「嫁姑が大の仲良し」なんてあり得ないと言っても過言ではないでしょう。でも、「嫁姑の関係も安泰そう」と結婚前に思う女性は結構いるものです。息子の恋人は、結婚前はお客様です。だからあなたも恋人の間は彼のお母様と上手くいくのです。でも、そのままの関係が結婚してからも続くかどうかは、彼の力量とあなたの彼への愛次第と言っても良いでしょう。
母親にとって今までの自分に優しかった息子が、結婚したとたんに自分がないがしろにされ、嫁と嫁の家族を大切にするような気持ちになるのです。息子は単に妻の家族に気を遣って早く仲良くなろうとしているだけなのに。
そんな優しい息子に育てたのは自分であることを忘れて、ただただ無性に寂しいものなのです。今までしていた息子の世話の必要がなくなり、寂しくて嫁に取られてしまったような気分になるのかもしれません。
でも、このように取られたような気持ちになるのは初めのうちだけです。だから、結婚したら一歩引いて、お義母様が安心するまで、好きにさせてあげましょう。
息子の好きな料理だと言ってお惣菜を作ってくれるなら、ありがたく頂戴しましょう。家の味や息子の好みを教えてくれるなら、お義母様がいらしている間くらい素直に従っていればいいのです。妻の立場とかプライドとか考えずにお義母様の寂しさを思って、一歩譲ってあげましょう。
こんなふうにダメ嫁を演じていれば、お義母様がついつい手を出して代わりにやって下さるか、呆れて諦めてくれるかのどちらかです。なんだかお義母様が本妻であなたが愛人のような感じに思うかもしれませんが、初めのうちだけのことですから我慢してあげましょう。
愛されているのはあなたです。戸籍上も社会的地位も本妻はあなたなのです。自分の母親を大切にしてくれる妻に感謝をしない夫はいません。お義母様を喜ばせるのは間接的に夫を喜ばせ、結果的には夫婦仲が良くなって、自分の幸せに繋がるのです。
少しくらいできの悪い嫁だと思われても、自分を立てて優しくしてくれる嫁には、(表向き)自分は必要とされているわけですから嫁との争いは起きないものです。
それに、できが悪いからと嫁が姑から嫁いびりをされてしまうようなご時世ではありません。そんな事をしていては、息子を敵に回してしまいます。多少できが悪くても、優しく話しやすい愛嬌のある嫁の方がかわいがられるご時世なのです。だから、
「できの悪い嫁でも扱いやすいし、嫁と仲良くしていたら、もれなく息子が嫁についてくる」
と思わせたらこっちのものですよ。
だから、彼の両親の前ではできないことは素直に教えて頂きましょう。多少呆れられても平和のための演技です。それに同じことを二度聞かなければ学習したということになり、いつまでもダメ嫁扱いはされません。
妻になったら、それくらいの演技力は平和のために必要なのです。夫婦の間に秘密や嘘があってはいけませんが、妻は家庭の平和のために多少の演技力は持っていなければいけません。
今から結婚しようとしているあなた、嫁の実力を姑に見せつけては、嫁姑戦争勃発ですよ。その実力は、結婚しても彼の前だけで披露するにとどめておきましょうね☆
Written by 鶴山あずさ