ボルダリングのルールを学ぼう! 初心者が覚えるべき基本ルールと注意点

友人にボルダリングに誘われた時、 「当日ボルダリングジムに行けばトレーナーさんが丁寧に教えてくれると思うけど、行く前にある程度ルールに関する知識があると安心だなぁ……」と考える方も多いと思います。

実は、ボルダリングのルールはとてもシンプル! 誰でもすぐに覚えられます。

この記事では、ボルダリングの基本的なルールと気を付けておきたい注意点についてご紹介します。

『はじめが肝心』とよく言うように基本的なルールをしっかり把握しておくことは、今後ボルダリングが上達する上での大切なポイントにもなります。

ぜひチェックしてみてください。

ボルダリングのルール、実は簡単!?

ボルダリングは5mほどの壁を、ホールドと呼ばれる壁についている突起物を使い、設定されている課題(コース)に沿って登っていくだけのシンプルなスポーツです。

複雑なルールはなく初心者でも簡単に、安心して楽しめます。ボルダリングのルールと注意事項を順にご紹介していきます。

ボルダリングのルールを学ぼう! 初心者が覚えるべき基本ルールと注意点

ボルダリングのルールはこれだけ

ボルダリングには登るコースが決められています。スタートとゴールまでは決められたホールドしか使うことができません。

コースを登るときは「スタートホールド」を両手で掴み、両足をマットから浮かせたらスタート。課題の中にはスタートホールドが二つ設定されていることがあり、その場合は右手と左手でそれぞれ掴みます。

スタートしたら決められたホールドだけを使って登っていき、最後にゴールのホールドを両手でしっかり掴んだらゴールです。ホールドを触るだけだったり、片手でしか掴めなかったらゴールにはなりません。

自分がチャレンジしたい課題を決めたら、まずスタートとゴールを見つけましょう。スタートには「S」、ゴールには「G」と書かれたテープが貼ってあることが多いです。

ジムによってテープが異なるので、ぜひジムへ行ったら現物を見て確認してみてください。

覚えておきたいポイント①:登る前にコースを確認

課題はスタートからゴールまでの間にいくつかのホールドが設定されていて、下記の方法で区別されています。
※ジムによって異なりますので事前にスタッフの方の説明を受けましょう
・同色のテープで区別
・同じ色の同じ形のテープで区別
・同じ色のテープに数字を書いて区別
・ホールド自体の色で区別

自分が登る課題のホールドの場所を事前に確認しておきましょう。登りながら確認すると、余計な力を使うことになり疲れてしまいます。

覚えておきたいポイント②:“グレード”とは?

各課題には「グレード」と呼ばれる課題の難易度が設定されています。

グレードは「段級位制」を採用しているジムがほとんどで、例えば8級~2段まであるジムだと、8級が一番簡単な課題で、2段が一番難しい課題です。

グレードの数はジムによって異なりますが、初めて登る際は、そのジムにある一番簡単なグレードから登り、登れたら次に難しいグレードに挑戦していきましょう。

初心者から卒業できるグレードは5級と言われています。

5級をクリアするためには、ムーブといった技術、ホールドに対応した足と手の使い方などを磨く必要があります。

いきなり5級に挑戦して、初心者から抜け出そうとするのではなく、10級から段階的に取り組んでいきましょう。

5級に向かっていくにつれて、使うことができるホールドが限定されたり、ホールドの位置・形状が難しくなったりしていきます。

それぞれの級で、力任せに登るのではなく、登り方を確認しながら、クリアしていくことで、5級に向けて必要な技術が身につけることができます。

目標がしっかりとあるので、1つ1つの課題をクリアするたびに達成感を味わうことが出来るのもボルダリングを楽しめるポイントです。

覚えておきたいポイント③:足自由課題と手足限定課題

課題の中には、手だけ使っていいホールドが限定されている「足自由課題」と、手も足も使っていいホールドが決まっている「手足限定課題」があります。

スタートのテープに「足自由」や「手足(限定)」等が書かれているケースや、ある一定のグレードまでは「足自由」で、それ以上は手も足も使っていいホールドが決まっている、というケースがあります。課題はジムによって異なりますので事前にスタッフの方に聞いてください。

●足自由課題:手だけ使っていいホールドが決まっている
●手足限定課題:手も足も使っていいホールドが決まっている

覚えておきたいポイント④:ホールド以外の壁も使ってOK!

課題で設定されていないホールドを触ってはいけませんが、それ以外はどのように壁を登っても問題ありません。ホールドのない壁に手や足が触れてもOKです。ホールドだけに頼らず、壁も上手に使って登ってみましょう。

覚えておきたいポイント⑤:壁の端は使っていいの?

壁の端の部分を「カンテ」と呼びますが、このカンテは課題によって使っていい場合と使ってはいけない場合があります。スタートのテープに「カンテ有」、「カンテなし」など注意事項が書いてありますので、課題に取り組む前に確認しておきましょう。

ボルダリングのルールを学ぼう! 初心者が覚えるべき基本ルールと注意点

上手く登るポイントは?

上手く登るためのポイントをいくつかご紹介します!

登る前に課題をオブザベーションしよう

オブザベーションとは、登っていく課題をあらかじめ観察することです。

初心者の方にありがちであるのが、課題をあまり見ずに、課題に取り組むことです。

その結果、次に掴むホールドや足を乗せるホールドを見失ったり、難所に行くまでに力を消耗してしまっていたりするなど、体力を温存しながら効率よく登ることができません。

取り組む課題が決まったら、まず壁を観察しましょう。

登っていくホールドの位置や力を使いそうな難所などを見て、登っていく自分をイメージすると、実際に登ったときにスムーズに登っていくことができます。

早く挑戦したいという気持ちを少しおさえて、焦らず壁をオブザベーションすることが大切です。

身体全体を使って登ろう

腕の力で力任せに登ろうとすると上手く登れないだけでなく、体力を消耗してしまいます。

ボルダリングの登るという動作から、腕の力があれば大丈夫と捉えている初心者の方も多いでしょう。

腕の力も必要ですが、腕だけで身体を維持したり、次のホールドを掴みにいったりすると、課題の途中で息切れしてしまいます。

腕と合わせて、足にも意識を向けましょう。

足でバランスを取れていたり、足を上げて腕との距離を近くしたりすることで、推進力や安定感を腕だけでなく、身体全体で得ることができます。

腕に力が偏ることなく、身体全体で登っていくため、無理な動きが減り、スムーズかつ省エネなクライミングができるようになります。

右手右足の法則を身につけよう

ボルダリングの基本的な動きに「右手右足の法則」というものがあります。

上手く登っていくためには、重心移動が大切です。

重心が左右にぶれてしまうと安定感を失い、体力を余計に消費してしまったり、無理のある動きが増えたりするなど上手い登り方とは言えません。

右手右足の法則は、右手でホールドをとったら、右足をあげるという動きで、重心のブレを防ぐことができます。

重心が片側に維持されることで、身体の回転を防ぎ、安定感だけでなく、握力、腕力の温存にもつながります。

プロクライマーでも右手右足の法則は常に意識しています。

他のムーブの基礎となるムーブでもあるため、まず右手右足の法則を意識しながら登ってみましょう。

気を付けてほしい注意点①:登らない時はマットに乗らない

壁の下に敷かれているマットは、人が落下した際に怪我をしないように敷かれています。

マットが敷かれているエリアは、登っている人が不意に落下してくる可能性がある、危険なエリアです。自分が登っていないときは必ずマットから降りましょう。

落下してきた人と接触するなどしてケガをする恐れがあります。

気を付けてほしい注意点②:隣で登っている人との距離をとる

ボルダリングでは、縦方向に登る課題以外にも横や斜め上に登る課題もあります。登っている人との距離が近いと、接触する恐れがあります。必ず隣で登っている人との距離をとるようにしましょう。

ボルダリングは知らないうちに仲間が増える!

一人で黙々と登っているように見えるボルダリングですが、実は同じ課題をみんなで登りあって「ガンバ!」と励ましあったり、登り方を教えあったり、仲間意識が芽生えるので、そこにいるみんなでボルダリングを楽しめるのです。ボルダリングのルールや注意事項も意識しつつ、楽しく登りましょう!

「ボルダリングとは ~ 初心者が楽しく登るための知識 ~」カテゴリの最新記事