スポーツクライミングという言葉をご存知ですか?
「聞いたことあるけど、よくわからない!」「ボルダリングとはどう違うの?」「オリンピック種目だよね……?」などなど、いろんな印象を持っている人がいることと思います。
今回は、スポーツクライミングの定義を明確にした上で、どのような種目があるのか、ボルダリングとはどう違うのかを解説していきたいと思います。
ボルダリング仲間の前で、スラスラ説明できるようになること間違いなし!!
スポーツクライミングとは
ここでは、スポーツクライミングとはそもそも何を指しているのかをご紹介します。
実はスポーツクライミングは、さらに細かく分けることができるのです。細分化された競技ごとの特徴を、動画とともにご説明します。
競技名としての「スポーツクライミング」
スポーツクライミングとは、競技の名前のことです。壁を登る競技のことを指しますが、オリンピックなどの正式な競技の場で用いられる呼び名です。
クライミングと聞いて、屋外の山や岩場を登ることを想像する人もいるかもしれませんが、スポーツクライミングは人口の壁とホールド(壁についているカラフルな突起のこと)を使って行います。
とはいえ、もともとの起源はロッククライミングにありました。徐々に道具や登り方が発達し、スポーツとしてより多くの人に親しまれるようになったのです。
競技としてのスポーツクライミングは、さらに3つの競技分野に分けることができます。
どんな種目があるの?
スポーツクライミングの競技分野とは、壁を登るスポーツ全般をさしますが、ここではオリンピックで用いられる定義をご紹介します。
「スピードクライミング」、「ボルダリング」、「リードクライミング」の3つ。
オリンピックの公式サイトによると、オリンピックでは、各選手がこの3種目を行い、その合計点で順位を決めるそうです。
スピードクライミング
「スピードクライミング」とは、同じ条件で設置された高さ15メートルの壁を2人の選手が同時に登り速さを競うものです。
壁に設置される課題は世界共通で決まっているので、選手たちは決まった課題を事前にやりこんでから本番に挑みます。
走る競技に例えると、50メートル走のようなもの。瞬間的なエネルギーと筋力が求められます。スピードクライミングの大会の動画を見ると、重力に逆行してものすごい速度で登っていく選手たちがいます。
YouTubeなどで、ぜひそのスピード感をチェックしてみてください。
リードクライミング
「リードクライミング」は、制限時間内に高さ15メートル以上の壁のどの地点まで登れるかを競う競技です。一手一手の難易度はそれほど難しくはないものの長時間にわたって自重を支えるので、持久力と慎重さが求められます。
この動画に登場する選手が腰につけているように、安全装置をつけてトライします。
壁のいたるところにカラビナを引っ掛ける場所が用意されています。選手たちはポイントに到達したら必ずカラビナを引っ掛け、次の一手を探っていますね。これは安全面で非常に重要なことです。
序盤に順調に登っていたとしても、核心(課題の中で最も難しい一手)に到達した途端、身動きが取れなくなることがあります。そこで筋肉を大幅に消耗するので、核心に至るまでにスムーズに登れるかどうかも、競技のポイントとなるでしょう。
この競技、世界レベルの選手だけでなく誰もがトライすることができます。全国に、リードの設備つきのボルダリングジムがいくつもあるので、ぜひ探してみてください。
ボルダリング
ボルダリングとは、高さ4メートルの壁を制限時間内にいくつ登れるかを競う競技のことです。ルールはシンプルで、定位置のスタートボールドを両手で掴みトライがスタート。
ゴールのホールドを両手でしっかりとつかむことができれば完投とみなされます。「クライミング」と聞いて最も想起しやすいのは、ボルダリングではないでしょうか。
日本で最もポピュラーであり、オリンピックの3競技の中でも、日本人選手が最も有利であると言われているのもボルダリングです。
ボルダリングは、安全装置をつけず素手でと足だけで壁を登ります。必要な道具が少ないぶん、誰でも気軽に始められます。
また、リードクライミングのように持久力は必要ありませんし、スピードクライミングのように瞬間的な筋力も必要ありません。
壁の高さ自体もそれほど高くないので、1回のトライは30秒程度からと短く、筋力に自信の無い人にもオススメです。
その分、テクニックや器用さが求められるのがボルダリング。しかし、初心者のうちに必要なのはハシゴを登る程度の筋力のみです。
もし挑戦したいと考えている人がいるのなら、ぜひ一度挑戦してみてくださいね。
オリンピック種目にも選抜された、スポーツクライミング
2020年のオリンピック種目に選ばれたスポーツクライミング。実は日本人選手は、メダル候補としてかなり有力だと言われています。
筋力や身長では海外選手に劣るものの、指先の器用さや自重の軽さではかなり優位に立っているとか。ここからは、日本の注目選手を何名かご紹介します。
スポーツクライミングの選手に注目!
●楢崎 智亜
栃木県出身。世界選手権での優勝経験もあり、オリンピックでの活躍も期待されています!
●伊藤ふたば選手
岩手県出身。2002年生まれ。2017年の第12回ボルダリングジャパンカップで優勝。まだ中学生ですが、大人びたルックスにファンも多いようです。
気軽に始められるボルダリングからぜひ体験してみてくださいね!