個人的に思うところですが、世間にはメンタルをちょっと病んでいる(ちょっとどころではない場合もある)人って、結構増えているように思います。まあ今の時代ってストレス社会ですし、それも無理ないことですよね。
日本は年間2万人以上の自殺者を出しています。そのほとんどは男性、それも若者よりも中高年が多いとのことですが、若い女性であっても心を病むことは大いに考えられます。近年ではそういう状態の人たちを「メンヘラ」と呼ぶようになりました。
私事で恐縮ですが、僕には弟子が2人います。
どちらも女性で、ほぼ同時期に弟子入りしてきました。
物書きの弟子とはどういうものかと言えば、単純に書いたものを僕が校正したり、物を書く上での作法を教えるとか、その程度の話です。この2人の弟子はどちらもいわゆるメンヘラの傾向が強いタイプです。
特徴として女性のメンヘラって、頭が良いんだと思います。
脳内でさまざまな算段をするのが上手で、飲み込みも早い。
だから自分の立場や将来についても現実的に考えてまとめるのが上手なんですよね。
だけど、脳内の理想と現実のギャップというのが必ずありますから、その差異に苦しむ傾向があるのかな、と感じるところがあります。恋愛においても恐らくそうでしょう。
男性が心を病む理由は比較的単純です。
失恋やらなんやらよりも、真っ先に関与してくるのが金銭問題です。
男性の心の悩みなんてのは、お金の有無が1番密接に関わっているもので、大金持ちなら自殺しなかったし、欝にもならなかったという男性、これまで大勢いたはずです。
お金がない。借金をした。両親が施設に入って蓄えも尽きた。
こういう物質的な理由は、男性を、それも年齢を重ねれば重ねるだけ追い詰めるものになります。
一方で女性の場合も、やはりお金が心を病む理由の一因ではあるものの、お金の有無があまり関係しない若い世代でも、いわゆるメンヘラになることは多いですよね。その理由は家族間のいびつな繋がりだったり、男性とのトラブル、そもそも自分の存在についての違和感などさまざまです。
しかも状況が状況ですから、そんな自分を受け入れてくれる男性というのも、なかなか現れません。
メンヘラにも程度には個人差があります。
なんちゃってメンヘラもいれば、重篤な人もいます。
時にはその重篤な人を支えようという男性が現れることもあるでしょう。
自分でメンタルヘルスに関する書籍を買い込んで勉強しようという彼氏が出来ることもあるかもしれません。
でも、こういう努力って言わば急ごしらえの付け焼刃なんですよね。
本当に相手の精神的な支えになろうというなら、想像を絶する苦労を経る必要があるものです。
僕の知人男性は、その昔、統合失調症の女性と交際していました。
さっきまで笑顔でデートしていたかと思えば、突然鬼の形相になって周囲の人々に殴りかかったり。
歩道を歩いているといきなり泣き出して、車に飛び込もうとしたり。
その都度この男性は身を挺して彼女をかばったのですが、交際から5年が経った頃には、彼が限界を迎えました。
「全て、俺のせいだと思う。まずは慎重に、友達として関係をスタートさせていれば、もっと支え方を客観的に考えることが出来たかもしれない」
彼はそういいますが、僕もある種同感です。
メンヘラの度合いが強い女性に、身一つで素人男性が支えようとしたって土台無理なものなのかもしれません。
時にはそうした女性の方から、強く男性に支えてほしいと懇願することもあるでしょう。
しかし、頼ろうとしている男性は医者でもない普通の人間です。
そもそも頼りない存在なのです。
だからこそ、まずは自分が頼ろうとしている男性の器について、冷静に考えるべきです。
一緒に苦しんでくれる男性よりも、受け入れてくれる男性というのが必ずいます。
支えるだけでは足りないのです。まとめて受け入れてくれる男性を探しましょう。
Written by 松本ミゾレ