「恋人なんていらない?」恋愛離れする若者たちの本音と背景とは

「恋人はいらない」「恋愛はコスパ悪い」そんな声をテレビやネットでよく耳にするようになりました。未婚の20代30代で恋人がいるのは、およそ3割とも言われています。

筆者が20代の頃は、「恋人がいる=リア充」という価値観が一般的でしたが、「あえて恋愛をしない」という選択が増えていると言われます。

現代の若者がそう感じる背景にはどんなものがあるのでしょうか? また、「恋人はいらない」本当にそれが本音なのでしょうか?

今回の記事では、若者の恋愛事情の背景と本音を、徹底分析していきたい思います。

なぜ若者は「恋人はいらない」と思うのか

なぜ若者は「恋人はいらない」と思うのか

なぜ、若者が「恋人はいらない」と思うようになったのか。それには、彼ら、彼女らが育った時代背景も大きく影響しているようです。

昔に比べて一人で楽しめる娯楽が増えたから

まず1つ目に、昔に比べて圧倒的に娯楽の種類が増えたからだと言えるでしょう。

オンラインゲームやサブスクの動画配信、恋愛に変わるものとして、推し活がメジャーになってきたのも大きな要因です。

その多くが「自分のペースで楽しめる」「誰かに合わせなくていい」という気楽さが特徴です。

コロナ禍以降、オンラインでのやり取りが主流になったこともあり、人とのつながりよりも「個人の世界」に居心地の良さを見出す人が増えました。

青春時代にコロナ禍で人との関わりが遮断された若者たちにとって、複雑なコミュニケーションを必要とする恋愛は「億劫なもの」という認識が強いのかもしれません。

それよりも手軽に楽しめる趣味に時間を費やした方が効率がいいと思うのも、時代背景的に納得できます。

お互いを知るツールによって精神的自由がなくなるから

「恋人ができる=精神的自由がなくなる」そう思ってしまう若者は少なくありません。

LINEやSNSだけにとどまらず、位置情報共有アプリでお互いの居場所を把握するというのも、若者の恋愛の間では珍しくないことのようです。

現代は昔に比べて繋がりすぎているのかもしれません。

見えすぎるからこそ疑いの気持ちや、それを言えない不安に押しつぶされてしまう……だから余計に束縛してしまう。

昔は「知らないからこその安心」がありました。しかし現代は、相手のことを知ろうと思えばどこまででも追いかけられてしまうツールが、お互いの心を締め付けてしまうのです。

好きなはずなのに監視しあっているような感覚。それが現代の若者が恋愛に窮屈さを感じてしまう1つの原因だと言えるでしょう。

恋愛はコスパ・タイパが悪いから

現代の若者は非常に合理的でコスパ・タイパを重要視する傾向が強いです。

マッチングアプリでのやり取り、デートの段取り、付き合うまでの駆け引き……時間もお金もかけて頑張ったとしても、報われるとは限らない……。

それならば、推し活にお金を使ったり、趣味やスキルアップに時間を使った方がいい。そんな思いが恋愛離れを加速させているようです。

「報われなくてもやったことに意味がある」「失敗が次につながる」仕事でも恋愛でも、そういった精神論にアレルギーをもつのが現代の若者の特徴でもあります。

「コスパ・タイパ重視」といえば聞こえが良いですが、その裏には、怒られたり傷つくことに免疫がなく、「早々に諦めることで自分の心を守っている」という背景があるのではないでしょうか。

「恋人はいらない」その言葉に隠された本音とは?

多様な生き方が認められるようになった現代。「恋人がいる=その人の価値」という固定概念は薄れつつあります。

中には心の底から「恋人はいらない」と思っている若者もいるでしょう。

しかし、その言葉の裏には、様々な本音や葛藤が隠れていることが多いようです。

「いらない」のではなく傷つくのを恐れて「諦めている」

「いらない」のではなく傷つくのを恐れて「諦めている」

筆者の主観では、最初から「恋人なんていらない」と思っているのはほんのわずかだと感じます。

本音を言えば、「心から大好きな人と出会って素敵な恋愛をしたい」「お互いに安心できるような恋人がほしい」その欲求は、どの世代にも自然にあるものだと思います。

前項でも少し触れましたが、現代の若者は時代背景や過去の傷によって、「どうせ自分なんて」と諦める選択をとる方が楽だと感じてしまうのです。

欲しいと願って行動して手に入らないのであれば、「恋人なんていらない」と突っぱねている方が傷付かなくて済む……。そんな心理が大きく働いて、「いらない」と言う言葉に集約されているのではと感じます。

お金の不安さえなければ恋人を作りたい

若者が恋愛への自信をなくし、恋人を作ることに不安を抱かせている大きな原因……その1つは収入の問題でしょう。

物価高や増税、その割に増えない収入。一部のハイスペ以外は、結婚後のやりくりに大きな不安を抱えている人がほとんど。

共働きが当たり前になった今、男女ともに結婚後に求められるスキルは上がり続けています。

結婚して子どもを2人くらいもつ……ごく普通のことが「子どもは贅沢品」とまで比喩されている時代。「結婚してしんどい思いをするくらいなら、独身で自由な生活を謳歌した方がいい」と感じてしまうのでしょう。

「収入の不安さえなければ恋人を作って結婚したい」そんな本音を心に秘め、「いらない」と切り替えている若者は少なくありません。

「恋人はいらない」その奥に隠された気持ちに目を向けることが大切

SNSやライフスタイルの変化、自由や効率を重視する価値観の中で、「恋人はいらない」と考える若者が増えているのは、ある意味自然な流れかもしれません。

そんな時代の空気が、恋人をもつことの価値を薄れさせているのは事実です。

でも一方で、「本当は誰かと繋がりたい」「分かち合える存在がほしい」そんな本音を、心の奥で抱えている人も少なくありません。

若者の「恋人はいらない」その言葉の裏には、現代ならではの問題が集約されているように感じます。

Written by 花山こころ

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