東京五輪での正式種目となったスポーツクライミングの中でも、日本人選手の活躍が目覚ましいボルダリングは、趣味としても浸透してきています。
ボルダリングという言葉の認知度が高まる一方、ボルダリングとは詳しくはどういうものであるのか、ロッククライミングとはどのように違うのかなどは曖昧な人も多いかと思います。
今回は、そんな少し複雑なロッククライミングについて、ボルダリングとの違いなどを分かりやすくお伝えしていきます。
命綱の有無が大きな分かれ道、クライミングの種類について
ロッククライミングとはその字の通り、天然岩を登ることを指します。
ロッククライミングの内、素手で登るものはフリークライミング 、縄ばしこなどの道具を使用するものはエイドクライミングと呼ばれています。
フリークライミングの中でも、命綱を使用するものをロープクライミング、命綱を使用しないものをボルダリングと区別しています。
ですので、ロッククライミングの中にボルダリングがあるということになります。
命綱は道具じゃないの? という疑問が浮かぶかもしれませんが、エイドクライミングのエイドは「登るための」補助になる道具を使うということです。
ですので、命綱ではなく登るためにロープを用いればエイドクライミングになります。
ボルダリングはロッククライミングの中でも、必要とする道具が少なく、室内で体験できることから近年人気が出てきました。
スポーツ競技としてのボルダリングとロッククライミング
ロッククライミングが天然岩でのクライミングに対して、人工壁を登るものをスポーツクライミングと区別することもできます。
ボルダリング、リード、スピードの3種目がオリンピックのスポーツクライミング競技で行われます。
ボルダリングは、高さが3〜5mの高さで命綱を使わずに素手で登るもので、天然岩でも人工壁でもこの条件でのクライミングについてはボルダリングと呼ばれます。
少しややこしくなりますが、ボルダリングは天然岩を登るロッククライミングの一つであると同時に、人工壁を登るスポーツクライミングの一種目でもあります。
天然岩か人工壁かという区別以外にも、ロッククライミングはありのままの天然岩を自分の体一つで攻略していく自然への挑戦的な要素が強いのに対し、スポーツクライミングは競技性やエンターテイメント的な要素が強いという違いもあります。
特にスピード種目については、同じ条件の人工壁を対戦相手より早く登ることで勝敗がつくもので、より競技性が高いものになっています。
気軽に始めやすいボルダリング
ロッククライミングとボルダリングや他のクライミングについて説明してきましたが、ロッククライミングの入門としては、室内で行えるボルダリングが一番始めやすいです。
必要とする道具も少なく、動きやすい服装、シューズ、チョークの3つがあれば始められますし、シューズやチョークに関してはレンタルも可能です。
また、室内なので季節に応じて服装で体温の調節に気を配る必要もさほどありません。
高いところが苦手という人でも、ボルダリングの高さ位であればあまり恐怖を感じることもないでしょう。
基本的なクライミングの技術をボルダリングで習得することで、命綱を必要とするリードクライミングや外岩でのクライミングへ繋がりがスムーズになります。