譲り合って、二人とも納得できる中間地点を見つけることを「譲歩する」と表現します。
折り合いをつける
「折り合いをつける」というフレーズも「妥協する」という言葉と同じ意味合いで使われる表現のひとつとして挙げられます。
「折り合いをつける」とは、価値観や考え方・要求などが相反するものだった場合に、お互いに妥協できる点を見つけることを意味する表現です。
たとえば、現実と理想が合致せずに妥協点を見つける場合にも「折り合いをつける」と言います。
4. 妥協との付き合い方の例10選
「できるならば妥協せずに、自分の思い描いた理想を体現して生きていきたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?
ですが、理想や夢だけを追い続けるのはとてもつらいことです。努力すればある程度実現できることもありますが、どう頑張っても理想を実現できないことも少なくありません。
ここからは、妥協との付き合い方の例についてご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
妥協との付き合い方の例1:恋愛における妥協
妥協との付き合い方の例としてまず挙げられるのが、恋愛についてです。
まだ恋愛をしたことがない10代前半のころは、「おとぎ話に出てくるような白馬に乗った王子様に求婚されたい」と夢を抱いていた女性も多いのではないでしょうか?
ですが、実際に男性とお付き合いをしてみると、自分の思い描いていた理想が現実では実現できないことに気づくはず。
「それなりに幸せならば、恋愛は理想通りでなくてもよい」と妥協する人がほとんどです。
妥協との付き合い方の例2:結婚における妥協
理想的な結婚相手が現れることが嬉しいですが、なかなかそう上手くいかないのが現実です。
「高身長・高学歴・高収入の男性としか結婚したくない」と思っていても、理想通りの男性にプロポーズしてもらえず、結局は条件を下げて結婚相手を探す人も多いでしょう。
年収や学歴などの条件を下げてもそれなりに幸せな結婚生活は送れますが、相手の内面に関して妥協をしてしまうと結婚生活が失敗しやすいので注意が必要です。
妥協との付き合い方の例3:就活における妥協
就職活動で四苦八苦している学生さんも多いのではないでしょうか?
就職活動をはじめるまでは、「新卒でも高い年収をもらえる大手企業にしか就職したくない」「外資系企業一本で就活をしていく」と考えていた人も少なくないはず。
ですが、実際に就職活動をはじめていると自分の予想以上にハードで、本命企業からは不採用通知ばかり届くことも。
そうなると、「妥協して、自分が入りたい企業よりも自分を採用してくれる企業を優先しよう」と考えるようになるでしょう。
妥協との付き合い方の例4:仕事における妥協
仕事に関しても、妥協することは多いはずです。10代の頃や就活時に「この職業に就きたい」と思っていても、その夢を実現できる人は多くありませんよね。
たとえ自分の夢だった職業に就けたとしても、楽しいことばかりではありません。
最初は自分の希望するような仕事を与えてもらえず、下働きをさせられることも多いですし、「思っていたのと違った」と感じることも少なくないはず。
そのような現実に打ちのめされながらも、「生活のために仕事をしなければ」と現実と折り合いをつけていくものなのです。
妥協との付き合い方の例5:人間関係における妥協
人間関係についても妥協はつきものですよね。
自分の心でさえ思う通りにコントロールできないのですから、他人の心や行動を思い通りにコントロールするのは絶対に不可能なのです。
最初は気の合う相手だと思っていても、付き合いが長くなるうちに違和感を覚えたり、信頼していた人にひどく裏切られることもあるでしょう。
そうした辛い経験を経ることで、私たちは人間関係で妥協することを学んでいくのです。
妥協との付き合い方の例6:理想の追及における妥協
理想を追い求めるにあたっても、私たちは何らかの妥協をしなければならないものです。
思い描く理想が夢見がちであればあるほど、現実世界でそれを完璧に実現するのは不可能になります。
小さい頃から抱いていた理想を実現できないことに気づくと、一時的にショックを受けたり自暴自棄に陥ってしまうこともあるでしょう。
ですが、そのような経験をすることで、理想と現実との間に折り合いをつけていくのです。
妥協との付き合い方の例7:人生の岐路における妥協
妥協との付き合い方の例としてご紹介したいのが、人生の岐路における妥協です。生きていく上で、さまざまな人生の岐路に直面するでしょう。
たとえばいつ誰と結婚するのか、海外赴任の話を受けるかどうか、子供を産むかどうかといったことが、一般的な人生の岐路として挙げられます。
理想を追求して非現実的な選択肢を選ぶよりも、より現実的で生活が安定した無難な選択肢を妥協して選ぶ人も多いはずです。
妥協との付き合い方の例8:家族との関係における妥協
家族との関係に関しても、妥協をすることは少なくないですよね。
絵本の中に登場するような、常に幸せでお互いに深く愛し合っている理想の家族像を体現するのはとても難しいことです。
結婚当初は愛し合う夫婦であっても、結婚生活が長くなったり子供が生まれたりすることで関係性は変化していきます。
また、子供が思春期に入ると親子関係が悪化することもあるでしょう。
「家族関係が常に上手くいくとは限らない」と悟ることで、よりよい家族になれるはずです。
妥協との付き合い方の例9:自己実現に関する妥協
妥協との付き合い方の例のひとつとして、自己実現に関するものも挙げられます。
自己実現とは、「こんな自分になりたい」という自分なりの夢や目標を実現することです。
若い頃は将来についてさまざまな夢を描いていた人であっても、社会に出てさまざまな人と出会い、多くの経験を積むことで、完璧な自己実現はできないものだと悟るでしょう。
そして、「自分の努力でできる範囲内で自己実現を達成しよう」と考えを切り替えていくのです。
妥協との付き合い方の例10:子供に関する妥協
子供に関しても、妥協はつきものです。
自分の産んだ子供であっても、全てをコントロールすることはできません。
育児をする中で、子供が自分の思い通りにいかずにストレスを溜めたり、感情的になることも多いでしょう。
そうした経験を経て、多くの親は「子供を100パーセントコントロールしようとするのはやめよう」と考え、子供の自立性を認めていくのです。
5. 妥協は悪いことだけではない
以上では、人生における妥協との付き合い方の事例を10個ピックアップしてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
「妥協」という言葉を聞くと嫌なイメージを抱いてしまいやすいものですが、必ずしも妥協は悪いものではありません。
妥協とは、夢見がちな自分を現実に適合させるプロセスでもあるのです。正しい方法で妥協することで、よりよい人生を歩めることも多いでしょう。
ときには妥協も必要?
「ときには妥協も必要だ」という言葉をよく耳にしますが、これは果たして本当なのでしょうか?結論から言えば、ケースバイケースです。
自分が努力すれば実現できる事柄であれば、妥協せずに初志貫徹で目標を追い続けたほうがよいでしょう。
ですが、自分がどんなに頑張ってもコントロールできない事柄であれば、目標を変えて、中間地点を見つけたほうがベターなのです。
妥協する癖がつかないように気をつけよう
妥協することで人生や人間関係が好転することも少なくありません。ですが、安易に妥協するのは考えものです。
「現実と向き合って妥協した」と思い込んでいるだけであって、実際には努力をするのが嫌で、現実逃避の一環として楽な道のりを選んでしまっていることもあります。
どうしても譲れないことは譲らないようにすること、安易に妥協する癖をつけないようにすることが大切でしょう。
6. 妥協について考えてうまく付き合っていこう
今回は「妥協は人生に必要なの?」という問いをテーマに、恋愛や結婚、人間関係や仕事などにおける妥協との付き合い方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
自分の思い通りに全てをコントロールできる人など、どこにもいません。
独裁者や大金持ち・権力者であっても、妥協を迫られることは多いのです。
適切な形で、また適切なタイミングで妥協できるようになれば、人生はより生きやすいものになるでしょう。