ボルダリング4級でぶつかるのは筋力の壁? 正しいムーブで乗り越えよう!

ボルダリング初心者と経験者を分かつ壁。それが4級です。

5級までは勘や少ない筋肉でも完登できていたかもしれませんが、4級からはそううまくいかないもの。

4級の壁を乗り越えるには、計算しつくされたムーブを繰り出すことが重要となります。まずはムーブの名前を覚えること。そしてその完成度を高めていくことが大切です。体重が多少重くても、筋肉が少なくても、練習を重ねれば大丈夫!

今回は、壁の種類ごとの課題の特徴や、4級クライマーがマスターしておくべきムーブをご紹介します。

ボルダリング4級でぶつかるのは筋力の壁? 正しいムーブで乗り越えよう!

ボルダリングの4級って、どんな感じ?

4級と5級の一番の違いは、ムーブの種類が増えることです。5級までは持ち手が良かったり、距離だしが必要なかったりと、ムーブがなくても腕の力や感覚でなんとかカバーできてしまうような課題が主流でした。

しかし4級からは、持ち手が悪くムーブなしでは乗り切れない課題や、遠くのホールドを取らなければいけないような課題が出てきます。5級まではあまり意識しなかったかもしれませんが、脚の向きが違うだけで、腕を伸ばせる距離も大きく変わります。

「4級を登りはじめたけれど、もはやここまでか……」と思っているような人も、筋力に自信のない人も、ムーブさえ覚えれば誰でもクリアできるのが、4級です。

ボルダリング4級でぶつかるのは筋力の壁? 正しいムーブで乗り越えよう!

傾斜の場合

4級になったからといって、急に持ちづらいホールドばかりが増えるわけではありません。指のかかりやすいものが選ばれています。持ちづらいホールドが続くこともありますが、足が踏みやすかったり、傾斜が緩かったり、ホールドの形状そのものは優しいでしょう。

傾斜でのポイントは、壁から剥がれないようにすることです。傾斜の強い壁では、ヒールフックやトゥーフックを使ってかきこみましょう。体をひねるような向きに体重を移動させるときも、足や体幹を使えば、壁に貼り付けます。

垂壁・スラブの場合

4級の垂壁やスラブでは、持ち手がかなり悪くなります。指の第一関節までを使って持つようなホールドが増えますが、4級では指の力はそれほど必要ありません。力がかかりやすい向きを考えて登りましょう。

足の使い方にもテクニックが求められます。5級までもあったかもしれませんが、スメアリングで重心をコントロールしたり、フロントエッジとアウトサイドエッジを使い分けたりと、細かな足さばきの違いを理解しましょう。

ボルダリング4級でマスターしておきたいムーブ

4級では、5級までに習得する必要がなかったムーブを覚えなければなりません。これまではなんとなくで登れてしまっていた課題も、実はムーブを使えばもっと簡単に登れていたんですよ。

「あんまりムーブなんて意識してこなかった……」という人も、無意識に繰り出していたムーブの名前を覚え、意識的に使えるようにしましょう。

ここでは、ヒールフック、トゥーフック、デッドポイント、フラッキング、手に足、の5つをご紹介します。

ヒールフック

ヒールフックは4級以上でよく使うムーブです。ホールが高めの位置にあって正面から乗れない時、かかとから載せる場合があります。かかとを引っ掛けるだけというよりは、足裏や太ももの筋肉でかきこむようなイメージ。足首は曲げず、伸ばしましょう。

初めの頃は太ももがつるような思いをするかもしれませんが、何度も挑戦してみて!

トゥーフック

トゥーフックは、5級まででも使ったことがあるのではないでしょうか?

ホールド足の甲側の指先を引っ掛けます。体重で自然に、体側に弾けるでしょう。トゥーフックの状態で上に登るというよりは、次の一手を繰り出すために体を安定させるときに使うことが多い印象です。

このムーブを使う時は、脚の外側の筋肉を使って、しっかりかきこむこと。ただ引っ掛けているだけでは、ホールドを抑える力が弱くなってしまいます。

デッドポイント

このムーブは、大きな動きなので使いこなせるとかっこいいかも!

使う場面は、少し遠くにあるホールドを掴む時。まず、取りたいホールドの対角に重心を預けます。右上のホールドを取りたいなら、左腕と右腕を伸ばしきり、左足に体重を乗せます。お尻に体重を預けるようなイメージでしょうか。

次に、左手を起点に体を振り、遠心力を使って遠くのホールドを取ります。この時、右足にしっかり乗り込むことがポイント。右足が残っていると、上にあがりきれず、次のホールドに手が届きません。さらにこの時、左足は切った状態になります。

5級までにもデッドポイントににたようなムーブを使うことはありますが、4級からは、脚に乗り込むことが一層求められます。「デッド」と略されることもあるので、覚えておくといいかもしれません。

フラッキング

フラッキングは、もっとも無意識にやってきたであろう、よく使うムーブです。

フラッキングは、重心を乗せていない脚に対して逆の脚でバランスを取ることをさします。フラッキングを使えば、必要のない体のねじれをなくせるので、勢い余って体が振られてしまうということを防げるのです。

フラッキングには、アウトサイドフラッキングと、インサイドフラッキングの2種類があります。

脚を突き出すのが、ホールドを捉えている足の外側か内側かという違いなので、呼び分けることはありませんが……よく使われるフラッキングはアウトサイドフラッキングなので、インサイドでも使うことがあると頭に入れておけば、ムーブの手数が増えるでしょう。

手に足

手に足は、体を壁から剥がさないようにする上で重要なテクニックのひとつです。手でつかんでいるホールドに足を上げるこのムーブ。手足限定の課題や、足の置き場所に困った時、傾斜が強いのでなるべく重心を壁に預けたい時などに使います。

足のかけ方は、正面からつま先で乗ることもありますし、ヒールフックやトゥーフックを使うこともあります。

4級クライマーになるためには?

難しいムーブをこなしているイメージが湧いたでしょうか?

4級の課題を登れるようになるためには、ホールドを見極めるセンスの育成が欠かせません。ホールドの形と配置を見て、一番体重がかかりやすいムーブを想像できるようになるには、日頃からオブザベの癖をつけることが大切かもしれませんね。

ムーブが想像できるようになったら、イメージどおりのムーブを繰り出す練習をしましょう。同じ課題になんども打ち込むことが、あなたのセンスを育てるはずです。

最後に、ボルダリング4級といっても、難易度や難しさはジムによってさまざまです。登れないからといってすぐに落ち込む必要はありません。スタッフや仲間にオススメの4級課題を聞いて、何度もトライしていきましょう!

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