ボルダリング、楽しんでますかー?
何度か通うと、最初の頃はスイスイとクリアできていた課題が、徐々に行き詰まってくるかもしれません。5級程度であれば、練習すれば誰でも登れます。しかし、正しい登り方でなければ、特に女性は、攻略に時間がかかるかもしれません。
基本的なレッスンを受けていなかったり、教えてくれる人が周りにいないと、正しいムーブを知ることすらできませんよね。
この記事では、「ボルダリングの5級難しい……!」と感じている人に向けて、ムーブと体重移動の基本的な話、そしてボルダリングに役立つ体の柔軟性を高めるためのストレッチ法をご紹介します。
ボルダリング5級を登るための基本ムーブ
ボルダリングの基本動作はハシゴを登る動きと同じようなものです。上級になるにつれ、細かい動きの技が必要になります。それが「ムーブ」です。ここでは、最も基本的な動き方のコツをご紹介します。
ボルダリングを初めて間もない人でも、簡単に実践できるので、ぜひ試してみてください。
腕をしっかり伸ばす
腕はできるだけ伸ばしましょう。腕の疲労を抑えるだけではなく、動きやすくなるというメリットもあります。
例えば、少し遠目の位置にあるホールドを取りたいとき、体を極力壁に惹きつける必要がありますよね。腕を伸ばしていれば、体を壁に引き寄せる力が最大化され、少ない力で勢いよく壁に近づけます。膝や足も同時に伸ばすことで、距離が出ますよ。
5級くらいだと、まだ壁に対しての恐怖心も拭い切れていないかもしれません。恐怖を感じると腕に力を入れて壁にしがみつこうとしてしまうのですが、それでは疲労が溜まってしまうほか、ムーブも繰り出しづらくなります。
体を壁にぴったりつけようとしない
腕を伸ばすことで、懐に余裕ができ、足を動かすのも楽になります。足元のホールドが見えやすくなるので、踏み間違えや踏み外しも軽減されるでしょう。足の入れ替え等でてこずっている人は、懐を開けることを意識してみてはいかがでしょうか。
この時、重心は下の方にあります。両足にグッと体重をのせ、お尻も下に下がっているイメージです。肘を伸ばし、力まずに、余裕を持ってムーブを繰り出してみてください。
つま先でホールドに立つ
ホールドに立つときは、どのような足裏の使い方をしていますか?
6級までの課題は、大きくて滑り止めも効いた乗りやすいホールドが多かったかもしれませんが、5級からは少し乗りづらいホールドも登場します。1センチにも満たない薄さのホールドに乗ったり、ツルツルのホールドに乗ったり。
足元が安定しないと、恐怖心も増してしまい、思い切ったトライができないこともあるかもしれません。
そんなときは、つま先でホールドに乗ることを意識して見ましょう。6級までは、土踏まずを使おうが、小指で乗ろうが、クリアできた課題もあったかもしれませんが、5級以上の課題では、つま先で乗るというムーブは基本となります。
また、ホールドにしっかりと乗れて入れば、腕への負担も軽減されます。
足の乗せ替え
足の乗せ替えをしないと次のホールドに届かないことがあります。乗せ替えは、上から足をそっと重ね引き抜くように。
ホールドに乗れたはいいものの、次の一足に迷うことは、ありませんか?
載せる足が変わるだけで、手の届く距離が伸びたり、バランスを取りやすくなったりしますよね。でも、足の入れ替えで踏み外してしまったり、時間がかかったりしてしまったら、非常にもったいない。
両足のつま先が乗るくらいの大きさのホールドの場合、もう一方の足を乗せるスペースを空けるだけなので簡単です。しかし、ホールドが小さい場合にはコツがあるんですよ!
まず、乗せ替えたい足を、現状乗っている足の上にそっと重ねます。乗せていた足を引き抜き、新しい足を落とすという方法です。
スムーズに行えるようになるためには練習が必要なので、持ち手のいいホールドを掴みながら、小さいホールドで試してみてください。
体重移動のポイント
基本的なムーブの次に、体重移動についてお話をします。
ボルダリングでは、自分の体重を自分の筋肉で支えますよね。ですから、自分の体重を分散させたり、力がかかりやすい向きにホールドを持ったりという、体重移動が重要になります。
ホールドの向きに合わせてポジションを変える
ボルダリングのホールドは、丸とも四角とも言えないような、いびつな形状をしています。少しの凹凸を見つけ、指のかかりやすい方向を見極めなければなりません。
5級からはさらに、体重のかかりやすい向きも意識した方がいいでしょう。
ホールドを持ち替えたら体も移動させる
ホールドを持ち替えた瞬間に、体の向きが急回転、振られて落ちてしまったという経験はありませんか?
バスケットボール大のスローパーを例にしてみましょう。はじめにホールドの左側左手でつかんでいたとすると、体重はおそらく右側に傾いています。その状態から、ホールドの右側を右手で持ち替えた場合、体重がうまくかからなくて、そのまま右に倒れていってしまいます。
手で持っている方向と逆向きに、即座に体重を移動させましょう。
柔軟性の高いクライマーは上達も早い? 絶対続けたいストレッチ3選
ボルダリングは、柔軟が得意な人が有利になる場面があります。例えば、高めの位置に足を上げて突っ張るときなど。
必ず必要な素質とは言いませんが、怪我予防的な意味でも、柔軟性があると安心できます。ここでは、簡単にできるストレッチを3つご紹介します。
ボルダリング上達の柔軟ストレッチ①肩甲骨
(1)腕を前に伸ばします。
(2)指先を上に向けるように肘を直角に折り曲げます。
(3)右腕の上に、左腕を重ね合わせます。二本の腕がくっつくイメージです。
(4)そのまま手のひらを合わせます。
(5)肘から上を、ゆっくりと上下させます。肩甲骨が伸びていることを感じてください。
(6)反対側も同様に行います。
ボルダリング上達の柔軟ストレッチ①股関節
(1)足を肩幅よりも広く開きます。
(2)膝を折り曲げ、お相撲さんのような体制にチェンジ。
(3)手のひらを膝の少し上に置き、上半身を支えます。
(4)右側の方を前に出し、膝を後方に押し出します。股関節の伸びを意識します。
(5)反対側も同様に行います。
ボルダリング上達の柔軟ストレッチ①肩周り
(1)両方の腕を、背中側へゆっくりと回します。
(2)背中で両手のひらを合わせます。合掌のポーズのイメージです。
(3)このとき、肘が直角になるよう意識しましょう。
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短期間で上達するには、基本をマスターしよう!
ボルダリングの登り方には、人それぞれの癖があります。同時に、体型ごとに有利なポイントや、得意なことが異なってきます。
自分なりのやり方を見つけることも大事ですが、初めのうちは、基本的な動きをマスターできるようになることを目指しましょう。短期間での上達を目標に、頑張ってください!