「こんな彼氏がほしい!」「少女漫画みたいな恋がしてみたい」そんな、人には言えない乙女の欲望、お持ちではないですか?
今回は女の子向け恋愛ゲーム(通称乙女ゲーム)好きのわたしによる、妄想ラブラブエピソードをお送りします!
乙女ゲームにはさまざまなタイプの男性が存在しますが、今回は「ツンデレ系」と「王子系」をピックアップ。
「こういうシチュエーションいいな~」「わたしだったら別のタイプがいい!」など、各自妄想を膨らませながらお楽しみください♡
ツンデレ彼氏は遊園地がお嫌い
「遊園地行きたい!」
「やだよ」
この不毛なやり取りを重ねた結果、結局彼からのOKはもらえなかった。つき合い始めて3ヶ月の恋人は、いわゆるツンデレ系。……というか、ほとんどデレがなくて、彼って本当にわたしのこと好きなのかな??と、最近ではすっかり自信をなくしてしまってる。
わたしは会えるだけでもうれしいけど、たまにはデートっぽいデートだってしてみたい。というのが、本音なわけで。そうは思っても強く言えないのは、たぶん、彼がわたしのことを好きでいてくれてる自信がないから。
デート当日、時間ぴったりにやってきた彼。いつものようにニコリともせずに「じゃ行くか」と言って歩きだす。
「どこへ行くの?」
と聞いたわたしのことを、ちらりと振り返ると、照れたように言う。
「遊園地、行きたいんだろ?」
そのままパッと手をにぎられる。いつもよりちょっぴり高めの体温がじんわりと伝わってきて、なんだかこちらまで熱くなる。
「一緒に行ってくれるの?」
「行きたいって、おまえが言ったんだろ」
「そうだけど……ふふ」
なんだよ、と彼のとんがった声が聞こえても、全然気にならない。まさか彼が、わたしと一緒に遊園地に行ってくれるなんて。それはつまり、もしかしなくてもわたしのため、なんだよね?抑えようと思っても、つい顔がゆるんでしまう。
遊園地に着くと、わたしの「あれ乗りたい!」に彼は「しょうがねえなあ」と言いながらつき合ってくれた。でも最後の観覧車だけは、なかなか「うん」と言ってくれない。……でも結局、いま二人で乗っている。
ガタンガタンと揺れながら、見下ろす景色が少しずつ小さくなっていく。メリーゴーラウンドも、ジェットコースターも、おもちゃみたいだ。「高いね」と声をかけてみたけれど、向かいに座った彼は口元を手でおさえ、ひと言も喋らない。
(怒ってるのかな?)
不安になってそばにいくと、無言のままぎゅっと手をにぎられた。えっ?と思うがいなや、そのまま彼がわたしの肩に顔をうずめる。
「どうし……たの?」
こんなのはじめて。どうしちゃったの?どうすればいいの?慌てていると、彼がうるんだ瞳で見上げる。その表情が、ドキッとするほど色っぽい。
「高いところ、ダメなんだよ……」
「えっ」
「だからイヤだったの。マジむり。ちょっとこうしてて」
泣きそうなくらいか細い声で言ってから、そのままぎゅうっとわたしを抱きしめる。男性の色気を感じたと思ったら、つぎはまるで小さな子どもみたいに愛らしい。
なにこれ。ちょっと、かわいすぎない?この人かわいすぎない??そんなにイヤだったのに、遊園地に来てくれたの?わたしが行きたいって言ったから?
いつもツンとしてる彼が初めて見せた弱み。彼のこんな姿を知っているのは、きっとわたしだけ。そうであってほしいと願いながら、観覧車はゆっくりと地上に向かう。
もう少しだけ。あともう少しだけ、彼をこうして抱きしめていたいから。時間よ、お願い。今だけゆっくり流れてください。
王子様の見せたヤキモチ
わたしの彼氏は、はっきり言ってかっこいい。しかも優しいし、大人だ。今まで、怒ったり取り乱したりした姿を見たことがない。
当然だけど、モテる。我ながら、どうして彼女になれたのか不思議なくらい……というか、あまり考えたくはないけれど、単に断ることができなかったんじゃないかって、ときどき不安になる。
彼はみんなの王子様だから、女の子を傷つけることなんてできなくて、だからOKしてくれただけなんじゃないの?って。
最初は、それでもいいと思ってた。みんなの王子様を、わたしの彼氏にできたんだから。でも……
(やっぱり、女の子達と仲よさげに話してるのを見るのはツライものがあるなぁ)
彼とわたしがつき合っていることは、まわりには内緒だ。彼のファンから、わたしが嫌がらせを受けないで済むように……という、彼なりの配慮だったのだけど。
(本当は、単にわたしが特別な女の子じゃないってだけなのかもしれない)
はあ、とため息がもれたとき、ふいに「おい」と声をかけられた。振り返ると、幼馴染のケンジが立っている。
「なに、どうしたの?」
「ちょっと来て」
手首をつかまれ、そのまま人気のない場所まで連れてこられた。ケンジとは子どもの頃から一緒にバカばっかりやって、くだらないことに笑いあって……そんなケンジが、今はやけに真剣な顔をしてこっちを見つめている。
(なんか、変な雰囲気……)
居たたまれなくて黙っていると、ケンジが口を開く。
「おまえ、あいつはやめとけよ」
「は?いきなりなに」
「遊ばれてるだけだって、わかんないのかよ」
一気に頭に血がのぼる。顔が赤くなるのがわかった。こいつ、彼氏のことを言ってるんだ。
言い返したいのに、とっさに言葉がうまく出てこない。「違う!」って言えない。それはたぶん、心のどこかでわたしもそう感じていたからなんだと思う。
言い返せずにいると、そのまま壁際まで追い詰められる。
(これが噂の壁ドン!)
なんてバカなこと考えてる場合じゃない。なにこの、絶体絶命的なシチュエーションは!
「俺にしとけよ」
「は?」
「ずっと、おまえが好きだった」
「ちょ」
ちょっと待って。冗談でしょ。とは、とても言えなかった。目の前の顔を見れば、それが冗談かどうかなんてすぐにわかる。初めて見る、幼馴染の「男」の顔。ほんの少しだけ心が動きそうになった――そのとき。
「ぼくの彼女を離してくれないか」
王子……じゃない、彼の鋭い声が飛んできた。見たこともないような、険しい顔。心なしか、息も荒い。
(もしかして、走ってきたの?)
彼とケンジが言い争っているのを、どこか他人事のようにぼんやりと眺める。会話はよく聞こえない、頭が働かない。
あの二人、なにしてんだろ。この状況、なんなんだろ。
やがてケンジが帰っていくと、その場には彼とわたしだけが残る。彼の顔には、いつもの笑顔も余裕もない。
「どうしてここに来たの?」
純粋な疑問を口にすると、彼は一瞬言いにくそうに下を向いて、それからまっすぐにわたしの方を見つめる。
「二人でどこかに行くのが見えて、急いで追ってきたんだ。二人が幼馴染で、仲がいいことは知ってたけど、なんだか変な雰囲気だったから。彼がきみのことを女の子として好きなのはなんとなく気づいてたし、きみを取られてしまいそうで……怖かったから」
ケンジの気持ち、わたしは全然知らなかった。彼がそこまでわたしのことを気にかけてくれていることも、知らなかった。なんだか胸がいっぱいで、うまく言葉が出てこない。
すると彼が距離を詰めてきて、壁にとん、と手をついた。
「きみとのことを黙っていたのは、他の女の子達から守るためだったけど……こんなことになるなら、もっと早く発表しておけばよかったな」
彼の顔が近い。正真正銘の壁ドン状態に、心臓がバクバクと高鳴る。
「な、なにを?」
彼がわたしの髪をふわりと撫でる。いつもの王子様スマイルともどこか違う、やわらかい表情に、心臓をぎゅっとわしづかみにされる。
「きみがぼくだけのお姫様だってこと」
そのまま手の甲にキスをする。それはまるで、王子様がお姫様に永遠の愛を誓う、おとぎ話のワンシーンのようだった。
おわりに
乙女ゲームが大好きなわたし。キャラクターの中には現実にいそうなタイプもいれば、「こんなのありえないでしょ!」というタイプもいます。二次元ならキュンとできても、リアルだとどうだろう……というエピソードもありますね。
ですが妄想でときめきの補充をする場合、リアリティはこの際ちょっと置いておいてもOK!
妄想でもなんでも、そこにたしかなときめきを感じられると、「恋愛したい気持ち」がむくむくと湧いてきます。スポーツでも、イメージトレーニングってありますよね。あんな感じで常にイメージを膨らませておくことが、リアルの恋愛でも大切です。
だから「最近、恋愛とかときめきとはごぶさただな……」という女の子は、ぜひラブラブなイメージを心の中で膨らませてみてください!恋愛感度を高めて、チャンスがやってきたときにはもれなくキャッチできるように準備しておきましょう♡