いくつかの質問に答えるだけで、性格や行動傾向がわかるのがMBTIです。最近話題になっていて、韓国ドラマのセリフの中にも「MBTIは何?」というセリフが出てくるほど、国内外で注目されています。
しかし、MBTIの流行に伴って、MBTIハラスメントが横行しているのも事実。そこでここでは、MBTIの基本的な知識とMBTIハラスメントについて解説します。
MBTIとは、個人の性格を検査するものです。
MBTIでは、個人の性格は16のタイプに分けられます。およそ10分の簡単なアンケートに答えることで自分の性格や行動の傾向について知ることができます。
MBTI診断は、スイスの精神科医であり心理学者であるユングのタイプ論に基づいたものです。
現在、欧米やアジアなど、世界50ヵ国以上の言葉に翻訳され、多くの国で取り入れられています。
とある韓国ドラマのセリフにも「血液型の相性もMBTIも合うものは一つもないと思う」というのがあるように、韓国でも特に若者に浸透しているようですね。
日本では、大学、企業、団体などで行われる研修や講義で使用されることもあり、さまざまな場面で活用されています。
個人の性格を診断してくれるMBTIでは、ものの見方、感覚、外交的か内向的かなどの傾向やパターンがわかります。
また、MBTI診断は、自分の長所と短所を発見するためのものとしても活用できます。
これで出た結果では、いいところは生かすべきところ、磨くべきところを知ることができ、短所や弱点はどのように克服するといいかを考えるいいきっかけになります。
MBTIは、自分の性格がどのようなものかを決めつけるものではありません。
あくまでも、自分がどういう性格で、どのような考えや直感を持っているのかを知るためのものです。
ですから、MBTIの結果にとらわれて、自分を過信して大胆な行動を取ったり、よくない結果に落ち込んだりする必要はありません。
また、分類されたタイプの内容に全員が当てはまるわけでもないので、大まかな傾向を理解するためのものだと考えればいいのかもしれませんね。
人には個性があって、それぞれ違うことが当たり前。
そのことを知り、自分の立ち位置を理解してうまく関係作りをするために役立てるという目的があります。
MBTI診断は、個人の性格などの内面がわかりますが、それがその人の個性を決めつけるものとなるのが、ハラスメントとなります。
ここで出た結果は、その人の全てではありません。
それなのに、「MBTIがあのタイプなら、君には無理だよ」などと勝手に決めつけ、偏見を持たれることもあります。
例えば、MBTIで「内向的な性格」と結果が出た人が、外交的になろうと努力していたとします。
そして努力が実り、一見すると内向的な人に見えないほど、社交的で誰とでも明るく接することができるようになりました。
しかし、MBTIの結果から周りに
「あの人は内向的な人だから」
と決めつけられて、営業や接客など、人と接する仕事を任せてもらえなかったとしたら、どう思いますか。
このように、その人の実際の姿を見ず、MBTI診断の結果だけでその人を判断することは、立派なハラスメント。
MBTIハラスメントは、少し前に流行った血液型による決めつけにも少し似ていますよね。
MBTIハラスメントは、自分が加害者になることもあります。
MBTI診断で出た結果に、自分が囚われ過ぎてしまい、相手を不快にさせてしまうことがあるのです。
例えば「私は、こういうタイプだから、こんなことできない!」というように、MBTI診断の結果で自分のできること、できないことを決めてしまう人がいます。
これでは、仕事では使いものになりませんよね。
また「あなたのMBTIのタイプは、私とは合わない」と、相手を知ろうともせず初めから突っぱねてしまう人もいます。
相手を知ろうとせず、初めからシャッターを下ろしてしまうのです。
自分がMBTIに囚われ過ぎて、相手に嫌な思いをさせることは、相手に対するハラスメントになるということを覚えておきましょう。
MBTI診断では、自分がどんな性格なのか、どんな直感を持っているのかなどを客観的に知ることができます。
だからこそ、自分のいいところを伸ばし、弱点をカバーするためにどうすればいいかを考えるいい機会になるでしょう。
大切なのは、MBTIが自分を完全に決めつけるものではないと理解しておくことです。
MBTIにとらわれすぎて、何かをする前から「私にはできない」と諦めてしまうのはもったいないですよね。
他人のことを決めつけて偏見を持つことも、せっかくのご縁を遠ざけてしまうことになるのでやめましょう。
MBTIはあくまでも目安。人付き合いや出会いでは、実際に相手と接してみて、自分がどう感じたか、その直感を大切にするようにしてくださいね。
Written by さあや