犬を飼っている人の多くは、「この鳴き声にはどのような意味があるのだろうか?」と考えることでしょう。
声色の変化を使って自在に鳴き声を変えられるワンちゃんは、それぞれの鳴き方に色んな意味があります。
今回は、犬の鳴き声から分かる気持ちと、無駄に吠える時のしつけ方をご紹介していきます。
1. 「ワンワン」の意味とは?
犬の鳴き声といえば「ワンワン」ですよね。
「ワンワン」という鳴き声には意外と多くの意味があるのです。
「ワンッ」
短めに鳴く「ワンッ」は強い訴えがあるのではなく、挨拶程度に発している鳴き声であることが多いです。
「ねぇねぇ」「こっち向いて」といったような意味があり、「ワンッ」で飼い主の気を引こうとしています。
ワンちゃんの気持ち的には「呼んでみただけ」ということが多いですが、犬同士での「ワンッ」となると「遊んで」という意味があるそうです。
ただし、低いトーンで「ワンッ」と鳴くのは「やめて」という意味を持っています。
その場の雰囲気からワンちゃんがどんな気持ちであるのか察してあげましょう。
「ワンワンワン」
連続して「ワンワンワン」と鳴くのは、おねだりや強く訴えかけている時です。
リズムよく「ワンワン、ワンワン、ワンワン」と鳴いているのであれば、嬉しい時です。
目を輝かせながら尻尾を機嫌よく振っているのであれば確実でしょう。
一方、連続で「ワンワンワンワン」と鳴き続けるのは警戒している時です。
特に低いトーンで鳴く場合には対象物に「やめろ」「攻撃するぞ」といった警告している意味があります。
ただし、対象物に対して高いトーンで短く吠えている時の意味は変わってきます。
強い要求の表れとなっており、「ごはんが欲しい」「散歩に行きたい」といった気持ちがあるでしょう。
2. 「キャンキャン」の意味とは?
犬の鳴き声には「ワンワン」とは違い「キャンキャン」と聞こえる声もありますよね。
続いては「キャンキャン」の鳴き声について解説していきます。
「キャン」
甲高い声で「キャン」と1回だけ鳴いた時は、思わず漏れてしまった声です。
例として、急に足を踏まれた時や体をぶつけた時に、このような声が出ます。
急に甲高い「キャン」が聞こえるとびっくりする飼い主も多いでしょう。しかし、継続的に泣き続けなければさほど問題はありません。
「キャンキャン」
「キャンキャン」は痛みを抱えている時や助けを求めている時に鳴く傾向があります。
甲高い声の「キャンキャン」が繰り返しているようであれば動物病院へ行く準備をした方が良いでしょう。
ただし、「キャンキャン」には要求吠えとして発しているケースも考えられます。
「早くしてよ」「ちょうだい!ちょうだい!」といったようなおねだりの表現でもあるので、よく観察してから気持ちを察する必要があります。
3. 「クゥーン」の意味とは?
何だかちょっぴり寂しそうな印象に聞こえる「クゥーン」には様々な意味があります。
「クゥーン」
弱々しくは鼻にかかったような「クゥーン」は、苦手なものに対面した時や、初めて見たものに対して不安を感じている声になります。
尻尾を足の間に挟んで怯えたような雰囲気も分かるかと思います。
時には痛みを感じて「クゥーンクゥーン」と鳴いている場合もあるのでワンちゃんに異変がないか確認しましょう。
また、時には鼻を上に向けて「クゥーン」と声を伸ばして鳴く姿もあります。この場合は「あなたに服従します」という意味があるのですよ。
「ワンワンワン…クゥーン」
この場合は要望が叶わずに諦めている様子です。忠誠心で大人しくなっている姿なので、「いい子だね」と褒めてあげましょう。
4. 「フンフン」の意味とは?
犬の「フンフン」は鳴くことを我慢している犬に見られる鳴き声です。
しつけができている犬だと捉えるでしょうが、実はじれったい思いをしている犬が多いのです。
おもちゃやご飯、おやつを前にじらされていると「フンフン」と鳴いて、催促しているのです。
飼い主としては、ついつい「フンフン」と鳴いているので見ていたくなりますが、「早く!」「まだー?」と待っている証拠なので、聞いて楽しむ時間は短くしておきましょう。
5. 「アオーン」の意味とは?
オオカミのように「アオーン」と遠吠えする姿は、飼い主や仲間に向かって「ここにいる」という合図を送っている時の鳴き方になります。
これは野生で生きていた時の名残であり、赤ちゃんの泣き声やサイレンの時に本能的に反応して吠えちゃう子も。
「アオーン」と鳴くのはかなりうるさく感じるので、怒っても続けるのであれば、しつけを入念に行う必要があるでしょう。
6. 無駄吠えが気になる!正しいしつけの方法とは?
犬の気持ちが分かるからと言って吠えるのを注意しないのは問題です。
ワンちゃんによっては無駄吠えが多くなり、しつこく吠えることで要求が叶えられると思ってしまいます。
無駄吠えのしつけを適切にするには、吠える理由に応じたしつけをすることが大事です。
吠えたらすぐに注意するという行動はNGです。犬の気持ちを察し、何回鳴いても鳴きやまない場合にしつけに踏み込みましょう。
特に警戒心による無駄吠えは一番しつけを行うべきだと言えます。
飼い主が大きな音を出したり、犬のそばに物を落とすなど、天罰式のしつけを行い「吠えたら嫌なことが起きてしまう」ということを覚えさせることがおすすめです。
7. おわりに
犬は鳴き声や鳴き方によって様々な感情表現ができる動物です。
どんな意味があるのを知るだけでワンちゃんとのコミュニケーションが大きく変化するでしょう。
今回ご紹介したしつけ方法も参考にして、犬との関り合いを大切にしていってくださいね。
Written by 綾崎リコ