家族の分を考えず、用意した食事をあらかた食い尽くしてしまう…… そんな「食い尽くし系夫」の存在が、SNSを通じて明らかになりつつあります。
そこでこの記事では、食い尽くし系夫の特徴と、効果的な対策について解説しました。ぜひ参考にしてください。
「食い尽くし系夫」とは、家族で食べるはずの料理を、すべて自分のものとばかりに遠慮なく食べてしまう夫のことです。
たとえば、4人家族分として用意したハンバーグ4つのうち2つ以上を勝手に食べてしまったり、子どものおやつまで手を付けたり。
本人にとってはごく自然な行動のため、指摘されても「もっと用意すればいい」「食べちゃダメって聞いてない」と悪びれることがありません。
この食い尽くし系夫について、
「食い尽くされるということは、もともと用意されている量が少ないのだから、適量を用意しない妻が悪い」
「もっと作ればいいだけなのに『食い尽くし系』なんて揶揄するのはどうか」
との指摘も聞かれますが、これは的外れです。
というのも、「食い尽くし系夫」問題の本質は、『食べる量の多さ』ではなく『妻や子どもの食べ物を奪っても平気な心理』にあるからです。
自分のせいで妻や子どもがおなかをすかせることを想像できない、仮にできたとしても自分の欲を優先してしまう……。
そんな夫に対し、静かな怒りを抱える妻は決して少なくないのです。
食い尽くし系の夫には、いくつかの共通した特徴が見られます。詳しく見ていきましょう。
食い尽くし系夫の特徴として、まず挙げられるのが、「常に自分の欲しいものを与えられて育ってきた」ことです。
「食べたい分だけ食べていい」「残すのはもったいない」といった教育を受けてきた場合、食べ物について他者への配慮を身につけるのは簡単なことではありません。
食事の場面でも自分の欲求を最優先する傾向が強く、結果として家族の分まで食べてしまうのです。
「常に自分の欲しいものを与えられて育ってきた」のとは反対に、「欲しいものを得られない環境で育った」場合も、食い尽くし系夫になりやすい傾向があります。
これは、上の兄弟に食べ物を取られてしまった経験や、経済的な理由で好きなだけ食べられなかった経験から、目の前に食べ物があると強迫的に食べてしまう心理が大きく影響しています。
「今食べておかないと、なくなってしまう」そんな無意識の恐れが働いているのかもしれません。
「他者への共感力が著しく低く、思いやりがない」ことも、食い尽くし系夫に多く見られる特徴のひとつです。
通常、どんなに好きな食べ物であっても、ひとりで好きなだけ食べようという気持ちにはなりません。
ごく自然に「家族が空腹で困るかもしれない」「栄養が足りなくなるかも」と考えるからです。
このタイプの男性は、食事の場面に限らず、家族の気持ちや状況への配慮に欠ける傾向があります。
中には、「家族なら何でも許してくれる」という甘えた考えから、確信犯的に食い尽くしを行う男性もいます。
このタイプの男性は、自分の行動に対して家族が本気で不満や怒りを感じているという認識がありません。
許されることを無条件に信じているので、仮に指摘されたとしても「また何か言ってるけどまあいいや」と軽く考えてしまいます。
自分が家族に食事を提供する側の大人であるという意識が欠如し、夫というよりも息子のような立場で家族の中に存在しているのが特徴です。
食いつくし系夫の問題は、単なる食事マナーの問題ではなく、家族の健康と幸せに関わる重要な課題です。
ここでは、食い尽くし系夫を卒業してもらうための具体的な対策を紹介します。
大皿に盛られたおかずは、「みんなのもの」であるぶん、食い尽くし系夫の思うがままに食べ尽くされてしまいがち。
その点、個別に取り分けられたおかずであれば、ほかの人の分まで手を出すのは簡単なことではありません。心理的なハードルが上がるので、食い尽くしの予防に効果的です。
「これは3個までね」「こっちは全部食べていいよ」など、具体的な量を伝えるのも、食い尽くし防止に効果的です。
この場合、「半分くらい食べていいよ」や「子どもの分は残しておいて」のような曖昧な表現はNG。
誤解や言い訳の余地をなくすためにも、食べていい量を可能な限り数字で明確に伝えましょう。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、繰り返すことで習慣化していきます。決められた量を守れたときは、しっかりと褒めることも大切です。
子どもは親の行動を見て育ちます。食いつくし系の行動を子どもが当たり前だと思ってしまうと、将来の人間関係に支障をきたす可能性があります。
「あなたはおなかいっぱい食べて満足そうだけれど、成長期の子どもたちはおなかをすかせたまま。親としてどう考えているのか」
「子ども達が将来同じことをして、友達や恋人に不快な思いをさせてしまうかもしれない」
など、具体的な影響を説明することで、夫の意識を変えるきっかけになるかもしれません。
食いつくし系の夫の行動には、それぞれの背景や理由があります。やりきれない思いはもっともですが、一方的・感情的な非難は解決につながりません。
食い尽くしを卒業してもらうには、夫婦でコミュニケーションを取りながら、少しずつ改善していくことが大切です。
子どもの健やかな成長のためにも、家族みんなが気持ちよく食事ができる環境づくりを目指しましょう。
Written by やまだうめ