こんにちは、トイアンナです。私が婚活相談を伺うようになったのは、2014年ごろ。それから現在にいたるまで、めまぐるしい「婚活男女の変化」を感じてきました。
今、婚活をしている人は圧倒的に「選ぶ立場」でのみ、相手を探す傾向があるのです。
1. 「ハイスペと出会いたい」と願うのは当然?
たとえば、最近お受けした婚活相談は、こういうものでした。
「私は年収300万円なので、相手の年収は600万円以上がいい。自分が産休・育休で仕事ができない間でも暮らしていくには、これくらいの年収がないと厳しいから。自分の実家の側に住んでほしい。あと、最低限のデートマナーができない人は無理。エスカレーターで下側に立たせるとか……」
「私は45歳で、相手は20代がいい。譲っても35歳まで。子どもがほしいので。年収が安定しないので、嫁には安定したところで一生働いてほしい。家事は手伝うことならできるけれど、気が利く奥さんがいい。親の老後もあるし……」
いずれも、SNSに投稿されれば烈火のごとく大炎上しそうな言葉たち。ですが、これらを堂々と相談してくる人が増えた。それがこの数年のトレンドです。
男女問わず、ハイスペ(ック)な人に出会いたい。その相手から自分が選ばれるかどうかは、考えなくていい。そんな風潮が生まれています。
2. ハイスペとの出会いを当然と思わせたマッチングアプリのワナ
では、何がいったい、婚活男女を狂わせたのでしょうか。答えはマッチングアプリにあると、私は見ています。
この数年で変わったもの。それは、婚活に「マッチングアプリ」が登場したことです。エウレカがマッチングアプリ「Pairs」をリリースしたのが2012年。それから婚活でマッチングアプリを使う人は爆発的に増加しました。
マッチングアプリのおかげで、これまで出会いにハードルを感じていた方が多数結婚できました。したがって、マッチングアプリ=悪ではありません。むしろ、コロナ下では出会いの救世主とすら言えるでしょう。
しかし、マッチングアプリでずらりと並ぶ異性の候補に「私って/俺って、こんなに選べる立場なんだ」と思わせてしまった側面も否めません。
3. 婚活男女が希望する出会いの条件は基本ハイスペ狙い
私ですらそうです。シングルになってから、Pairs、タップル、Tinderなどさまざまなマッチングアプリを試してみました。
そこで目に入る相手は、ステータスも顔も素敵な人たちばかり。なにせ、マッチングアプリでは遊び目的で参加する人もいますし、経歴に嘘を書いても、顔写真を鬼加工してもいいのですから当然です。
マッチングアプリで「いいね!」をくれる人=自分と結婚しても差し支えないと思っている人、ではありません。
でも、マッチングアプリを使っていると「とりあえず、いいねしてくれた人」と「私が結婚できそうな相手のレベル」を取り違えそうになります。
マッチングアプリは甘い誘惑がすぎる…… というわけで、私は一度アプリをお休みしています。
もし、これを見てドキっとした方がいらしたら、自分が相手に願う条件と一緒に「自分が選ばれる理由」も考えてみませんか。
考えると落ち込むんですけど……。でも、それがリアルです。出会いの条件にハイスペをつい想定してしまうのは、悪いことではありません。
ですが、もしそれで6ヶ月以上婚活難民になっているのなら……。条件を見直す時期が来ていると、考えてみてほしいのです。