「女子力とは何ですか?」と尋ねられて、即座に答えられますか? たぶん無理ですよね。だって、wikipediaにも厳密な定義が載ってないし。
携帯しているバッグがいつも小さめで、その中に絆創膏とティッシュが入っていて、履いているのはデニムではなくスカート――これを「女子力高めの女子」と言う人もいますが、なんじゃそりゃ?
今回は、女子力とは何か、それは高められるものなのか、もし高められるものであれば、どうすれば高められるのかなどについて、一緒に見ていきたいと思います。
巷で言われている女子力を総合的に捉えると、以下の2つに定義されるように思います。
(1)女性にしかできないことがうまくやれる能力
(2)世間が女性に期待しているところを、うまくやれる能力
冒頭に書いた「いつもスカートをはいている」は、男性にはできないですよね。女性にしかできない。アイロンのかかったハンカチを持っている。これは男にもできますね。だから(2)の「世間が女性に期待しているところ」に入ります。
他の例を挙げるなら、たとえば、飲み会で、みんなの空いたグラスをテーブルの隅にまとめる男子がいたら「女子力が高いね」なんて言う女子っていますよね。
これは、多くの人が暗黙のうちに、理想の女性像に、細やかな気づかいのできる能力を含ませているからです。グラスを片付けるのは「女子らしいこと」、つまり「女子力が高いね」と、いわば直感的に「女子」の口から出てくる。
(1)女性にしかできないことがうまくやれる能力
(2)世間が女性に期待しているところを、うまくやれる能力
このいずれかの能力を具体的に表現すれば、女子力が高い女性になれるのだから、女子力が高い人の特徴とは、たとえば、贈り物をするのがうまい、出しゃばらず控えめ、ネイルオイルやハンドクリームを持っている、など、ネットで誰もが一度は読んだことのある例が挙がるでしょう。
男ウケのいい女子力とは、主に上記の(1)を表現すればいいです。つまり、女性にしかできないことがうまくやれる能力を磨くといい。この能力こそを、男子は女子力と見ているからです。
たとえば、すごくわかりやすい例を挙げるなら、おっぱいがそこそこ大きいとモテるというのは、胸の曲線美は女性にしか持つことができないからです。男子がいかに胸筋を鍛えたからといって、女性らしい曲線美をもつ胸は絶対に手に入らないからね。
極端な例はさておき、モテる女子力を上記(1)と定義したとき、狭義では、男子の孤独を理解し、受け止めてあげる能力のことだといえます。
男は男ならではの孤独を抱えています。つまり男であるだけで淋しいのです。
その淋しさを理解し、受け止めてあげる能力……たとえば、よく言われる「いつも笑顔の女性」は男ウケ抜群です。なぜなら彼は、あなたに会うまで、陰々鬱々と人生における絶望について考えていたからです。だから笑顔のあなたに会うと、あたかも女神に会ったかのように感じるのです。
いつも彼の話を聞いてあげるとか、あまり好きじゃない男子が口説いてきても「お前、わたしとエッチしたいだけだろ? ボケ猿!」と言わず、「わたしたちが付き合ったら、友達のみんなに迷惑がかかるから、いいお友達でいようね」と、やさしく諭してあげる能力とか、そういうのが、モテる女子力ですね。
反対に、勘違い的なモテない女子力というのは、なにかにつけて「女であること」で優位に立とうとする女子が持つ力のことです。女であることをあからさまに利用する女子のことですね。
たとえば、男女で協力して仕事を進めているときに「わたし女だから重たいもの持てな~い」と言う女子。もっとも、女子がそう言う前に、男子がさっと重たいものを持たなくてはならないのだけれど、そう言う女子も女子です――と、男子は感じます。
「男は女なら誰とでもエッチしたがる」と思って、マッチングアプリで寝る相手を探し、一度寝たら音信不通になる女子も、男から「女であることを利用しやがって」と思われています。
男は淋しいから、孤独だから、誰かと寝たいと思って、マッチングアプリを使います。淋しい人は、他者に対して寛容ではないから、男より寝る相手に恵まれやすい女子に、はなから嫉妬しているのです。
繰り返しになりますが、
(1)女性にしかできないことがうまくやれる能力
(2)世間が女性に期待しているところを、うまくやれる能力
この2つの能力を磨けばいいのだから、話は簡単です。まずは明るく元気に生きることです。
まず(1)については、女性にとって女性とは、自分自身のことでしょ? その自分を磨くといいんです。
(2)については、世間が期待している女性らしさと、男女差別の違いを知ることです。世間でいう「女性らしさ」は、女性蔑視をベースにしていると思っている人もいると思うけど、結局のところ、自分の気持ちに正直に生きると、必然的に(2)が満たされるのです。なぜならあなたはそもそも、神様に女性として選ばれているから、何らか作為的なことをしなくとも、普通に自然に、まっすぐ成長してゆくと、必然的に(2)が満たされるようになっているからです。
つまり(1)も(2)も、自分の人格を自分の手でつくる、というのがポイントなんですね。だから
・明るく元気に
・他人に思いやりを持ち
・こういう女性になりたいという理想に向かって歩く
だけで、女子力は知らず知らずのうちに磨かれてゆくのです。
最後にひとつ。男から見た女子力とは「結果」です。
孤独で淋しい俺の心を、温かくやわらかなもので包み込んでくれた――「結果として」彼がこう感じたとき、彼はその女性に女子力の高さを見るのです。
(1)女性にしかできないことがうまくやれる能力でもって、彼に何かをしてあげたことによって、彼の頭の中であなたが(2)世間が女性に期待している女性像と合致した――男子の思考って、こういう流れなんですね。
具体的な例を挙げるなら、ガサツで男まさりな女子に、ある男子が「君ともっと飲みたいから、終電まで一緒にこの居酒屋で飲もうよ」と言ったとします。そのとき、彼女が彼のこの申し出を快諾したなら、彼にとって彼女は「女子力が高い」んですね。反対に「わたし、酔っ払い嫌いだし」と言って帰ったら「女子力が低い」とみなすんですね。
なぜなら、彼は「女であるあなた」と飲みたいわけで、一人で飲みたくないし、ましてや男となど飲みたくないからです。男って、女子力をこんなふうに解釈しているのです。
つまり「俺にとっての女神」を男たちは常に探しているのです。
アイロンのかかっていないしわしわのハンカチを持っている女神でもいいんです。「俺に女性らしいやわらかさと優しさを提供してくれる女子=女子力が高い=女神」この方程式、男子の脳内には高校生の頃からあるの、知らなかったですか?
Written by ひとみしょう